2016年12月「統合型リゾート(IR)整備推進法案」通称「カジノ法案」が成立したのを覚えているだろうか。長らくカジノは違法としてきた日本でカジノが解禁されると多くの日本人が注目していた法案である。


カジノ法案は、主なメリットとして「経済効果」「雇用の促進」「地域の活性化」などをもたらす一方、「ギャンブル依存症」「治安の悪化」などの問題点が挙げられていた。

しかし、結果的にカジノ法案は可決され、そこから4年の年月が経過している現在、ただでさえ日本初のカジノ開業までには様々な手順を踏む必要がある中、ここへ来て新型コロナウイルスの影響があり、当初早くても2025年頃にオープンするのではと見られていたところ、2025年以降となる可能性も高くなってきた。

日本初のカジノはどこにできる!?

カジノ法案の具体的な基本方針が策定された後、カジノの候補地が正式に決定することになっており、現在大阪、東京、横浜、長崎などでがカジノの候補地となっている。候補地の自治体と事業者たちが PR 活動を熱心に行い、その中から選定される。


事業者と自治体が決定すると、プラント構想などをすり合わせ、開発、そしてオープンとなる。

ラスベガスのカジノ企業が次々に日本のカジノ事業からの撤退・延期を発表

Wynn Resort 社 が運営するラグジュアリーリゾート Wynn Las vegas(ウィン・ラスベガス)は、Wynn Las vegas の他にも Encore Las Vegas(アンコール・ラスベガス)を有し、マサチューセッツ州に1店舗、中国・マカオに3店舗を所有、数あるラスベガスのホテル・カジノの中でもひときわの規模を誇る大企業だ。


the Japan times によると、Wynn Resort 社は、価競買人の1社となっており昨年12月に日本でのカジノ免許取得に向け「横浜」をターゲットに動き出していると報じられていた。

だが、先週日曜日、Wynn Resort 社は、免許取得のへのプロセスが現在遅れており、横浜に構えていた Wynn Resort 社 横浜事務所を閉鎖したと報告。一方で、引き続きプロジェクトには興味をしめしているとのことだ。
Wynn Resort 社では以下のように述べている。

このパンデミックは、総合リゾート開発にかつてないほどの悪影響を及ぼしており、我々のようななリゾート運営企業は、パンデミック後、事業をどのように進めていくかを検討している。長期的には日本の総合リゾート市場には多くの関心を寄せているが、状況を注視しながら進めたいと思っている。

Wynn Resort 社は、長年に渡り日本でのカジノのオープンについて興味を示しており、日本の人口と裕福さを考慮すれば、日本は最も大きな成功を収められる国だと考えているとのことだ。また日本の国会では、日本初となるラスベガススタイルのリゾートカジノ開発について承認されていたものの、まだ建設着手には至っていなかった。


また、ラスベガスの多数のカジノリゾートを所有する大企業「Caesars Entertainment Corp. (シーザーズ・エンターテインメント​)」社は昨年、そして「Las Vegas Sands Corp. ​​(ラスベガス・サンズ)」社は今年5月、既に日本でのカジノ事業を断念している。撤退の理由は、税率の高さ、不利な条件、建設費用などをが挙げられているとのことだ。多くの企業は約100億ドル(日本円約1兆1,000億円)の投資がこの事業に対して必要となる。


また大阪で唯一の価競買人となっている、ラスベガスの有名カジノリゾート、MGM Resorts(エムジーエムリゾーツ)社は、先週コメントを発表し、この事業はおそらく来年まで延期される可能性が非常に高いが、MGM Resorts はこのプロジェクトを続行すると述べた。

まだ収束の目途が立っていない新型コロナウイルスにより世界中で多くのカジノが閉鎖されている。Wynn Resort 社ももちろん打撃を受けており、依然としてカジノの需要は低迷している。また同社は再オープン後に需要がまた増加すると望んでいたが、思うように客足は復帰せず、先月には多くの従業員を解雇している。

さて、日本のカジノ法案の行く末は……? とにかく延期が見込まれているため、オープンはまだまだ先となることは間違いないだろう。