アメリカ出身のラッパー Kanye West(カニエ・ウェスト)と Adidas の辛辣な契約解消から約半年経つが、Kanye West の愛称を意味するブランド「YEEZY」の商品は未だ眠ったままで、その価値は、13億ドル(日本円:約1,753億円)にも上るとのことだ。
その「YEEZY」の商品をどうするのかの「選択肢は狭まっている」と Adidas の新 CEO Bjorn Gulden(ビョルン・ガルデン)がコメントしている。

▼ HipHop Wave から

Digital Music News の報道によると、直近の投資家向け電話会議にて CEO Bjorn Gulden は、売れ残っている YEEZY の商品をどうするかの決定が近づいていると報告すると共に、投資家に対して年初に Adidas は4億4100万ドル(日本円:約593億円)の売上減が報じられたことを受け、(売れ残った商品をどうするのか)選択肢が狭まっているとコメント。

CEO である Bjorn Gulden は、Kanye West と Adidas の契約を解消した後となる2023年1月に CEO に就任した。 Bjorn Gulden によると、YEEZY の商品を捨てることだけは避けようとしているとのことだが、Adidas が YEEZY の商品を販売するとなると Kanye West に印税が支払われることになるため、販売するのもためらっていると、も述べている。

▼ UpscaleHype から

また Adidas は様々なオプションを考え、現在残っている YEEZY の靴の刺繡を取り除き、別の刺繍等にすることも考慮したとのことだが、最終的にはこのオプションは不誠実だと考え却下となった。更に、Adidas は、靴を必要としている人に無償で配ることも考えたそうだが、YEEZY の靴は常にプレミア値がついたり、高額で転売されているため、このように闇市場が活況を呈し、高額な値段を払おうとする人が現れることを懸念している。

Adidas は現在、少なくとも2018年から Kanye West と提携するリスクを知っていたとして投資家から集団訴訟を起こされているとのことだ。また2023年第一四半期の純売上高は、YEEZY シリーズの販売が中止されていなければ9%増加していたとのことで、YEEZY 株をどうにかしなければ Adidas は今年度5億ユーロ(日本円:約744億円)の損失を出すと予想されているとのことだ。