2017年11月17日、恵比寿LIQUIDROOMにて、エレクトロミュージックとゲームミュージックのイベント「DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭 」が開催された。
ゲーム音楽だらけのこのイベントは、2017年10月22日（日）〜11月17日（金）まで開催されていたRED BULL主催の音楽フェス＜RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017＞のイベントの一つとして開催されたもので、音楽シーンをディープに掘り下げたイベントを数多く開催しているRED BULL MUSIC FESTIVALのフィナーレを飾るのに相応しいイベントとなった。
とにかくどのアーティストもゲーム音楽を連発しまくるので、クラブで踊り明かす週末が常となっているクラバーはもちろん、普段あまりクラブ遊びをしないようなゲーマーや、日本のゲームカルチャー、オタクカルチャーに興味津々な外国人客も非常に多く、会場内には普通の音楽イベントよりもカルチャー色が強く、他の音楽イベントとは明らかに一線を画すなんとも濃〜い独特の雰囲気で満たされていた。
イベント初盤からかつてのゲーム少年たちのボルテージを最高潮に上げてきたのは、ゲームミュージック界の重鎮であるChip Tanaka（田中宏和）。チップチューンとテクノやドラムンベースなどをミックスさせたアップテンポでダンサブルな8bitサウンドを繰り出し、自身の代表作であるMOTHER等の曲でゲームミュージックファンたちに大歓声を上げさせた。ダンスフロアの左右、そしてDJ卓の上下とアーティストの背後にスクリーンが設置され、映像が３方向から観衆を取り囲み、鼓膜を震わすチップチューンとキュートでカオティックな映像の渦で会場を包み込む。
ラストには田中コールが巻き起こり「まだ21時なのに…ヤバいよこれ、どーすんだよ！」と汗まみれで大興奮しながら語る観客たちの姿が印象的だった。
Hyperdubを主催するKode 9は、KOJI MORIMOTO（森本晃司）のオーディオ・ビジュアルとタッグを組んでの登場となった。
彼お得意のJukeの小刻みで変則的なようで規則性のあるリズムと「ファイナルファンタジー7」や「聖剣伝説」といったゲームの音楽が見事に融合されたセットに、森本晃司が監督を務めた「MEMORIES EPISODE 1 彼女の想いで」「音響生命体ノイズマン」「鉄コン筋クリート 3DCGパイロット版」といったアニメ作品の映像が組み合わせられ、かつてジャパニメーションと言う言葉が台頭していた古き良き90年代アニメ黄金期を喚起させつつも、非常に先進的でクールなステージを作り出していた。森本晃司はその後、2FのLIQUID LOFTでDJも行い、マジンガーZや海のトリトン等の懐かしいアニメソングを披露して会場を更にマニアックな雰囲気に仕立てあげていた。
メインフロアの深夜を飾ったのは、KEN ISHIIによるNEO-TOKYO TECHNO ’90’s TECHNO SETという、AKIRAファンが思わずニヤリとしてしまいそうなタイトルが銘打たれたSET。さすが「東洋のテクノ・ゴッド」と呼ばれるKEN ISHIIだけあり、BPM速めで無骨、ガビガビした音色が肋骨を震わせるいかにも理想的な90年代テクノセットを具現化させた。テクノゴッドの手腕に、恍惚とした表情で激しく踊り狂う健康優良不良少年たちも多数。90年代の曲ではないが、Jeff Millsの代表作であるThe Bellsが掛けられると、感極まったオーディエンスから叫び声が上がった。
大盛況のうちに終幕を迎えたRED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017「DIGGIN' IN THE CARTS」。様々な実験的な試みと、懐古的ゲームミュージックの融合による非常に興味深いイベントとなった。80年代〜90年代に多感な子ども時代・青春時代を過ごしたゲーム少年たちにはたまらない一夜になったのではないだろうか。
Written by きのや
場 所：LIQUIDROOM（恵比寿）
料 金：前売3,500円／当日4,500円
出 演：Kode9 x Koji Morimoto AV, Chip Tanaka, Ken Ishii Presents Neo-Tokyo Techno (’90's Techno Set) Visuals by MMM, OSAMU SATO Presents LSD REVAMPED（LIVE) & SPECIAL VJ: TEAM LSD, Quarta 330, Yuzo Koshiro x Motohiro Kawashima Visuals by Konx-Om-Pax, Carpainter (Live Set / TREKKIE TRAX), hally Presents HALLY COLLECTIVES (hally, Saitone, ヨナオケイシ, 細井聡司, 三宅優, 杉山圭一,Rolling Uchizawa), GONNO presents beyond the chip sounds (Special DJ SET)
展 示：あそぶ！ゲーム展 presents ゲーム音楽のパイオニアたち
https://www.redbull.com/jp-ja/diggin-in-the-carts-2017-22-08
＜開催概要＞
RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017
日 程：2017年10月22日（日）〜11月17日（金）
会 場：都内各所（渋谷・恵比寿・六本木など）
料 金：各公演により異なる。詳細はオフィシャルサイトにて。
主 催：レッドブル・ミュージック・フェスティバル実行委員会
後 援：一般財団法人渋谷区観光協会
http://tokyo.redbullmusicfestival.com
ゲーム音楽だらけのこのイベントは、2017年10月22日（日）〜11月17日（金）まで開催されていたRED BULL主催の音楽フェス＜RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017＞のイベントの一つとして開催されたもので、音楽シーンをディープに掘り下げたイベントを数多く開催しているRED BULL MUSIC FESTIVALのフィナーレを飾るのに相応しいイベントとなった。
懐古厨も感涙！ 80年代・90年代のゲーム音楽がいっぱい
DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭は、80〜90 年代の日本のゲーム音楽に影響を受けたアーティストや、逆に影響を与えたアーティストたちによるゲーム音楽をメインとするイベント。とにかくどのアーティストもゲーム音楽を連発しまくるので、クラブで踊り明かす週末が常となっているクラバーはもちろん、普段あまりクラブ遊びをしないようなゲーマーや、日本のゲームカルチャー、オタクカルチャーに興味津々な外国人客も非常に多く、会場内には普通の音楽イベントよりもカルチャー色が強く、他の音楽イベントとは明らかに一線を画すなんとも濃〜い独特の雰囲気で満たされていた。
イベント初盤からかつてのゲーム少年たちのボルテージを最高潮に上げてきたのは、ゲームミュージック界の重鎮であるChip Tanaka（田中宏和）。チップチューンとテクノやドラムンベースなどをミックスさせたアップテンポでダンサブルな8bitサウンドを繰り出し、自身の代表作であるMOTHER等の曲でゲームミュージックファンたちに大歓声を上げさせた。ダンスフロアの左右、そしてDJ卓の上下とアーティストの背後にスクリーンが設置され、映像が３方向から観衆を取り囲み、鼓膜を震わすチップチューンとキュートでカオティックな映像の渦で会場を包み込む。
ラストには田中コールが巻き起こり「まだ21時なのに…ヤバいよこれ、どーすんだよ！」と汗まみれで大興奮しながら語る観客たちの姿が印象的だった。
Hyperdubを主催するKode 9は、KOJI MORIMOTO（森本晃司）のオーディオ・ビジュアルとタッグを組んでの登場となった。
彼お得意のJukeの小刻みで変則的なようで規則性のあるリズムと「ファイナルファンタジー7」や「聖剣伝説」といったゲームの音楽が見事に融合されたセットに、森本晃司が監督を務めた「MEMORIES EPISODE 1 彼女の想いで」「音響生命体ノイズマン」「鉄コン筋クリート 3DCGパイロット版」といったアニメ作品の映像が組み合わせられ、かつてジャパニメーションと言う言葉が台頭していた古き良き90年代アニメ黄金期を喚起させつつも、非常に先進的でクールなステージを作り出していた。森本晃司はその後、2FのLIQUID LOFTでDJも行い、マジンガーZや海のトリトン等の懐かしいアニメソングを披露して会場を更にマニアックな雰囲気に仕立てあげていた。
メインフロアの深夜を飾ったのは、KEN ISHIIによるNEO-TOKYO TECHNO ’90’s TECHNO SETという、AKIRAファンが思わずニヤリとしてしまいそうなタイトルが銘打たれたSET。さすが「東洋のテクノ・ゴッド」と呼ばれるKEN ISHIIだけあり、BPM速めで無骨、ガビガビした音色が肋骨を震わせるいかにも理想的な90年代テクノセットを具現化させた。テクノゴッドの手腕に、恍惚とした表情で激しく踊り狂う健康優良不良少年たちも多数。90年代の曲ではないが、Jeff Millsの代表作であるThe Bellsが掛けられると、感極まったオーディエンスから叫び声が上がった。
同時開催された「あそぶ！ゲーム展 presents ゲーム音楽のパイオニアたち」
今回のDIGGIN' IN THE CARTSでは、特別展示として「あそぶ！ゲーム展 presents ゲーム音楽のパイオニアたち」が展示された。「あそぶ！ゲーム展 presents ゲーム音楽のパイオニアたち」では、ゲーム音楽に関する貴重な資料の公開や、アウトランのBGMが聞けたり、ファミコンがプレイできたりという体験型の楽しい展示となり、音楽の合間の息抜きも兼ねて足を向ける人が多かった。大盛況のうちに終幕を迎えたRED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017「DIGGIN' IN THE CARTS」。様々な実験的な試みと、懐古的ゲームミュージックの融合による非常に興味深いイベントとなった。80年代〜90年代に多感な子ども時代・青春時代を過ごしたゲーム少年たちにはたまらない一夜になったのではないだろうか。
Written by きのや
DIGGIN' IN THE CARTS 電子遊戯音楽祭
日 時：2017年11月17日（金）開場19:00／開演19:30〜場 所：LIQUIDROOM（恵比寿）
料 金：前売3,500円／当日4,500円
出 演：Kode9 x Koji Morimoto AV, Chip Tanaka, Ken Ishii Presents Neo-Tokyo Techno (’90's Techno Set) Visuals by MMM, OSAMU SATO Presents LSD REVAMPED（LIVE) & SPECIAL VJ: TEAM LSD, Quarta 330, Yuzo Koshiro x Motohiro Kawashima Visuals by Konx-Om-Pax, Carpainter (Live Set / TREKKIE TRAX), hally Presents HALLY COLLECTIVES (hally, Saitone, ヨナオケイシ, 細井聡司, 三宅優, 杉山圭一,Rolling Uchizawa), GONNO presents beyond the chip sounds (Special DJ SET)
展 示：あそぶ！ゲーム展 presents ゲーム音楽のパイオニアたち
https://www.redbull.com/jp-ja/diggin-in-the-carts-2017-22-08
レッドブル・ミュージック・フェスティバル東京 2017とは？
2017年10月22日（日）〜11月17日（金）まで、レッドブルが日本の音楽に”翼をさずける”をテーマに音楽フェス「レッドブル・ミュージック・フェスティバル 東京 2017」を開催。ポップス、ロック、ヒップホップ、エレクトロニック、ノイズからゲーム音楽まで、ジャンルはさまざま。日本の音楽にまつわるイベント、ワークショップ、レクチャーが約1ヶ月間にわたって都内各所で行われた。レッドブルだからこそのユニークなイベントの数々に、日本の音楽シーンを代表する著名ミュージシャン〜新進気鋭のアーティストたちが総勢150組以上登場。＜開催概要＞
RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017
日 程：2017年10月22日（日）〜11月17日（金）
会 場：都内各所（渋谷・恵比寿・六本木など）
料 金：各公演により異なる。詳細はオフィシャルサイトにて。
主 催：レッドブル・ミュージック・フェスティバル実行委員会
後 援：一般財団法人渋谷区観光協会
http://tokyo.redbullmusicfestival.com
