11月4日(金)に4年振り通算6作目のニュー・アルバム『ヒアー』をリリースすることが決定しているグラミー15冠の最強歌姫アリシア・キーズが、現地時間10/9(日)に自身の出身地でもあるニューヨークのタイムズ・スクエアで、約75分間のシークレット・ショーを行った。彼女との親交も深いジェイ・Zやジョン・メイヤー、ナズ、Qティップ、クエストラヴなどの豪華サプライズゲストも登場し、ニュー・アルバムからの新曲やヒット曲満載のライヴを披露した。

2001年のデビュー以来、全世界アルバム・トータル・セールス3,000万枚、グラミー賞15冠を誇り、11月には4年振り通算6作目のニュー・アルバム『ヒアー』の発売が決定している、正真正銘のトップ・アーティスト=アリシア・キーズ。同アルバムに収録される新曲「ブレンデッド・ファミリー feat. エイサップ・ロッキー」を解禁したばかりの彼女が、現地時間10月9日(日)、自身の出身地でもあり現在も活動の拠点としているNYのタイムズ・スクエア広場にてシークレット・ショーを開催し、具体的な場所を明かさずに「NY市内某所でライヴを行う」とのみ事前告知されたにもかかわらず、タイムズ・スクエアを覆う大観衆が集まった。
 


アリシアと親交も深く、同じくNYと縁の深いジェイ・Zやナズをはじめ、伝説的ヒップ・ホップ・グループ=ア・トライブ・コールド・クエストのQティップ、ヒップホップ・バンド<ザ・ルーツ>のドラマ―=クエストラヴ、更にグラミー7度受賞の天才シンガー・ソングライタ=ジョン・メイヤーなど、超豪華ゲストもサプライズ登場し、「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー」「フォーリン」「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」などの大ヒット曲はもちろん、解禁されたばかりの「ブレンデッド・ファミリー」や、新作に収録される予定の「ホーリー・ウォー」などの新曲も世界初披露。約75分間のパフォーマンスにNY中が熱狂した。

<ライヴレポ―ト>
6作目となるニュー・アルバム『ヒアー』のUSでの発売日を来月11月4日に控えたアリシア・キーズが、現地時間10月9日(日)夜、NYタイムズ・スクエアのど真ん中でシークレット・ライヴを行った。アルバム発売前夜に米TV局BETにて放映予定の特番の収録も同時進行され、タイムズ・スクエア名物の巨大スクリーンも10カ所以上をジャック。一部のファンには事前に知らされていたものの、3連休をNYで過ごしていた何も知らない観光客がスマホ片手に柵の外を埋め尽くす大騒ぎの中、DJヤング・グールーがオールドスクール・ヒップホップやアリシアの夫=スウィズ・ビーツ作の新旧ヒット曲をつなげて盛り上げると、会場から数ブロックと離れていないヘルズ・キッチン出身のアリシアが登場。「ここは私の裏庭みたいなところよ!」と感慨深げに周囲を見回しつつ「今日はジョン・レノンの誕生日、私も彼と同じように『進化』や『平等』『愛』を体現しながら、『変化』のためにアートを続けて行くわ」と宣言。



新曲「ゴスペル」、「28 サウザンド・デイズ」などを立て続けに熱演し、大ヒット曲「ユー・ドント・ノウ・マイ・ネーム」では“意中の彼”役としてQティップに電話をかけると本人が登場し、オールドスクールのヒット曲のイントロをアリシアがピアノで弾き、QティップがDJで応戦するという楽しい掛け合いも。続いて過去に共演もしているナズも応援に駆けつけ「ワン・ラヴ」をパフォーム。曲間のMCでアリシアは、巨大スクリーンに映し出される災害や戦争、暴動などのセンセーショナルな映像をバックに、「『違い』こそが人を特別なものにする」と熱っぽく語り、宗教や人種、性的嗜好による差別や、世界で6,500万人以上いると言われる難民の現状などについて訴えかけた。さらに「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー」ではジョン・メイヤーが登場、クエストラヴをドラムに従え彼自身のヒット曲「グラヴィティ」も演奏。



そして先日解禁されたばかりのニュー・シングル「ブレンデッド・ファミリー」では、自身が継母として育てている息子KJが定義した「新しい家族のカタチ」についてファンと共有。また、ボブ・マーリーの「ウォー」のカヴァーでは「そこに『不正』『不平等』『貧困』がある限り私達の戦いは終わらない」とBlack Lives Matter運動や銃規制などについても言及し、ジョン・レノンの「イマジン」の説得力溢れるカヴァーでは会場を愛と希望で包み込んだ。お馴染みのNYアンセム「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」ではジェイ・Zも登場、会場の興奮は最高潮に。この夜最後の曲となった「ホーリー・ウォー」ではグランドピアノに切り替え、男女間の賃金格差や教育機会などの不平等について語り、アリシア自身がメイクアップを拒否することにもつながった、フェミニストらしい強い女性像を見せつけた。折しも共和党の米大統領候補トランプ氏による女性蔑視発言が全米中のメディアで物議をかもす中、「誰とは言わないけれど、名前が人間のクズ(scum)と韻を踏んでるアイツ」とほのめかし、タイムズ・スクエアの夜空に堂々と中指を突き立てると、観客からは「アリシアを大統領に!(Alicia Keys for President!)」という声とともに大歓声が涌き起こるシーンも。新作『ヒアー』のUSでの発売日の数日後には次期大統領を決める重要な選挙が控えていることもあり、アリシアも「私たちの未来のために、そして子ども達のためにも投票しましょう」と観衆やTV視聴者に世界の現状について目を向け、投票へ行くことを強く促す、非常に政治色の濃いプロモーションイベントとなった。アーティストとして、そして人間として進化し続けるアリシアの「いま」が凝縮された、素晴らしく歴史的な夜になったことは間違いない。
(文: 渡辺深雪)



ニュー・アルバム『ヒアー』は、原点回帰をテーマとし、「故郷のニューヨークへのトリビュート」でもあるとアリシア本人は語っているが、そんな作品からの楽曲を初披露するにはふさわしいライヴとなった。
現在全米で放送されている人気オーディション番組『ザ・ヴォイスUS(シーズン11)』ではマルーン5のアダム・レヴィーンやマイリー・サイラスと共にコーチとしての出演や、新曲の解禁、そしてシークレット・ショーの開催など、数々の話題で注目を集め続けているアリシア。いよいよアルバムの全貌を徐々に明かし始めている彼女から今後も目が離せない。

【プロフィール】
グラミー賞15冠、全世界累計セールス3,000万枚を誇るアリシア・キーズ。7歳からピアノをはじめ、ベートーヴェン~モーツァルトといったクラシックから、ジャズまで幅広く音楽を学ぶ。2001年、デビュー作 『ソングス・イン・Aマイナー』を発表、グラミー5部門を受賞し全世界で1200万枚以上のセールスを記録。03年に2ndアルバム『ダイアリー・オブ・アリシア・キーズ』を発表。2作連続でグラミー4部門受賞という快挙を成し遂げ、全世界で800万枚以上のセールスを記録した。07年、3rd『アズ・アイ・アム』を発売。全世界で600万枚以上を売り上げた。またリード・トラック「ノー・ワン」は、08年グラミー賞で「ベストR&Bソング」「ベストR&Bパフォーマンス」2部門を受賞。同年夏にはサマーソニック初参戦を果たし、メイン・ステージでのセカンド・ヘッドライナーとして出演。09年発表の5thアルバム『エレメント・オブ・フリーダム』は、全米初登場2位を記録。また同年、ジェイ・Zとの共演曲「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」が空前の大ヒットを記録し、第53回グラミー賞で2部門を受賞。12年11月28日にリリースされた直近のアルバム『ガール・オン・ファイア』は、堂々の全米初登場1位を記録。アーティストとしての活動のほか、女優業や、熱心な慈悲事業活動家としても知られ、2014年にはチャリティー・ソング「ウィ・アー・ヒア」を発表し、大きな反響を呼んだ。2016年5月、新曲「イン・コモン」を発表し、同月のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦開会式ではアーティストとして史上初のパフォーマンスを披露。その後同年8月には、ディズニー映画『Queen of Katwe』のために書き下ろした新曲「バック・トゥ・ライフ」をリリース。2016年11月に、4年振り、通算6作目となるニュー・アルバム『ヒアー』をリリースすることが決定。

【リンク】
●アリシア・キーズ 日本オフィシャルサイト: http://www.sonymusic.co.jp/aliciakeys