この日の晴海客船ターミナルは、「PACHA FESTIVAL」の上陸を天気も待ちわびていたかのような快晴に見舞われた。
会場の装飾も赤を基調とし、PACHAのシンボルでもあるサクランボが所々に施され、この日を待ちわびていたPACHAファン達は、待ちに待ったこの日のために思い思いのファッションで会場に訪れた。
サクランボをあしらったPACHAグッズ、とても人気のこのグッズはここでしか手に入らないとあって飛ぶように売れていた。
会場はオープンを待たずして長蛇の列、初めから最後まで楽しもうと、多くのファンでオープンから大盛況。オープニングに登場したYASUCAは気持ちの良いHOUSEを主体に、晴天と涼しい風が吹き抜けるステージで、訪れるファン達の焦る気持ちを静めるかのように軽快でダンサブルな楽曲を軸に見事なオープニングプレイで続くTJOにつないだ。続くTJOも様々な楽曲をジャンルレスにプレイ。瞬く間にステージにファン達を集める説得力のあるDJ。彼のプレイは一度聞いたら癖になるスタイルでこの日も健在。
この日、日本人としてのメインDJはフェス時代をさらに盛り上げるGEKIMORI保証人、DAISHI DANCE。すでにピークを迎えるかのような会場を彼独特のステージングでさらにヒートアップ!
早い時間帯に登場したのはBASEMENT JAXX。この大御所がこの時間帯にステージに上がること自体このフェスのブッキングの素晴らしさを物語っている。世界のダンスミュージックファンにとってBASEMENT JAXXはまさに世界中の人々を躍らせる本物のアーティストだ。もちろん名曲「Where's Your Head At」もここしかない抜群のタイミングでプレイ。満員状態になったステージに最高のパフォーマンスをもたらした。
そしてお次は大注目のハウスプロデューサーKLINGANDE!耳の早い方は彼を本命にしていたという人も少なくない。今回はサックスの生演奏(サポートメンバー)も加わり正に万全の状態での来日。2014年の世界的大ヒット曲「Jubel」や「Punga」など名曲も出し惜しみせずにライブセットを披露!詰めかけたファンたちに最高のステージで答えた。
素晴らしいまでの晴天からサンセットに変わる頃、登場したのは、オランダが世界に誇るダンスミュージック界のヒットメーカーFedde le Grand。iFLYERでの独占インタビューでも語っていた。ツアースケジュールがクラブとフェスを交差することの魅力はフロアの感覚をつかむ事、ダンスフロアに合うものがわかるようになる。と答えているように、単に盛り上げるだけでなく、しっかりとしたグルーヴの中に確信ともとれる配曲が詰まっていた。世界のTOPスターの由縁はステージの各所に伺えた。
会場も暗くなってきたところ、この日の大トリ、MARTIN SOLVEIGが登場する。PACHA IBIZAのレジデントを務め、多くのトップDJたちから支持を得ているシーンには欠かせないDJ、MARTIN SOLVEIGが完璧なまでのセットを披露。こんなにも気持ちの良いHOUSEのプレイをここ最近聞いただろうか?まさに本場のPACHAがこの日の晴海に降臨した。そんな瞬間だった。心地よい選曲と派手すぎない配曲。ある人は心からダンスを楽しみ、ある人は彼のプレイする曲、一曲一曲を検索、友人と肩を組んで歌う人。耳を傾けお酒を楽しむ人。まさに最高の音楽空間が演出された。
この日一番の満面の笑みを浮かべるファン達は名残惜しいとばかりにステージに手を振る。数あるフェスの中でもこの光景はなかなか見れない。満足度の高いフェスほどずっと続いてほしい、終わらないでほしいと思うものである。正に最高の形でフィナーレを遂げた「PACHA FESTIVAL TOKYO」。今回はKICK OFFという名前の通り、また大きくなって開催されるであろうこのフェスティバルの次のアナウンスを心待ちにしながらこの空間に居られたことに感謝したい。
現在「PACHA」はスペイン、アメリカ、オーストラリア、アルゼンチン、ドイツ、エジプト、ポルトガル、ブラジル、アラブ首長国連邦、ポーランドなど世界10ヶ国以上に展開。そして、2016年1月にはアジア初進出として中国・マカオにオープンしている。