米国最高裁判所は先週月曜日、”Thaler 対 Perlmutter 事件” の審理を棄却。「人間の関与なく AI によって生成された作品は、現行の米国法では著作権保護の対象外となる」という下級裁判所の判決をそのまま維持した。

この ”Thaler 対 Perlmutter 事件” とは、コンピューター科学者のスティーブン・セイラー氏が、人工知能によって生成された AI 画像に対する著作権を請求し、その技術の出力は著作権保護の対象となるべきであると主張したもので、スティーブン・セイラー氏と、同事件について争点を争った 米国著作権局の シーラ・パールマター局長の名前を取って ”Thaler 対 Perlmutter 事件” と俗に呼ばれているものである。

当時、米国著作権局は2022年にこの申請を却下、そして2023年には連邦裁判所も前年の米国著作権曲の決定を支持しており、更にその後ワシントン D.C. 巡回控訴裁判所も同じくこれを支持した。

所有権の問題は、クリエイターが自身による貢献をどれだけ詳細に記録しているか、共同制作契約においてそれらの貢献がどれだけ明確に扱われているか、場合によっては AI ツール自体によって付与される商業的権利にも及ぶ可能性があるため、楽曲制作の過程で何らかの形で AI を活用している米国はもちろん各国の音楽プロデューサーにとって、この判決内容はかなり重要なものとなる可能性が高い。


この ”Thaler 対 Perlmutter 事件” の判決結果は、AI を使用して作られた作品が自動的に保護の対象から除外されるということを意味しているのではなく、米国著作権局の見解では、”AI を使用した作品の著作権保護を受けるためには、依然として人間による著作者性が必要である” ということを示唆するものとなっている。

アーティストは作曲、編曲、編集等の作品を形成する人間の判断を明確に認識する必要があるかもしれない。また、活用する AI ツールが、その素材の配信と商業的収益化を合法的に許可していることを確認する必要もある。

各ストリーミングプラットフォームは、AI 生成音楽に関して独自の規制を設けている。例として挙げると、Spotify は既に数千万もの AI 生成トラックを排除する措置を講じており、アーティストの同意なしに声を模倣した楽曲を明確に禁止しており、実際に Spotify は1000万回以上再生された人気曲であっても、AI 生成ボーカルが実際の歌手の声に酷似しているという理由で楽曲を削除している。
また、フランスのストリーミングプラットフォーム Deezer は今年、完全なる AI 生成楽曲が毎日約6万曲も流入しており、その多くな不正なストリーミング再生であると判断したと発表、AI 生成楽曲をアルゴリズムによる推奨から除外し続け、AI 生成楽曲と判断された楽曲のストリーミング再生の収益化を停止している。