聴覚障害者向けの DJ 集団である「Deaf Rave」と、その創設者である DJ Troi Lee を題材とする約12分の Netflix 短編映画「Turn Up The Bass」が発表された。同作品は、DJ Troi Lee をはじめとするイギリスの聴覚障害者(Deaf)レイビング・コミュニティに属する DJ、プロデューサー、MC、手話歌手、ダンサーに迫るもので、ロンドンにて開催される「Deaf Rave」の20周年と同時に YouTube にて公開された。
 

「Turn Up The Bass」の中で、DJ Troi Lee は「Deaf Rave」がどのように設立され、発展してきたのかについての洞察を提供し、グラストンベリーでの初公演を含む、これまでの彼らの歴史における様々な画期的瞬間にフォーカスしている。

DJ Troi Lee は聴覚障害者であることを理由にナイトクラブに入れてもらえなかったことがきっかけで、ハウス・ミュージックパーティーを主催することを思いつくが、最初はベニューから拒否されたりと様々な困難にぶつかりつつも、諦めずに挑戦し続け、最終的にはグラストンベリーを含むいくつもの大規模音楽フェスにて何千人もの聴覚障害者と健常者の両方の前でパフォーマンスを行い、パーティーを成功させてきた。また、過去20年間で聴覚障害のあるアーティストやパフォーマーをサポートし、成功の機会を創出することに専念し、世の中の偏見と闘い続けてきた。

「Deaf Rave」は2022年、若者の関与、創造性、発明の育成に重点を置いたプロジェクトを運営し、地元の若者を対象として DJ や音楽制作のワークショップの無料提供等を行うイギリスの慈善団体 Groove School と提携し、ロンドンにて聴覚障害者向けの一連の DJ ワークショップも開催している。
 
「Turn Up The Bass」は、新興映画制作者への門戸を開くことを目的として2020年に創設された新たな制度である Netflix Documentary Talent Fund の一環として制作されており、更にNetflix ドキュメンタリーの10周年を記念したものでもある。
監督はロンドンを拠点とするフィルムメイカーである Ted Evans(テッド・エヴァンス)、製作総指揮は Caroline Williamson(キャロライン・ウィリアムソン)が務めている。