Milton Bradleyは常に変化を続けるベルリンという街に生まれ、影響を受けてきた。
80年代後半、アシッドハウスと早期ベルギーテクノからエレクトロニックミュージックへ傾倒し、レコードコレクションを始めた後、DJへと移行したのは至極自然なことであった。
彼のDJセットはダークなエクスペリメンタルテクノやディープなインダストリアルサウンドを経由し、虹色のテクスチャーへと昇華していく。
2008年、レーベル[Do Not Resist the Beat!]を設立、自身の追求するスタイルを示す場とした。
恐怖心を感じさせるほどのエクスペリメンタルドローンや特有のインダストリアルサウンドはオリジナルなスタイルとテクノをクリエイトするためのミニマリズムとともに融解する。
2010年にはサブレーベル[The End of All Existance]を設立、同名を冠したファーストEPは一度聞いただけで大地の振動を感じるようなストーリー性の高い傑作となった。
またHenning Bearとのユニット、K209ではよりインダストリアルな雰囲気を持った楽曲をリリース、さらに近年では90年代のアシッドサウンドにインスパイアされたレーベルとして、[Alien Rain]をスタートするなど、実験的かつ挑戦的な活動は留まるところを知らない。
彼のヘビーでアトモスフェリックな作品は、彼に影響を与えたレーベルのイメージと複雑に浮遊するイメージによって構成されている。
2010年に[Perc Trax]よりリリースされたEP "BCG"はそのイメージを決定づける最も重要な要素となり、オールドスクールなデトロイトテクノを彷彿とさせ、ディープでダビーなリズムが絡み合った作品となった。
さらに[Prologue],[Zooloft],[Ann Aimee]や先に紹介したMilton自身によるレーベルからリリースされたトラックにより、彼は最先端のアンダーグラウンドテクノプロデューサーとして広く世に知られていくこととなる。
ベルリンの良質なテクノパーティGrounded Theoryのレジデントとして広く認知されている。
彼のアイデンティティが広く知られているわけではないが、プロデューサー、リミキサー、インターナショナルなDJとしてベルリンテクノの歴史を刻んでいっている。