OFF THE ROCKERとVERBALが語る、RADの軌跡と今後の展開について


大沢:2010年3月に『RAD』を始めて、もう5年経ったんだね。初期はAIRを舞台にやっていたわけで。このパーティ名は上村君が考えたんだよね。

上村:多分何個か候補をあげて、その中から大沢さんが選んでくれたんですよ。OFF THE ROCKERにとって都内初のレギュラーイベントとしてスタートしたのが『RAD』だった。

大沢:OFF THE ROCKERを始めて、ちょうど5年目ぐらいだったかな。僕ら、意外と10年もコンビ組んでるんですよ。まぁ10年もやって、相変わらず好き勝手やってますけど(笑)。

上村:DEXPISTOLSも活動休止したし、KITSUNEもソロ活動が主体になったし、OFF THE ROCKER はDJユニットとしてはなかなか希少価値が高まってきましたね(笑)。



——その後、VERBALさんは2011年4月からレギュラー参加することになりますが、当時の心境はいかがでしたか?

VERBAL:当時DJ活動を始めて、さほどキャリアも積んでない時期だったんですよね。だから、『僕が参加していいの?』みたいな。今だにその気持ちはありますけど(笑)。

大沢:いやいや、毎回みんなメチャクチャだったよ(笑)。VERBALもフロアにダイブしたり、お客さんと一緒に盛り上がっていた印象がある。もちろんDJプレイもしっかりやってたけどね。

VERBAL:確かに、AIRという会場の規模感とは思えないぐらい盛り上がってましたよね。



——そして、VISIONに移ったのは2012年9月。DJブースを来場者に解放するという“BOILER ROOM”スタイルを採用したのは、2013年8月に遡ります。

大沢:いまのパーティスタイルになったのも、そんなに前!?

上村:でもこのスタイルになったことで、AIRの時みたいに僕らとお客さんが一緒に楽しむっていう部分は取り戻せたかな。VISIONだと、どうしてもDJと来場者の距離が広がってしまうから。遊びに来てくれた友達や知人とも楽しみやすいというか。

VERBAL:いや、2人ともそのあたりはスゴイですよね。僕はパフォーマンスで手一杯で、DJブースのところに来てくれた人と遊んでいる余裕がない(笑)。だけど、先輩2人はお客さんと乾杯して、そのうえで破壊力のあるDJプレイも見せている!

大沢:まぁ、ユニットだからなんとかなっているだけ(笑)。よく思うんだけど、『RAD』は音楽的な要素ももちろん重要だけど、パーティを作るという意識の方が強くて。その1つの手段だったと思うんです、“BOILER ROOM”スタイルは。
 

——同時に、日本におけるパーティの次なるモードを作るという使命も『RAD』にはあるのかなって。この3人だからこそ、先進性が求められるというか。そういう意味でも、“BOILER ROOM”スタイルは東京でも徐々に浸透してきたし、ある種の成功は獲得できたと思うんですが。

大沢:うん、でもちょっと飽きてきたよね(笑)。僕らが呼んだ人は楽しそうにしてるのは十分わかったから、次はダンスフロアにいる人をどうやって楽しませるかが課題なのかな。

VERBAL:このスタイルって最初は、一般のお客さんとVIPをあえて差別化して、以前の尖ったクラブカルチャーを取り戻すことが目的だったと思うんです。でも、若いお客さんって楽しみ方のスタイル自体が違って、VIPになれることの優越感を意外と求めてないのかなって。

大沢:ヘンに高望みもしないよね。

VERBAL:多分、いわゆるジェネレーションZと呼ばれる年代の子は、自分のライフスタイルに合うか合わないかで判断しちゃうんですよね。クラブでも同様で、自分がいる場所は楽しければそこから飛びださなくてもいいって思うみたいで。

上村:確かに、こっちサイドから投げる新しい何かは、ネット社会だからすぐキャッチしてくれるけど、情報のやりとりだけで終わったりしますよね。

VERBAL:興味はあるんですよね、みんな。だから、SNSをもっと使ったインタラクティヴなイベントにするのも1つの案だと思っていて、『RAD』開催までゲーム感覚でずっと追いかけていたいという仕掛けを作るとか。当日かける曲の15秒だけアップして、その曲から興味を引かせたり。

大沢:なるほどね。でも僕はSNSが逆に普通になりすぎてしまってるんで、ちょっとアンチになってて。メインフロアに入るときにスマフォを没収するとか、現場だけはとことん閉鎖的なものにしてみたい。ジェネレーションZは人と人とのオーガニックな付き合いがなくなって、SNSという違うところでコネクトしちゃってる。だから、その回線を切ってしまって、パーティはオフラインなもの、リアルな世界のものにしたい。極端なアイディアですけど、どう?『RAD』オフ会ってテーマは(笑)。

——『RAD』またリニューアルしちゃいますか!?

大沢:このパーティはもう突き抜けたことをやってもいいと思うんだよね。『RAD』は僕らにとって、実験の場だから。

上村:例えば、早い時間帯からパーティをスタートさせるのは難しいんですかね?

大沢:夜9時〜1時までしか僕らはプレイしないとか。“NINE to ONE(9時〜1時)”っていうサブタイトルを付けて、その時間帯の中で僕らが全力で走り抜ける、みたいな。

VERBAL:それ、いいですね! いまはクラブに来ない若い層も全然いるし、以前遊んでいた大人の層もパーティに来にくくなっている。そういう人たちにも遊べる場を提供できますね。

上村:うん、早い時間帯に遊び尽くす人もいれば、朝までクラブライフを堪能することもできる。クラブの楽しみ方の選択肢が増えて、すごく画期的なパーティになるんじゃないかな。

大沢:しかも理想だけど、夜10時までは低料金で入場できるのがいいよね。早い時間にお客さんが入ってくれれば、しっかりとパーティが成立すると思う。『RAD』がカオスを生み出すパーティであり続けるためには、フレッシュなことをやりたいよね、やっぱり。“BOILER ROOM”スタイルは継続しつつ、“NINE to ONE(9時〜1時)”もやっちゃいましょう!

——では、“ONE to FIVE(1時〜5時)”はOFF THE ROCKERとVERBALと共鳴するアーティスト、いま押したい次世代アーティストなどに出演してもらうのはどうでしょうか?

大沢:うん、パーティを二部制にするのはいいね。クラブライフの新しい形だと思う。そもそも『RAD』は音楽を聴かせるだけのものじゃない。どうやってパーティを進化させるか、それが『RAD』の永遠のテーマだから、意識的に来場者を循環させていくのも必要かもね。

上村:そう、早い時間帯から遊びに来てもらって、みんなで一緒にパーティを作り上げていけたらいいですね。

大沢:人の心理的に、すでに盛り上がっている段階で入場したほうがやっぱワクワクするというのがあると思うけど、『RAD』は1人1人が“one of them”というか、ピークを作る段階から参加してもらいたい。それに僕らとVERBAL、お互いの音楽性も違うし、DJスタイルも違う。だから、音楽性で融合しようという意識はそもそもなくて。だから、いいパーティを作るということの方が大事で、自分たちもとことん楽しめたらいいよね。

VERBAL:“NINE to ONE(9時〜1時)”もピークタイムに成り得るし、“ONE to FIVE(1時〜5時)”もピークタイム。絶対に、面白いパーティになりますね、これからの『RAD』は!

 
OFF THE ROCKER & VERBAL present RAD ~NINE to ONE, ONE to FIVE~
5TH ANNIVERSARY!!!
Produced by WONDER&CLOCKS//ワンクロ
2015年5月29日(金)@ SOUND MUSEUM VISION

TIME:
【OPEN】21:00【1st Peak Time】21:00~1:00【2nd Peak Time】1:00~

PRICE:
【22:00までに入場】女性500円/男性1,000円
【22:00以降に入場】女性2,500円/男性3,500円 VISION LINE MEMBER/VISION MEMBER/WITH FLYER ¥500 OFF

LINEUP:
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