みなさんは、フジロックを支える公式ファンサイト「FUJIROCKERS.org」の存在をご存知だろうか。
FUJIROCKERS.orgは、その代表である花房氏の元にフジロックファン有志が集まって作られている。フジロック開催第一回目からの長きにわたり、フジロックの様子を苗場からお届けする速報レポート「FUJIROCKERS EXPRESS」をはじめとする活動を行い、フジロックファンたちとフジロックとを繋ぐ橋渡し的な役割を担っている。

今回は、FUJIROCKERS.orgの中心メンバーの方々に、FUJIROCKERS.orgとは一体どんな仕事をしているのかを紹介していただく。
今回インタビューに答えて下さったのは、ライター統括の丸山亮平さん、カメラマン統括の森良太さん、海外広報担当のローラさん、Web統括の坂上大介さん、​の4名。前編・後編に分けて、それぞれお二方ずつお話をお伺いしていこうと思う。
 

ライター統括
丸山 亮平さん


iFLYER:FUJIROCKERS.orgライターチームの平均年齢やフジロック参加年数は?

丸山:結構差がありますね。97年から参加しているスタッフもいるし、今年初めての人もいます。最年長だと40代後半というライターもいます。FUJIROCKERS.orgでしかフジロックに来たことがないという人もいるし、もともとお客さんとしてフジロックに行っていて、FUJIROCKERS.orgの募集を見てやってきた、という人もいます。

iFLYER:FUJIROCKERS.orgに入った人のほとんどは、インターネットでFUJIROCKERS.orgの募集を見て応募してくるのですか?

丸山:基本的にはそうですね。初体験の人の意見もFUJIROCKERS.orgとしては取り入れたいので、そういう人たちにも入ってもらって、その人にしか書けない初めてのフジロックを書いてもらっています。ベテランばっかりだと、視点が同じになってマンネリ化しちゃうと思うので。

iFLYER:中には音楽に全然詳しくない人もいるんですか?

丸山:いますよ。音楽メインで入ってくる人ばかりではないです。例えばごはんだけをカバーするライターもいて、フジロックでお客さんたちが輪になってごはんを食べて楽しんでいる様子などをメインに取材をしていたり。もちろんライブをレポートする専任のスタッフもいます。ライターにも結構種類がありますね。

iFLYER:皆さんプロというわけではなく、それ以外の方もいらっしゃるんですか?

丸山:むしろプロの方が少なくて、9割がそれを生業としていない人達です。FUJIROCKERS.orgのメンバーには、サラリーマン、大学の教授、社労士、学生…と、様々な職業の人がいます。スキルというよりも、何かを発信したいという人、フジロックが好きでそこで起きていることをみんなに伝えたい、という人が集まっています。

iFLYER:文章を書く上でのルール等はありますか?

丸山:サイトで文章を書く上での表記統一はしています。内容についてはないです。自分が見て感じたことを書けば良い、ということは、花房さんが常々言っていますね。どんなアルバムを出した、どんな曲をやった、客が盛り上がった、という通り一遍のものだけではなくて、自分が見てどう感じたかというのを書いてもらっています。感情表現をしろというわけではないんですが、既成事実だけを書くのではなく、何がそこで起きているのかを伝えていけるようにするのが速報サイトの使命なんじゃないかな、と思っています。

花房:コンサートレビューなんて、行かなくてもネットで調べていくらでも書けるじゃん。そういうものじゃなくて、楽しんで欲しいわけ。だって、自分が楽しめなければ何も語れないと思うんだよね。オーディエンスの中に入っていきなさい、っていう。そうじゃないと分からないことはたくさんあるから、それを伝えて欲しい。そうでなければ、読んでる人たちに楽しさが伝わらないと思うんですよね。一番重要なのは、私たちが楽しむために行っているということ。楽しいからレポートをする。仕事でノルマをこなしに行くメンバーは誰もいないし、それはやって欲しくないよね。

 

カメラマン統括
森 良太さん



iFLYER:FUJIROCKERS.orgとして活動しているとき以外は、普段はどんなお仕事をされているのですか?

森:プロのカメラマンです。写真撮影、映像制作会社の経営もしています。


iFLYER:FUJIROCKERS.orgには写真の撮り方指南の記事もありますが、そういったものも森さんが監修されているんですか?

森:する記事もありますが、すべての監修はしていません。基本的に、スタッフ個々が出した企画を自由にやろうというコンセプトでやっています。われわれの取材活動の一番のハイライトがFUJIROCK EXPRESSになるのですが、そのときだけはカメラマン手配や、撮影規定の徹底、撮影ステージの担当を決めたりします。他にはアーティスト写真チェックがある場合、音楽事務所やレコード会社へ連絡をとるなどの管理業務全般もしています。


iFLYER:では、FUJIROCK EXPRESSの中での森さんの役割は、先頭を切って撮影しているというよりも、どちらかと言えば他のスタッフたちが写真を撮っている監修をメインで行っていて、更に要所要所で撮影している…という感じなのですか?

森:自分も他のカメラマン同様に撮影しつつ、まとめ役もやっているんです。FUJIROCKERS.orgに関わって15年、FUJIROCK EXPRESSでは14年間撮影チームリーダーをやらせていただいてます。


iFLYER:FUJIROCKERS.orgのライブレポートは非常に鮮度が高く、ライブからあまり時間を経たずして記事も写真もどんどんUPされていますが、それもフジロックの運営側との連携がしっかりと取れているからこそ一々許可を撮る必要がなく、あのスピード感を実現できるのでしょうか?

森:写真チェック有無の条件は他のメディアと同じだったはずです。ただ、公式ファンサイトが運営するメディアという立場からか、カメラマン、ライターが他より多く関わることを認めれていて、かつ作業場所が提供されていることであのスピードを実現できるんだと思っています。


iFLYER:これまでフジロックにて撮影した写真の中で、一番記憶に残っているものは?

森:2006年かな、フジロックが遊覧ヘリコプターを飛ばした年があったんです。ライブの最中に会場上空をお客さんが乗れるヘリが飛んでいたんです。そのヘリに乗って撮影したフィールドオブヘブンの写真は強く記憶に残っています。ボーカルが亡くなってしまったFISHMANSのときの写真です。入場規制がかかってたんですよね。その写真をFUJIROCKERS.orgにアップしたらコメントをたくさんいただきました。2007年からはヘリコプター遊覧飛行はなくなってしまったんです。理由は知りませんけど、「ヘリコプターの音がうるさい!」とお客さんから苦情が来たとか来ないとか(笑)。



iFLYER:ライブの写真を撮影する際の注意点は?

森:フジが好きで、その魅力を写真で伝えたいひとたちの集まりなんで、細かい指示はださないです。カメラマンの考え、やることを尊重し、撮影にあたってもらっています。唯一注意してもらってる点は、ステージで行われていることすべてを記録に残そうという方針があるので、それを達成するための指示を出す事はあります。それ以外は決められた範囲で自由にやってもらっています。もしカメラマンがルールを無視して、たとえばステージ袖に上がって主催者に怒られたら、花房さんが謝りに行きます(笑)。


iFLYER:えっ、ステージにも上がって撮影できるんですか?

森:それができた年もありました。現在は撮影規定上、許可されていません。でも、カメラマンはいろいろ工夫して撮影していますね。以前カメラマンに、これどこから撮ったの?と聞いたら、ゴミ箱の上に乗ったと返ってきました。そういった試みはやるべきだと思います。他とおなじことをやっていてもいい写真は撮れないですし。当然、それをするには管理者の許可を取る必要はありますが、 そのことすべてにやるな、やれ、という指示はしていないです。カメラマンの判断でやりたいと思ったらやるべきだと思いますね。
 


後半では、海外広報担当のローラさんと、Web統括の坂上大介さんの記事をお届けします。
Interview by きのや
 

フジロッカーズ・バー、やってるよ!

コンセプトは「Let's Get Together & Have Fun」!
不定期開催、下北沢の開催されるフジロッカーのためのイベント。
初心者大歓迎!音楽とお酒、そして楽しい音楽仲間との出会いとお喋りを楽しみたい方はぜひどうぞ!
FUJIROCKERS.orgのボス、花房氏にも会えちゃうかも!?

開催日時:不定期開催、19:30 - 23:00
※詳細日時はFacebookのFujirockersページにてご確認下さい。
開催場所:下北沢 メンフィス兄弟
料金:ファーストドリンクが1000円(あとはメニュー通りの金額です)

FACEBOOK
https://www.facebook.com/Fujirockers/?fref=ts​