全米音楽出版社協会(NMPA)が、今年4月30日に期限が切れる TikTok とのライセンス契約を延長しない方針を明らかにした。これにより、4月30日以降、TikTok から NMPA の管理下にある音楽カタログの楽曲が消える可能性が浮上している。

以前、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)は TikTok が新たなライセンス契約に際してアーティストに対しいて大幅に低い報酬率を提示し軽視しているとして、TikTok から UMG の音楽カタログの全てを削除、これにより Drake(ドレイク)、Bad Bunny(バッド・バニー)、Tayler Swift(テイラー・スウィフト)等世界で最も人気があるアーティストたちを含む楽曲が TikTok 上のビデオからミュートされることになった。
そこから1ヶ月半が経った現在、今度は NMPA が UMG と同じ措置を講じる可能性が高い状況となっている。

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NMPA は会員に対し、以下の内容を報告している。

最近、マスコミは TikTok のライセンス慣行に関する懸念を強調しており、NMPA は多くの会員から直接その懸念を聞いている。現時点では、現在の NMPA ライセンスを更新または延長したり、NMPA を通じて TikTok の新たなライセンスに参加したりするオプションは存在しないと予想している。

この報告は、TikTok に向けてコメントを発表した NMPA のCEO、David Israelite の意向によるものだった。

これは、TikTok のようなライセンス、更にマスコミまでもが、どういうわけかソングライターの権利がアーティストの権利と同等であると考えていないという点で、音楽業界に存在する大きな偏見を暴露している。それは気になることだ。TikTok に関しては、音楽全体に支払われる金額が十分でないという一般的な感覚がある。

ライセンス契約更新の可能性について、現時点では宙ぶらりんの状態となっているが、NMPA は更なる交渉の余地をまだ残しているとのことだ。NMPA は報告の最後に「現在の TikTok ライセンスの有効期限が切れる前に状況が変化した場合、NMPA は速やかにメンバーに通知する」と述べている。そのため、NMPA が UMG と全く同じ道を辿るのかどうかはまだわからないが、もし同様の手を打った場合、以前のレーベルと契約したアーティストは収入を失うのみならず、TikTok が彼らに提供する膨大な露出も失うことになる。
どのアーティストが NMPA と契約しているのかはまだ不明だが、NMPA は自分たちの音楽を TikTok上に残しておきたい場合、アーティストが独自に TikTok と条件を交渉する機会を提供しているとのことだ。