昨年春にお台場でスタートした都市型音楽フェスティバル『StarFes.』。昨年よりもさらにスケールアップし、3月23日(土)に東扇島東公園特設会場(神奈川県川崎市)にて『StarFes.2013』が開催された。国内外のロックバンド、ダンスミュージック・アクト、ヒップホップ・グループなど多彩なラインナップが1日で堪能でき、世界中のトップ・アーティストが一堂に会するなんとも贅沢で他に類を見ない本格・本物の音楽フェスティバルとなった。

会場の東扇島東公園は海沿いの工業地帯にあり、空港も近く、飛行機や大型の船が横切るなか、11時から20時まで3つのステージとラウンジで熱いパフォーマンスが繰り広げられた。メインステージの「Star Stage」には目玉となるアクトが多数登場し、セカンドステージの「Star Floor」にはダンスミュージック寄りのDJが集結。テント型の「Star JAM」(サードステージ)はライブ・パフォーマンスが中心となっていた。さらに、DJプレイも楽しめる喫煙所の「Star Lounge」や、喫煙しながらメインステージのパフォーマンスを楽しめる「Smoking Hills」などが設置された。

開演時間になり、「Star Stage」には[Champagne]が、「Star Floor」にはNaoki Serizawaが、「Star JAM」にはregaがそれぞれオープニング・アクトとして登場。ロックバンドのregaは、同じく「Star JAM」に出場したビートボクサーのDaichiなどと、昨年末に行われた前哨戦イベント『StarExhibition.2012』を勝ち上がり、今回の大舞台への参加が実現した。

その後、「Star Floor」でSTEPHANE Kがスピンし、「Star JAM」でDEXPISTOLSが会場テント内の温度を上げていた頃、「Star Stage」でBACK DROP BOMBのライブがスタート。日本のミクスチャーバンドの代表格らしい安定したパフォーマンスでオーディエンスをロックしていた。その後はKaito aka Hiroshi Watanabeが「Star Floor」で、80KIDZが「Star JAM」で観客を魅了。オーディエンスの数も増え、いよいよフェスらしい雰囲気になってきた。

そして13時半頃、メインステージにはSUGIZOの姿が。サイケデリック・トランス・サウンドにギターを織り交ぜた圧巻のステージングで魅せていた。同じ頃、「Star Floor」ではイギリスのフレンドリー・ファイアーズがDJセットを披露し、観客を沸かせていた。

14時を過ぎた頃、「Star JAM」にDaichiが、その後にAFRAとビートボクサーが続けて登場。2人によるセッションも行われ、両者とも口を楽器として駆使した達者なライブを展開。「Star Floor」ではDE DE MOUSEの激しいリズムとポップさを融合したサウンドに、フロアは熱狂し一体となって踊っていた。いっぽう「Star Stage」では、ジャザノヴァとシンガーのポール・ランドルフがプレイを開始。DJプレイ中心のセットではあったが、ポールのソウルフルなヴォーカルが混ざり、たまらなくグルーヴィーで心揺さぶられるオトナの時間が演出されていた。その後、「Star JAM」では川辺ヒロシがベテランらしい風格を見せながらテント内のボルテージを上げ、デトロイト・テクノの重鎮オクターヴ・ワンが硬派なビートで「Star Floor」を揺らした。

そして、16時を回った頃、スチャダラパーがステージに現れて観客は大興奮。ギタリストが遅刻するなどのハプニングはあったが、ヒット曲のオンパレードの合間にユーモラスなMCを挟み、オーディエンスのハートを見事に鷲掴みにしていた。締めの「今夜はブギーバック」は大合唱で大盛り上がり。その間、「Star Floor」にはMark Farinaのサウンドが広がり、「Star JAM」ではmouse on the keysの激しさと静けさの狭間を行き来する音世界がテント内を支配していた。

17時を過ぎた頃、メインステージに電気グルーヴが参上。なぜか白衣をまとって登場した彼らの、趣向を凝らした遊び心あるパフォーマンスと、キラーチューンばかりのセットに観衆は大熱狂。日本が世界に誇るパイオニア達もまだまだ健在だ。

17時半すぎ、「Star Floor」のトリを飾るデトロイトの奇才、セオ・パリッシュのセットがスタート。ディスコ、ハウス、テクノからドナルド・バード、JBズ、ボブ・マーリーまで、漆黒のグルーヴをブレンドした2時間以上ものプレイで、オーディエンスを酔わせた。その間、「Star JAM」ではHIFANAの変幻自在で奇想天外なライブが行われ、そしてクロージング・アクトのターンテーブル・テクニシャン、DJ KENTAROの達人的なプレイが炸裂した。この2組もセッションを行い、会場は熱気は最高になった。「Star Stage」の大トリはイギリスが誇るダンスミュージック・マエストロのTHE ORB。場内がすっかり暗くなったなか、彼らが繰り出す渋いダブ・テクノがジワジワと身体の隅々まで浸透し、音楽漬けの濃厚な1日を熱く締めくくった。

昨年よりもさらにスケールアップした『StarFes.2013』。国内外の豪華かつ贅沢で多彩なアーティストが、会場を埋め尽くしたファンの心を鷲掴みにした1日。なんとも贅沢で他に類を見ない本格フェスティバル『StarFes.』をこれからも是非チェックして欲しい。

オフィシャルサイト: http://star-fes.net/
iFLYER PARTY REPORT: http://iflyer.tv/ja/partyreport/120834/