大掛かりな改装工事を経て、最先端のベニューとして生まれ変わるはずだったアメリカ・ニューヨークのベニュー Brooklyn Mirage（ブルックリン・ミラージュ）のオーナーが、同ベニューの解体許可申請を提出したと報じられている。

Brooklyn Mirage は、イースト・ウィリアムズバーグにある約7,600平方メートルのAvant Gardner 複合施設の一部で、約3,200平方メートルの会場だ。ヨーロッパの未公開株分野に特化したメディア The Real Deal の報道によると、Brooklyn Mirage の解体費用は推定150万ドル（約1億5,000万円）とされている。

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Brooklyn Mirage の問題は、2023年に2名の来場者が死亡したことをきっかけにスタートしたが、Avant Gardner 側はこの責任を否定していた。こうした論争があったにも関わらず、ベニューは今年初めに改装工事のために閉鎖されるまで営業を続けており、改装工事後は5月1日に再開し、Black Coffee（ブラック・コーヒー）や The Chainsmokers（ザ・チェインスモーカーズ）等、多数の人気アーティストたちが出演する今夏のフルスケジュールを組む予定だった。

そして、3,000万ドル（約45億2,769万円）もの巨額の費用を掛けての大掛かりな改装工事を経て、同ベニューは鳴り物入りで再会するはずだった。
この改装工事は「Mirage 4.0」と呼ばれるもので、仮想環境、270度のキネティック・シャッター、特注スピーカーを備えた「エレクトロニック・オペラハウス」のようなものとなり、過去10年間で何度もリフォームしてきた同会場の歴史の中でも、最も野心的な再設計になるはずだった。

▼当初の改装イメージ

しかし、許可問題や安全検査に不合格となるなど、大きな運営上の問題に直面し、財政危機に陥ってしまった。
最終的に、経営陣は窮地に陥っていた CEO の Josh Wyatt を解任し、後任にはナイトライフシーンを牽引する存在であり、Destructo（デストラクト）という名義でDJ/プロデューサーとしても著名な Gary Richards を任命した。

しかし再会計画は実現せず、Avant Gardner は最終的に会場の公演シーズン全体をキャンセル、予想収益に壊滅的な打撃を与えた。
最終的に Avant Gardner は1億5,530万ドルの負債を抱え、大幅に滞納している請求書が山積みになる中、収益確保の見通しも立たない状況で、連邦破産法第11章の適用を申請した。

現在、債権者との和解案として報じられているのは、他に的確な入札がなかったため、同社の債権者の関連会社が Brooklyn Mirage の資産を買収するというものだ。売却を承認するための公聴会は10月22日に予定されている