全世界累計楽曲 & ビデオ再生回数230億回を誇る、世界的スーパースター/プロデューサー Kygo(カイゴ)が、1月27日(土)& 28日(日)に、さいたまスーパーアリーナで開催された『GMO SONIC 2024』の2日目にヘッドライナーとして登場した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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1月19日(金)にリリースしたばかりの約1年振りの新曲 "Whatever with Ava Max(エイバ・マックス)" が、ここ日本でも iTunes ダンス・チャート1位を獲得するなど、注目を集めている中、同曲を含むヒット曲満載のパフォーマンスを披露。ピアノとバンドの豪華セットで、会場を沸かせた、ライヴレポートをお届け!

▼ Kygo, Ava Max - Whatever (Official Video)​
Kygo といえば、ノルウェー出身のトロピカルハウスの旗手。レイドバックしたゆったりめのリズムと、南国を思わせるトロピカルサウンドが最大の魅力であり特長だ。ところが、この日の DJ セットは、EDM 系アーティストが多数出演するフェス形式であるせいか、のっけからバッキバキのダイナミックな音使いとスピーディーな展開で、ガンガン飛ばしていく。

いきなり DubVision(ダブヴィジョン)の "No More" で幕を開けたのにも驚かされたが、彼自身が手掛けた Donna Summer(ドナ・サマー)の "Hot Stuff" のリメイクや Imagine Dragons(イマジン・ドラゴンズ)との共演ナンバー "Born Yo Be Yours" にしてもビッグルーム仕様となり、激しさを増している。まずは度肝を抜いて引きつけようという寸法だ。Ellie Goulding(エリー・ゴールディング)との "First Time"、Lana Del Rey(ラナ・デル・レイ)、Bebe Rexha(ビービー・レクサ)と女性ヴォーカルが続くが、さまざまな楽曲が矢継ぎ早に挿入されて、息を付く間もないほどだ。

※ フォトクレジット:Johannes Lovund​

 ようやくいつもの Kygo らしいペースに変わり始めたのが、「先週リリースされたエイバ・マックスとの新曲です」との紹介付きでスタートした "Whatever" あたりから。Shakira(シャキーラ)の "Whenever, Wherever" を大胆に使った最新シングルが、後方の巨大なディスプレイに映し出されたミュージックビデオと共に1曲フルで披露された。続けて彼が Avicii(アヴィーチー)に捧げた "Forever Yours" から Avicii の "Levels" へと流れ、更にサプライズゲストで Justin Jesso(ジャスティン・ジェッソ)が登場。ライブボーカルによる "Stargazing" には、ひと際大きな拍手と歓声が贈られていた。
 
Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)との "It Ain’t Me"、Calum Scott(カラム・スコット)& Gryffin(グリフィン)との "Woke Up In Love"、"Happy Now"、"Kids In Love" など、Kygo らしいナンバーが次々と、だがゆったりとプレイされていく。彼が手掛けた Tina Turner(ティナ・ターナー)の "What’s Love Got To Do With It"(愛の魔力)や、Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)の "Higher Love" などの往年の名曲も彼によるリメイクで紹介されたほか、中でもひと際盛り上がったのが ABBA(アバ)の "Gimmmie! Gimmie! Gimmie! (A Man After Midnight)" のリミックスだ。会場全体が両手を挙げて大揺れ状態。若いファンも多い中、少々意外でもあったが、誰もが素直に楽しんでいる姿が印象的だった。彼らにとって Kygo はポップソングの歴史を紐解き、教えてくれる偉大な音楽教師でもあるのだろう。

※ フォトクレジット:Johannes Lovund

 セットの終盤は最新アルバム『Thrill Of The Chase』でラストを飾った8分以上に及ぶ壮大な "Freeze" でムードは一変。粉雪の舞う映像をバックに、8人の弦楽奏者と6人の打楽器奏者が登場し、鍵盤を弾く Kygo と共に生演奏を繰り広げた。美しくも凍てつく世界が、丁寧に、しんしんと描かれた。南国ムードから北欧の銀世界まで。激しいダンスミュージックから、繊細なニュアンスまで。その豊かな音楽性に圧倒されると同時に、どこを取っても一貫して機能的でキレイに整頓された音の佇まいであることに感心させられる。
 
その後更に、Kygo がグランドピアノに向かい、再び Justin Jesso がマイクを握って "Firestone" を熱唱。デビュー当初から、ライブならではのスペシャルな演出を心掛けていたことを思い出す。ライブ全体を通して、鮮やかな赤とピンクを多用した映像やライティングなどのビジュアルも、非日常的な体験だった。そして、もちろんいつもにこやかでチルなお人柄が生み出すサウンドに包まれ、誰もがこれ以上ないほどの至福感を噛み締めていたに違いない。
(文:村上ひさし)

※ フォトクレジット:Johannes Lovund

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