Rroseプロジェクトは2011年、今は亡きSandwell Districtレーベルより、3枚のEPと1枚のアルバムのリリースとともに誕生した。このベテランプロデューサーは、幻想的なインダストリアル・サウンドを真骨頂とするアーティストである一方、彼の別名義でのディスコグラフィーは、エクスペリメンタル・ハウスや簡素なピアノ楽曲まで、多岐に渡る表現形式を示している。Rroseのライブパフォーマンスは、影となってステージに立ち、男性とも女性ともとれるように立ち振る舞うことで、観る者にジェンダー規範と芸術性について暗示的に問いかけている。



私たちは、11月14日(土)に恵比寿リキッドルームで開催される"DJ Nobu "Nuit Noire" release party"に出演する、性別不明のミステリアスなプロデューサー/ライブパフォーマーにインタビューしました。

Q. どのようなものからインスピレーションを受けますか?

A. 僕の場合、インスピレーションは自分自身の感覚がよりどころになっているので…それが何であれ、混乱されるものや、驚かされるものや、ショックを受けるものや、魅了されるものや、そういった何かを引き起こすものからインスピレーションを得ているね。

Q. 最近のお気に入りのアーティストは?

A. いわゆるフェイバリットを選ぶのは好きじゃないので、最近発見したアーティストを挙げさせてもらうと、Fran ReedとSarah Davachiはドローン・ベースの素晴らしい音楽を作っていると思う。Laurel HaloのHonest Jon'sから出たニュー・アルバムも好きだ。最新の音楽、特にテクノを選ぶ場合、僕はいつもだいたい(アーティストではなく)その時に好きなトラックを それぞれ選ぶことにしてる。僕がミックスを公開する時は全部トラックリストを公表するようにしてるから、それをチェックしてもらうのが一番良いと思うよ。

Q. どのようなプロセスで音楽を作っているか、よろしければ教えていただけますか?制作プロセスに決まったやり方はありますか?

A. よくやるのはサイン波をいじった後にそれをシェイプして、その音が奇妙な動作をし始めるまでモジュレートして、あとは導かれるままにたどっていくというや り方。でも時々リズムから作っていくこともあるよ。音やパーツをどんどんつけ足していくやり方より、むしろ基本的なビルディング・ブロックからの構造を進 化させていく方が多いね。あと音を作っている時間よりも作ったものを聴いて吟味する時間の方がずっと長い。

Q. あなたの制作活動はキャリアを重ねていく中でどのように変化していったと感じますか?特に何が変わりましたか?

A. その質問はまずどこまでキャリアをさかのぼるかによって答えも変わるけど、現時点では僕にはその議論に入る準備が出来てないよ(笑)。

Q. 今までに自分が出演したショウやパフォーマンスの中で、一番のお気に入りはどのショウですか?

A. 2013年のラビリンス・フェスティバルは間違いなくハイライトだった。オーディエンスはとても音に集中していて気配りがあり、サウンドシステムは他の追 随を許さない素晴らしいものだった。あと僕にとって本当に楽しめたのは、アメリカ人コンポーザーJames Tenneyによるゴングを使った音響作品"Having Never Written a Note For Percussion"の新解釈での演奏が実現したことだね。僕はそれをマンハッタンにある教会で演奏して、もっと最近だとクラクフで行なわれた Unsound Festivalでも演奏したんだ。

Q. あなたは以前にも日本に来たことがありますが、今回また東京に戻ってくる時に楽しみにしていることはありますか?

A. 残念ながら今回の来日では余分な時間がないけど、美味しい日本食を食べることと、みんなと新しい音楽をシェアすることを楽しみにしているよ。

Q. 1日だけ誰かに変われるとしたら誰に変わりますか? 

A. 黙示録(世界の終末)の生存者だね。