3年振りの日本でのライヴを待ちにまった観客の熱気と歓声の中、赤のセット・アップできめたボビー・ギレスピー、アンドリュー・イネスをはじめとしたバンドメンバーがステージに登場、オープニングは90年代を代表する名盤『Scremadelica』からの「Movin’ On Up」でスタート。立て続けに最新作より、スカイ・フェレイラとの共演が話題を集めた「Where The Light Gets In」を披露、アンドリュー・イネス、マーティン・ダフィをはじめとしたバンドの演奏も切れ味よく、前回の来日公演時はベースのシモーヌ・バトラーがバンドに参加したばかりだったか、時折コーラスを挟みながら、力強くバンドの演奏を支えるプレイは見事の一言、強烈な個性を持つバンドのステージには無くてはならない存在感を放っていた。



代表曲を交えた“爆発力”のある選曲でみせた前半から、ボビーのエモーショナルなボーカルで聞かせる「(I’m Gonna)Cry Myself Blind」、サイケデリックな「Higher Than The Sun」、最新作のオープニング・ナンバーでもある「Trippin’ On Your Love」など、バンドの美しくメロウな側面をみせてくれる演奏を中盤で披露し、後半戦に突入。2000年代に入ってからのバンドを代表するロックンロール楽曲「Swastika Eyes」に始まり、会場をダンスフロアの空気に一気変えてしまう「Loaded」から、「Country Girl」へとトップギアを入れオーディエンスをのみ込んで行くあたりは、30年の活動歴をもつ彼らならではと言えるだろう。彼らの数々の代表曲の中でもひと際人気の高い、体で感じるロックの楽しさを詰めこんだ「Rocks」で本編が終了。



アンコールは「Come Together」を披露、日本を愛するバンドとバンドを愛する日本が一つになり、混沌としたこの時代に美しく輝く感動的ともいえるフィナーレで日本公演を終了した。



一つのステージでこれだけの音楽の要素が感じられるプライマル・スクリームのステージは、完成形ではなくこれからもきっと進化を遂げて行くに違いない。

ライヴ写真(Mitch Ikeda)
 
【プライマル・スクリーム JAPAN TOUR 2016 TOKYO 10.20(木)新木場Studio Coast】

1.Movin’ On Up
2.Where The Light Gets In
3.Jailbird
4.Accelerator
5.(Feelig Like A) Demon Again
6.Shoot Speed / Kill Light
7.(I’m Gonna)Cry Myself Blind
8.Higher Than The Sun
9.Trippin’ On Your Love
10.100% Or Nothing
11.Swastika Eyes
12.Loaded
13.Country Girl
14.Rocks

アンコール
15.Come Together