私は15年間の間、英グラストンベリーフェスティバル(Glastonbury Festival)、チェコのド田舎にある農場で行われたホロコビッチフェス、ロックインジャパンフェス、ロスアンジェルスのミュージンク(Musink)など、世界中のフェスを回った。でも、フジロックみたいなフェスは人生で初めてだった。

フジロックは家族向けのヒッピーフェスなのか、オールナイトディスコ付きのロックンロールフェスなのか?どのようなフェスなのか全く想像がつかないまま、突入した。

ほとんどの来場者は、真夏にも関わらずハイキングギアを身に付け、雨に備えてポンチョを手元に準備した。折りたたみチェア、ピクニックシーツなどを待ち運び、朝一からグリーン・ステージの前で場所取りをするグループも見かけた。ビーサンと短パンしか用意しなかった私は、皆の準備の良さに関心した。

ロックフェスなのに暴れはしゃぐ人はいなく、落ち着いてゆったりとした時間を楽しく過ごせたのが印象に残った。そして、遊びにきている人は皆気さくで親切な人ばかりだった。木曜日に入場してからすぐ友達ができ、フジファミリーの1員になった気分だった。HMVバーでビールを飲ませてくれる代わりに、通訳を頼まれたエピソードも、フジロックの大切な思い出の1つ。

金曜日からフジ本番が始まり、最初はゆっくりしたいと思い、入場口からCafe´ de Parisまでお散歩を。地図を見るとそんなに遠く見えないが、実際は到着するまで1時間ほどかかった。散歩中に見かけたのが、ボードウォークを中心に草むらや木の陰からひょっこりと顔をだす、色とりどりなパンツをはいたウサギたち。

森から出ると、ヒッピータウンのようなエリア、STONED CIRCLEにたどり着いた。そこには大型テントが張ってあり、ドラムサークルが開催される中、私はジャークチキンのピタサンドとビールを口にし、ビッグ・ウィリーズ・バーレスク・フジ・レヴュー(Big Willie's Burlesque Fuji Revue)のパフォーマンスを見ながら疲れた足を休ませた。

Stoned Circle/Orange Stage:



元気を取り戻せたので、メインエリアのほうに戻って、Orange Courtでスティーブ・ニーブ(Steve Nieve)、Red Marqueeでボンベイ・バイシクル・クラブ(Bombay Bicycle Club)、Green Stageでフォスター・ザ・ピープル(Foster The People)のステージを次々と回った。あっという間に日が暮れ、この日White Stageトリのベースメントジャックス(Basement Jaxx)のセットがスタートした。アンセム「Good Luck」でスタート、「Where’s your head at」でしめた彼らのセットは最初から最後まで最高の盛り上がりを見せ、フロアはお祭り状態に!

Foster The People:



Basement Jaxx:



パフォーマンスが終わったのでキャンプ場に向かおうと思ったが、White Stageからキャンプ場まで15分以内でたどり着けるはずだったが、人が多すぎてなかなか前に進めず1時間ぐらいかかってしまった。でもその間、周りにいる人たちとすぐ仲良くなり、乾杯をしているうちにキャンプ場に着き、おかげさまで長い散歩は楽しく過ごせた。その後、噂のCrystal Palaceで朝まで踊りまくった。

Crystal Palace:



土曜日は朝からエネルギーたっぷりのジャパニーズロッカーズ、ザ・スターベムズのライブに続き、グリーンステージでウルフルズのライブに向かった。私の知る限りフェスでは早い時間のステージにそんなに人が集まらないが、さすがウルフルズのステージは前から後ろまでパンパン。観客全員が1つとなって歌う姿に感動した。

ウルフルズのセットが終わったとたん眠気に襲われ、近くに見つけた椅子に腰をかけ昼寝をした。目覚めたらちょうどトラビス(Travis)のパフォーマンスが始まっていた。フラン・ヒーリー(Fran Healy)はパナマ帽子をかぶり、ガンダルフのような白ひげでステージに現れた。彼らのセットは古い曲と最新曲のちょうどいいミックス。

今日も冒険するつもりだったけど、さすがに体力の限界を感じたので、そのままグリーンステージに残る事にした。ステージに登場したのはジャパニーズ・パンクバンド、ザ・クロマニヨンズ! 彼らの刺激的なセットのおかげで私もフルに復活ができた。次に登場したデーモン・アルバーンのセットはザ・クロマニヨンズのエネルギッシュなパフォーマンスの正反対。まるで子守唄のようなゆったりとした1時間のセットた。私に取って唯一のハイライトは日本のラッパーAKLOとの共演で「Clint Eastwood」を披露した瞬間だった。

ザ・クロマニヨンズ:



デーモン・アルバーン:



2日目グリーンステージのトリはアーケイド・ファイヤー(Arcade Fire)。最高のパフォーマンスはもちろん、多数のコスチュームチェンジ、ステージに現れた骸骨と大型へまヘッド、ミラーボールスーツを着たダンサーなどトリにふさわしい見所満載のセットを楽しむことができた。

Arcade Fire:



パーティーはまだ止まらない!レッドマーキーに向かい、私に取って今年ベストのセットが始まった。ザ・ブラッディー・ビートルーツ(The Bloody Beetroots)はすご過ぎ!エレクトロ・パンク・ハウス・ダンスなどがショーケースされた完璧なセット。セットが終わり、またクリスタルパレスに顔を出し2日目が終了した。

日曜日は雨が降ったけど、ムードは変わらず、良い音楽を聞きながら、良い飯を食べ、良いピープルと時間を過ごした。ラテン・ヒップホップ・バンド、オゾマトリ(Ozomatli)のセットを少し見た後、バンド名が気になっていたくOgre You Assholeのステージに向かった。その前に登場したOKGOのパフォーマンスも少し見る事ができ、日曜日の朝は順調に進んだ。

次に見たいアーティストはSBTRKT。彼の出番まで数時間開いたので、また冒険することにした。秘密ハンモックの森で一休みし、NGO村まで歩いた。多数設置されたブースの中で、特に見に入ったのが「まだ親になりたくない」「アフリカの特別楽器の遊び」「ボランティアリサイクル」のブース。アフリカの伝統的な楽器の弾き方を教わったり、リサイクルのボランティア活動に参加しながら、働いている方々と会話しているうちに、時間が経つのを忘れてしまい、あっという間にSBTRKTのセットが始まる時間に。

NGO村に留まりたい気分でいっぱいでしたが、レッドマーキーに戻って、とってもクールなSBTRKTのセットを聞きながら、体を揺らした。そのすぐ後に登場した17歳のロードのパフォーマンスには感動した。17歳とは思えない、歌唱力とステージプレゼンスに驚いてしまった。彼女は次回グリーンステージに立つに違いない。

Lorde:



フジロックもいよいよ終盤。ジャック・ジョンソンを見るのか、アウトキャストなのか?!非常に難しい選択だったが、ワイトステージに向かい、ヒップホッピング、ボディーポッピング、ジョードロッピングなパフォーマンスを体感した。アウトキャストは"So fresh"アンド"So めちゃ clean" だった!

Outkast:



もう一度レッドマーキーに向かい、Mr ScruffのDJセットを聞きながら疲れた体を動かし、最後にクリスタルパレスにサヨナラしてからフジロックの会場を出た。こうして、人生初フジロック体験は幕を閉じたのであった。バスに乗り、電車に乗り、何時間後にやっと自分のベッドにたどり着いた。

フジロックは一生に一度の体験であり、フェスに参加するために来日する外国人の気持ちが良く分かった。来年のフジロックまで待てない!既に超楽しみにしています。フジロック、お疲れ様でした!(Roll on next year, I can’t wait!!!

私のフジロックのパフォーマンス ベスト5
ザ・ブラディー・ビートルーツ、ウルフルズ、ザ・クロマニヨンズ、ベースメントジャックス、アーケードファイア