米カリフォルニア州インディオにある砂漠地帯コーチェラ・バレー開の、北米最大級の野外音楽フェスティバル『Coachella(コーチェラ)』の WEEK 1が、現地時間2024年4月12日(金)から14日(日)に掛けて開催された。
その2日目、4月13日(土)の SAHARA ステージに出演したカナダ出身のシンガソングライター Grimes(グライムス)が、セット中に技術的な問題が発生し、ライブを一時中断する事態に陥った。

▼ GRIMES explains her set @ Coachella 2024​

Grimes はロボットの演出で大胆に登場し、Coachella の大舞台でファンに新たなエディットや新曲を披露する予定だったが、問題が発生したためセットは打ち切られたとの事だ。Grimes が通常の2倍のスピードで曲をプレイした際に技術的な問題が発生、Grimes は速度を修正しようと試みたが、トラックの BPM を正しく把握できなかったため、楽曲と楽曲のトランジションにも失敗し、最終的には新しい "ID" を再生する計画を断念した。そして観客に向かい「(楽曲の速度 BPM)計算が下手だとジャッジしないでほしい」と説明。

これに関し、アメリカの2ちゃんねる的なインターネット掲示板「Reddit」の、Grimes のセットを議論するスレッドでは「(Grimes は)非常に準備不足でプロ意識がない」「(Grimes のセットを)非常に期待していたが、これまでで最も酷いセットだったと思う」などといった批判的な意見が目立っていた。

Grimes は、Coachella のセットを前に以下の内容をツイートしていた。
 

私は今夜、多くの新たな楽曲をプレイするが、文字通り今もまだボーカルミックスなどを修正している最中だ。ほとんどがまだ完成していない。だから、セットで変な瞬間があったり、ボーカルがおかしかったりしたら、理由はそういうこと! 来週の Coachella までには時間があるのでたくさん制作するから、来週はもっと良くなってるはず。

そして、現地時間4月14日、Grimes は再び X を更新し以下の内容を投稿。
 

(一部翻訳)
今夜のショーの技術的な問題について謝罪をしたい。
私は、本当に強く戻ってきたいと思っていたし、普段は、私は自分のショーのすべての面を自分で管理している。
しかし今回は、時間を節約するために Rekordbox の BPM などの重要な管理をアウトソーシングしたり、他の人に SD カードなどのトラックを整理してもらったりしており、それらは私にとって初めてのことだった。

ただ私自身が、CDJ を通してプレイしていなかったので、実は事前に嫌な予感がしていた。私は(CDJ で確認していなかったことに)フラグを立ててはいたが、主張はしていなかった。

今回学んだことは、
1. ちゃんとやりたいなら自分でやること
2. 人々が変だと感じたとしても嫌な奴になること
3. 楽しませるはずの時間なのに、ソフトウェアを修正しようと DJ デッキの上にへばりついて公演の全体を過ごすよりも、大丈夫だと演じて観客と楽しむこと

私は絶対に来週の(ショーは)自分のファイルを全て自分で管理する。
このようなことは、今後絶対に起こさない。
私は、このショーに何ヶ月もかけて、音楽や映像を作ってきた。だから確かに今は最高の気分ではない。

でも、来週は完璧で、全て私の手で管理したものをプレイする。

良い教訓を得た。皆さんに祝福がありますように。

CDJ は、BPM が 370 と表示されていたので、耳で手動でミックスすることもできず、フロントモニターはオフになっていたので、皆さんにどのようなサウンドが鳴っているのかを推測していたが、文字通り私はソニックカオスの状況だった。
※ ソニックカオスは直訳で「音速の混沌」。

どうか私を許して! Love, always

来週のショーは順風満帆なセットになることを期待しよう!