2020年以来進行している NASA のチャンドラ X 線センターのプロジェクト「sonification」は、望遠鏡でデジタルデータを記録し、それをメモや音声に変換することで、人々が全く新しい方法で月の知性と対話できるようにした。NASA によると、このプロセスによりリスナーは「データを画像として見るのではなく、聴覚を通じて体験する」ことが可能になるとのことだ。
同プロジェクトのチームは何年もの間、X 線や可視光、赤外線データを使用して研究してきたが、その中でミュージシャンが演奏できるバージョンを開発する方法を発見した。

以下の動画は、現代クラシック音楽の演奏と新進の作曲家の作品の促進に専念する、モントリオールに拠点を置くアンサンブル "Éclat"  が、作曲家ソフィー・ケストナーが NASA のチャンドラ、ハッブル、スピッツァー宇宙望遠鏡からのデータ音響を使用してコーディング・作曲した作品「Where Parallel Lines Converge」を演奏しているものだ。
 
ソフィー・ケストナーは、これについて以下のように語っている。

それは、主に現実の事実に基づいた架空の作品を書くようなものです。
私たちは宇宙から音に変換されたデータを取得し、それに人間的な新たなひねりを加えている。

この曲は、超大質量ブラックホールが存在する天の川銀河の中心にある小さな領域から約400光年離れたところに記録されたデータを利用している。

チャンドラの視覚化と新興テクノロジー科学者のキンバリー・アーカンド氏は以下のように述べている。

ある意味、これは有史以来人類が行なってきたのと同じように、人間が夜空と対話するもう一つの方法にすぎない。
我々は様々なツールを使用しているが、天からインスピレーションを受けて芸術を作るというコンセプトは同じままだ。

「sonification」を利用して音楽を作成してみたい人は、以下のリンク先からこれが使用できる。

>>「sonification」を自分で再生してみたい人はこちらのリンクから

同ページには以下のように書かれており「Let's get started!」ボタンを押すと、コーディング画面にリンクが飛び、左下には操作方法や楽曲作成方法をレクチャーした YouTube 動画(英語版)もあるので、興味がある方は宇宙からのデータで作曲してみてはいかがだろうか?

コードを使用して、本当に揺るぎない太陽系を作成してください。
音楽、天文学、コーディングを一度に楽しく学びましょう。これらのアクティビティでは、この世のものとは思えない音楽を作るために惑星をプログラムします。 最後には、ドラムの叩く音やスペーシーなメロディーを備えた、独自の音楽的なソーラー システムを作成できるようになります。 現実の惑星のデータを使用して、その曲を自由にリミックスすることもできます。 コンピューター サイエンスを使用して宇宙について学び、同時に創造性を発揮できることがわかります。 下のボタンをクリックして始めてください。