昨年、ベルギー開催のビッグフェス「Tomorrowland 2025」のメインステージを全焼させた大火災の原因について、下請け業者が、パフォーマンス中に可燃性の燃料を噴射し、巨大な炎(火柱)を吹き上げる特殊効果として使用される「ファイヤー・ボウル」のテスト中、高引火性物質であるエタノールを誤ってステージ上にこぼしたことが火災の原因である可能性が高いと、ベルギー・フランデレン最大の新聞である Het Laatste Nieuws が "捜査関係者に近い情報筋の話" として報道した。

火災が起きたメインステージの「Orbyz」ステージは「Tomorrowland 2025」のテーマである「The World of Orbyz(オービズの世界)」を体現する大型構造物で、高さ45メートル・幅160メートルを誇り、2,000以上の装飾要素、65の噴水と2つの滝を備えた巨大な舞台であり、ステージの設計は2023年から始まり、完成まで2年を要した。
このステージの構造素材には発泡スチロール2,616㎥、合板2,278枚、ポリウレタン断熱フォーム2,460本など燃えやすい素材が大量に使用されており、これらが燃焼を急速に促進したとみられている。


火災は開幕48時間前の2025年7月16日に発生。消防隊が出動して鎮火したが、建設中だったメインステージは全焼した。当時会場には来場者はいなかったが、約1,000人のスタッフが作業中で、死傷者はゼロだった。
アントワープ検察は即座に捜査を開始したが「事故とみられる」との見解を示していた。 

関連記事
>>火災によってメインステージを焼失したビッグフェス「Tomorrowland」火災の原因はフェスで使用する "花火に関する3つの不備" が原因か…?ベルギー当局が調査中

>>【続報】ベルギー発フェス「Tomorrowland」メインステージの火災原因は炎を出す装置が意図せずステージの装飾に燃え広がったことが原因か?

主催者は火災翌日から代替ステージの建設に着手。なんとヘヴィメタル・バンドの Metallica(メタリカ)のツアー用ステージをオーストリアの倉庫から一夜にして空輸し、暫定的なメインステージとして設置するという驚異的な対応で、第1週末の開催を予定通りに維持した。 

関連記事>>火災でメインステージ消失の「Tomorrowland」の救世主は、なんとヘヴィメタ・バンドのMetallica (メタリカ) !? バンドのステージ機材を夜通し空輸して新たなメインステージに

「Tomorrowland」のスポークスパーソンである Debby Wilmsèn は、エタノール漏れの報道に対し以下のようにコメントした。

この火災は常に Tomorrowland の歴史の一部であり続けるでしょう。私たちはそのことを深く認識しています。もちろん、こうした出来事を二度と経験したくはありません。ただ、リスク分析は私たちの安全手順がすでに非常によく整備されていることも確認しています。私たちは継続的に業務を見直し、必要なあらゆる場所で追加措置を実施しています。同時に、率直に言わなければなりません——すべてのリスクを完全に排除することは不可能です。天候条件と人間の行動は誰も完全にコントロールできません。だからこそ、あらゆる想定シナリオに対して可能な限り徹底的に準備し、リスクを最小化して最も安全なフェスティバルを開催することを目指しています。

火災を受けて「Tomorrowland」の主催企業である WEAREONE.world と、ベルギーのブーム、ルムストの両自治体、アントワープ州知事は共同でアントワープ大学の危機ガバナンス講座を中心とする独立リスク分析を委託。2026年5月22日に公開された同報告書の結論は明確で、「Tomorrowland の客観的なリスクプロファイルは低〜中程度と評価され、フェスティバルの組織に根本的な構造的変更は不要」とされた。緊急事態においても来場者が「素早く安全なエリアに到達でき、例外的なシナリオでも避難時間は確立された安全基準の範囲内に収まる」ことが確認されている。

この報告書を受けて、2026年の「Tomorrowland」には新たな安全対策が導入される。LiDAR と密度モニタリング技術でリアルタイムの来場者データをフェスティバルの中央指令部(ECC)に送信するシステム、メインステージや「The Great Library」などの戦略的拠点への消防隊事前配置、メインステージの通路と避難トンネルの追加強化、ショーストップ手順の迅速化などが実施される。

「Tomorrowland 2026」は今年、7月16〜19日、そして7月23〜26日の2週末にわたってベルギー・ブームで開催され、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)、Martin Garrix(マーティン・ギャリックス)、Hardwell(ハードウェル)、ILLENIUM(イレニアム)、David Guetta(デイヴィッド・ゲッタ)らが出演し、主催者が「Tomorrowland 史上最も野心的なクリエイティブジャーニーのひとつ」と称する新テーマで、団結や意識、グローバルなつながりを祝福するコンセプトとなる「CONSCIENCIA(コンシエンシア)」のもとで幕を開ける。

関連記事
>>【DJ Mag Top 100 Festivals 2026】2026年度の世界のトップフェスティバルは6年連続ベルギーの『Tomorrowland』がナンバー・ワンに!

>>2026年7月開催の『Tomorrowland』がAvicii (アヴィーチー) を称えるトリビュートを再び実施、限定コラボ・コレクションも販売