毎年様々な切り口からユニークなライブやクラブイベントなどを展開し、日本の音楽シーンを盛り上げて大好評を博している都市型音楽フェス「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO(レッドブル・ミュージック・フェスティバル・トーキョー)」。2018年度は「音楽の解放区」をテーマとし、9月22日(土)〜10月12日(金)に掛けて、東京の街全体を舞台とした様々な音楽イベントが開催されている。



9月23日(日)に開催されたプログラム「SOUND JUNCTION(サウンド・ジャンクション)」は、会場の4角にステージが設置され、どこから次のアーティストが飛び出してくるか、LIVE のその瞬間まで分からないというサプライズ演出が特徴のライブプログラムで、水曜日のカンパネラが出演した昨年度も大いに話題を振りまいていたが、今年はきゃりーぱみゅぱみゅ、向井太一、RHYMESTER(ライムスター)、Survive Said The Prophet(サバイブ・セッド・ザ・プロフェット)の4組が出演。それぞれ全く音楽ジャンルも客層も違う4組のアーティストたちによる夢の共演がどのような展開を見せてくれるのか、開幕前から期待に胸を膨らませた来場者たちで会場はザワついていた。

そんな中、突然天井に RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO の文字が映し出され、会場から歓声が上がる。続いて、進行役の MC として登場したあっこゴリラの「皆さん準備は良いですか〜!?」という元気な声に、会場が更に湧いた。

Photo by Keisuke Kato​


トップバッターのアーティストは RHYMESTER。スクラッチのサウンドに会場のテンションは急上昇!

Photo by Keisuke Kato​

"B-BOYイズム" "ゆれろ" 会場はノンストップで盛り上がり続け、"梯子酒" ではリリックの「生ビール」の部分を全てこの日のライブのスペシャル版として「レッドブル」に差し替えて歌うという茶目っ気も披露し、会場が笑いで溢れた。

Photo by Keisuke Kato


次にスポットライトが当たったのは、向井太一のステージ。シンセサイザーとドラムを引き連れてのライブとなり、先ほどまでの陽気な RHYMESTER のライブとは一転し、ぐっとグルーヴィーでムーディーなライブが始まった。

Photo by Yasuharu Sasaki​


タイトな黒のパンツとシャツでビシッとキメた向井太一に観客の女性たちから黄色い声援が飛ぶ。アンニュイでセクシーな空気感が心地良く会場を満たした。

Photo by Yasuharu Sasaki​


次に登場したのはきゃりーぱみゅぱみゅ。スタートから大人気ソング「にんじゃりばんばん」を披露し、そこから会場は一気にきゃりーワールドに染まった。この日きゃりーはオリーブ色のシックなワンピースで秋らしく大人っぽい装いだったが、きゃりーファンの中には原宿スタイルのきゃりーのファッションのコスプレをしていてきゃりー本人よりもきゃりーっぽいファンの姿も。

Photo by Yusuke Kashiwazaki​

また、フロア前方のファンたちは、振り付けを完コピして踊っているのも印象的だった。
また、きゃりーはツアーが始まったばかりのアルバム『じゃぱみゅ』から、新曲の "演歌ナトリウム"と "キズナミ" も披露。ライブのにはシャボン玉が会場に舞い、ドリーミングな雰囲気に。

Photo by Yusuke Kashiwazaki


トリを務めたのはサバプロこと Survive Said The Prophet。日本のラウドシーンで注目されている彼らは、きゃりーのキュートなステージから勢いのある激しい演奏で観衆の心と耳を一気に惹き付けた。

Photo by Suguru Saito

アンセムソングの "When I" が演奏されると、会場中に大合唱が起こり、皆が頭上で曲に合わせて手を振ってこれ以上にない一体感を感じさせた。
ボーカルの YOSHI は「こんなきちんとした場であまりライブをしないので、MC で噛んでしまう」と言いつつも、時折ジョークを飛ばしつつ、マイクパフォーマンスもバッチリ。アニメの主題歌等も担当し、人気が鰻登りの彼らのステージは、まだサバプロの名を知らなかった人たちの記憶にもしっかりと刻み込まれたに違いない。

Photo by Suguru Saito


各アーティストたちのライブが一周し、終了かと思ったところで、次にまた各アーティスト登場し、きゃりーはプロデューサーの中田ヤスタカと共に、服を今度は青いワンピースに着替えて登場、向井太一はオープニングで MC をつとめたあっこゴリラと共に、そして RHYMESTER はバンドセットで名曲 "人間交差点" を披露し、サバプロは宇多田ヒカルの Flavor Of Life をサバプロ流にアレンジしたライブと、それぞれ1曲ずつ披露。サプライズの演出に興奮を隠しきれない観客も多く、ラストまで勢いが衰えず熱気に溢れたイベントとなった。

Photo by Yusuke Kashiwazaki/Yasuharu Sasak​

Photo by Keisuke Kato/Suguru Saito

2017年に引き続き、2018年度も大盛況のうちに幕を閉じた TOKYO 2018、SOUND JUNCTION。ぜひ来年も開催を期待して待ちたい。
 

SOUND JUNCTION

日時:2018年9月23日(日)
場所:ベルサール渋谷ガーデン
出演:きゃりーぱみゅぱみゅ, 向井太一, RHYMESTER, Survive Said The Prophet