テクノロジーの進化が音楽の変化をもたらしてきた。
今注目のVR(バーチャル・リアリティー)技術が今後フェスやコンサートのあり方を変えて行くかもしれないとテキサス州・オースティンに拠点を置く会社The WaveVRは言う。この会社は、ミュージシャンという職業も兼ねる3人により創設された。
※以下の写真は現在のチーム構成。



彼らがリリースしている公式アプリ「TheWaveVR」は、HTC Vive(800 USドル)Samsung Gear VR(100USドル)Google Cardboard(15USドル)などのVRヘッドセットを通してアクセス出来る仕組みを持つオンラインアプリである。

簡単に言えば、そのヘッドセットとアプリであるDJが実際には存在しないものの、VRの世界では存在する会場や観客に向けてプレイ出来る空間を創り出すことを可能にしているのだ。



その他にも、人々が音楽を3D的な環境でプログラム出来るようなインターフェイスを提供したいという新たな使用方法も明かしている。これも簡単に言えば、Garagebandを3Dの空間で操作するような感覚だ。

それだけでない。DJは機材だけでなく、観客がいる空間までもをコントロール出来るようになる。普通の会場を一つのVRによる操作で宇宙の彼方へと変化させることができる。

参加する観客もヘッドセットを着用することで、例えば持っているグロースティックを持つだけでなく、VRであれば架空のグロースティックで自分好みの模様を描き、それを一緒に参加している人とともに共有することだって出来る。

今後のプロジェクトとして代表のArrigoはこのように話している。

メジャーなアーティストたちに、自分たちの家のリビングからもバーチャル・コンサートを開ける技術をVRを通して提供したい。すでに、Skrillexやdeadmau5に話を持ちかけようと思っているよ。

また、VR技術によりアーティスト本人を別のアバターと置き換えることが出来るから、例えば、Skrillexがステージに立ちながらも、観客と触れ合うことを同時に出来る。



すでに、テスト版は、OWSLAに在籍するMijaKill The Noiseも試供している。
また、The Late Late Show With James Cordenにも出演しているReggie Wattsやグラミー賞も受賞しているSteven Priceもすでにテスト版を体験している。
 

VR技術がもたらす大きな機会に関してArrigoはこのように言う。


Spotifyは素晴らしい発明だけれど、何かをしながら音楽を聞くスタイルとなっている。VRであれば、ヘッドセットをつけて音楽にのみ集中するようになる。このように、音楽に特化した経験を生み出すことで改めて音楽の価値観が高まるだろう


では、このTheWaveVR協力のもとでコンサートが行われることを仮定したときに、どのようなことが可能になるのか。

例えば、Deadmau5がカナダの自宅の一室でDJセットをプレイしていたとすると、彼の好みのイメージや音楽はすべてホログラムとしてクラウドに保存され、ヘッドセットやARグラスを着用した観客がVR技術を通して、そのプレイを楽しむことが出来る。

これにより、年齢制限、国境などのバリアを越えて、より多くの人が音楽を吸収することが出来る。



賛否両論はあるだろうが、今後の音楽の聞き方や吸収方法に影響を与えそうなVR技術の威力を感じ取ることが出来るだろう。Youtubeのライブストリーミングを越えるような技術とさえ感じれる。
すでに、アメリカでは、VRのライブイベントも開催されており、Alluxeなどが実際のDJセットとヘッドセットでVRを体験した。
そのときの様子がこちら。