By Phar The DopestのKREVA、Radical FreaksのMCU、DJ SHUHOらとともにソロMCとして活動していたLITTLEの3人が、1996年12月発売のヒップホップ・コンピレーション盤「BEST OF JAPANESE HIP HOP 7"」に収録された「カンケリ」(ユニット名"KICK THE CAN CREW"の名前の由来にもなった楽曲)で初コラボレート。その流れから必然的にキック結成へ。1997年マキシシングル「タカオニ/カンケリ」で、KICK THE CAN CREWとして衝撃的なデビューを果たす。
2000年11月には、日本中のHIP HOPアーティストが大集結するイベント『B-BOYPARK』のテーマソング「DOWN BY LAW」をCRAZY-A氏を迎えてリリースし、B-BOY達から絶大な支持を得、さらにフリースタイルのMCの腕を競い合うMCバトルにおいて、KREVAが1999年、2000年、2001年と見事3年連続優勝を果たし、名実ともに日本一のMCに。またその一方で、2000年に映画『ケイゾク』のオープニング/エンディング・テーマやTBS系ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の劇番音楽を手掛けたことで、トラックメーカーとしてのKREVAの才能も認められ、数々のリミックス/プロデュースワークもこなす。
そしてヒップホップシーンを中心に各方面から高評価を得た2000年9月発売の1stアルバム『YOUNG KING』、2001年2月発表の(様々な状況からの)卒業をテーマにしたシングル『今日から明日』を経て、2001年5月にシングル『スーパーオリジナル』でメジャーデビュー。以後、隔月の猛サイクルで怒涛のマキシ連発し、11月の『クリスマス・イブRap』、2002年1月に『マルシェ』で知名度を一気に上げる。
その後もさらに殺人的とも言えるスケジュールをこなし、その激務の合間を縫ってのレコーディングの末、完成した2002年2月14日リリースのメジャー初アルバム『VITALIZER』は、オリコンウィークリーチャート初登場3位に堂々チャートイン! 自然と聴く人に元気や勇気を与えてくれるという不思議な威力を持った彼らの魅力を表すのにぴったりな言葉を掲げたアルバム『VITALIZER』(ヴァイタライズ=元気付ける、生命力を与える→元気を与える人やモノ=ヴァイタライザー)は、まさにタイトル通りの力が備わった作品。
また続く、3rdアルバム(メジャー2枚目)『magic number』は、まさに聴くものを魔法にかけちゃうくらいの圧倒的な威力を持った作品で、こちらもオリコンウィークリーチャート初登場3位(年間チャートは16位)を堂々獲得。それを受けて2003年3月から5月にかけて全国20ヶ所で行われたホールツアー「TOUR 2003 magic number」(本公演23本+追加公演3本)は、全公演即日ソールドアウト。チケットは入手困難でプレミアチケットと化した。
そして、2003年後半には、KREVAとDJ TATSUTAによる顔PASSブラザーズプロデュースによる2003年8月発売のシングル「性コンティニュー」を皮切りに、5枚のシングルとベストアルバム(といっても新曲入り!)、そして2004年元旦発売のオリジナルアルバムまで、6ヶ月7連続リリース。これまた世間もあっと驚く無謀なスケジュールに突入するも、それを難なくこなしてしまうあたりは、地に足の着いた活動を行ってきた彼らだからこそできること。11月19日発売の「BEST ALBUM 2001-2003」が、オリコンウィークリーチャート初登場1位を見事獲得できたのも、その結果といえるだろう。
また、2003年12月にはHIP HOP界初の全国アリーナツアー(7ヶ所8公演)を行う一方で、彼らが約8~9年間続けてきた「DYNAMITE」や「F.G.NIGHT」といったレギュラーイベントなんていうのも、彼らにとっては必要不可欠な存在で、やめることなくずっと続行。いくら忙しくてもここは外せないというのも、これらのイベントが彼らにとってのヴァイタライザーのひとつだからこそ。ちなみに「DYNAMITE」とは、Radical Freaksが1995年?に始動させたイベントで、DJ TATSUTA / KICK THE CAN CREW / INNOSENCE(現在は解散してCHANNELがソロで活動) / DJ SHUHO / CUEZEROらによるカセットビジョンクルーで、毎月第1土曜日、池袋bedにて開催。一方の「F.G.NIGHT」は、Rhymesterを筆頭にRIP SLYME、MELLOW YELLOW、KICK THE CAN CREWらからなるファンキーグラマークルーで、毎月第3土曜日、渋谷FAMILYにて開催。ともにここ最近は長蛇の列が並ぶ程の人気ぶり。
そんなクラブの現場で鍛え抜かれたライブパフォーマンス、MCの傍若無人ぶり、見た目、性格…etc含めて三者三様なキャラゆえ”キャラ立ち3本マイク”と呼ばれる3人のステージはひたすら定評あり。気持ちいいぐらいに自分達のペースに巻き込んでしまう圧巻モノのがむしゃらポジティヴ・ヴァイブスの威力は、クラブやワンマンライブではもちろん、異種ジャンルのアーティストとのイベントやフェスティバルなどでも、効果覿面。ライブが終わった後の観客の笑顔度数のヒートアップ具合と言ったら凄まじいものが…。
また、テーマひとつだけ決めてそれぞれがリリックを書けば、自ずとドンピシャなノリと流れができてしまうという3人の紡ぎだす歌詞の世界観は、いつも不思議と一致。その切なくも前向き、で、時にちょっとちゃらけたばかっぷりを注入したスーパーオリジナルな歌心あるライミングは、他のヒップホップ・アーティストとは一線を画している。韻踏みまくりで絶妙なリズム感と響きを生み出すテクはもちろん、ひと言ひと言リアルな言葉でしっかり伝えようとする気持ちの部分がきちんと備わっているところが、彼らの信頼できるところなのだ。
最近ではさらに話し言葉に近づいたリアルな歌詞やメロディのある歌い回しで絶妙に聴かせるKREVA、相変わらず韻踏みまくりのライミングでがっちり聴かせるLITTLE、そして、もはや誰にも真似のできない唯一無二な俺ジナル(!)ラップをぶちかますMCU、とラップの部分の進化はもちろん、よりノリを重視しつつも言葉がシンプルに響いてくる音数少なくもグルーヴはばっちりのフレッシュなサウンドも筆舌しがたい進化ぶりを見せている。そんな彼らのシンプルながらも単純に新鮮で “良い歌”が詰まった2004年元旦リリースのオリジナルアルバム「GOOD MUSIC」は、Rケリーや、小沢健二など数々のハイクオリティな作品を手掛けてきたエンジニア=Herb Powers Jr.によるNYマスタリングも功を奏して、1枚まるごとするっと聴けてなおかつ味わい深い作品に。
2002年末にはNHK紅白歌合戦に出場し、2003年には「地球ブルース~337~」がSPACE SHOWER TV「MVA」BEST ACT VIDEOや、MTV Video Music Awards Japan2003のBest Live Performanceなどを受賞。日本のお茶の間の人気もしっかり獲得する一方で、2003年には、すっかりワールドワイドなアーティストと言っても過言ではない程の活躍ぶり!
まず、ヒップホップ界の最高峰アワードと言われている「THE SOURCE HIP HOP MUSIC AWARDS 2003」に、なんとKICK THE CAN CREWが日本人で初ノミネート!!! それぞれの自国においてヒップホップを見事に推進し、世界的な評価を受けるに値するアルバムをリリースしたアーティストを表彰するため、新たに設立された賞「International Album of the Year」の栄えある第一回目に、アルバム「magic number」が、フランスやカナダ、イギリス、キューバのアーティストの作品とともに選ばれた。これは誰が何と言おうが、キックの音楽はヒップホップの本場も認める世界照準のもの、ということ。
また一方では、台湾観光リカバリーの親善大使に任命され、台湾と日本の文化交流、そして台湾観光のさらなる発展のため、台湾観光協会の招待のもと、初の台湾公演を実施!!! 2003年10/25に台北国際会議中心で行われたライブで、言葉の壁など全くもって感じさせない盛り上がりっぷりを見せたのも、シングル「脳内VACATION」のPVを見れば一目瞭然。
そしてまたまた一方では、韓国で日本語CDリリース解禁第1弾アーティストとしてキックが選ばれ2004年にアルバム「GOOD MUSIC」リリース!なんていう歴史にも残る(!?)栄世に授かることに。
それから補足ながら、KREVAが2003年1月のミッシー・エリオットとの雑誌での対談を経て、彼女のニューアルバム「THIS IS NOT A TEST!」(日本盤)に、顔PASSブラザーズ(DJ TATSUTAとのプロデュース・ユニット)として「PASS THAT DUTCH」のREMIXを手掛けたというのも大きな話題。
これら数々のことを踏まえると、キックがもはやワールドワイドなアーティストであることが証明されたも同然なのだ。
根っこはヒップホップながらも、もはやその枠組には収まりきらないジャンルを超えた音世界、発想、ルックス、スタンスで、スーパーオリジナル街道をただがむしゃらに驀進するキック。まだまだ一生懸命を恥ずかしがること無かれ!とばかりに、老若男女問わずの全ての人類に驚きと感動を呼び起こすフレッシュなヴァイブス、ガンガン送信中!
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