先日、暗号通貨取引所 FTX が突如破綻し、そのため FTX を利用していた顧客たちは資産が凍結され、引き出しができない状態となっている。その総額は数十億ドル相当に上ると見られている。

そして昨年、FTX の NFT プラットフォームを通じて立ち上げられたプロジェクトに関連する Discord サーバーは、FTX アカウントのウォレットから 暗号通貨 SOL 建ての資産を引き出せずにいるユーザーからの苦情でいっぱいになっているとのことで、更に場合によっては、NFT を FTX からセルフ・カストディ・ウォレット(外部のウォレット)に引き出して保管していた場合でも、FTX サーバーの問題のため、NFT アートワークを見ることができなくなっている場合もあるそうだ。
更に、FTX NFTs マーケットプレイスを通じて立ち上げられたプロジェクトの多くのリンクも同様に現在壊れている。なお、FTX は、連邦破産法第11条の適用を申請したことを発表している。

この FTX の破綻騒動に影響を受けたプロジェクトの中には、北米最大級の音楽フェス Coachella(コーチェラ)、そして世界最高峰フェスと名高い Tomorrowland(トゥモローランド)、更に NBA 選手による NFT コレクションや F1 をテーマとした NFT 等、音楽、スポーツブランドがいくつも含まれているとのことだ。


中でも Coachella は、今年2月に FTX US と 提携を発表し、10枚の Coachella の生涯パスを NFT としてリリースしており、Web3 の流通の大きな1歩として注目を集めていた。更に、他の様々な NFT グッズも販売されており、Coachella は NFT 関連で総額150万ドルを稼いだとのことだ。

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しかし現在、 Coachella の Discord サーバーのユーザーは、購入した NFT を FTX ウォレットから転送できないことを報告しており、更に自身で外部ウォレットに保有する Coachella NFT のアートワークも表示されないと訴える人も。

これに対し、Discord のモデレーターは、NFT に関連するアートワークをホストしていた FTX サーバーがダウンしたことが原因であるようだ、とコメントしているとのことだ。

Coachella のサーバー管理者は、先週金曜日に以下のコメントを発表。

現在、FTX チームとのコミュニケーションは取れていません。
我々は社内でチームを編成し、我々が利用できるツールに基づいた解決策を感がています。私たちの優先順位は、FTX から Coachella NFT を取得することであり、現時点ではそれは無効となっているようです。

Coachella Innovation の Lead Sam Schoonover は、フェスティバルが NFT 保持者のための対応を策定しようとしていることを肯定している。

我々は積極的に解決策に取り組んでおり、Coachella の NFT 保持者の利益を保護することができると確信しています。

しかし、Coachella や他の FTX NFTs パートナーがプロジェクトの管理権を取り戻せるかどうかは、まだ分からないとのことだ。クリエイターがメタデータ(NFT の機能を規定するデータ)を修正する能力を保持していれば、FTX に張り付いたオリジナルの NFT を無効にして、新たなトークンとして再発行できる可能性も示唆されている。しかし、現在のところ、それらの全てはまだ明確ではないとのことで、更にそれらが判明するまでにどのくらいの時間がかかるかもまだ分からないとのことだ。

現在、FTX NFTs のユーザーの貴重なデジタル資産は、FTX エコシステムの中に閉じ込められており、FTX は債権者総数は100万人を超える可能性があると述べている。
FTX の破産手続きは、かなり長期間に渡って続く可能性があるとのことだ。