昨年からの勢いをそのままに、2年目の開催となる「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 2017」が、2017年11月11日(土)、新木場コーストに場所を移して開催された。

15時のオープンにも関わらず、14時頃の新木場スタジオコーストのエントランスには、既にこのイベントの開催を待ちわびる人々が長蛇の列を作っていた。会場周辺には日本人の他にも、海外各国から訪れたであろう国際色豊かな人々によって埋め尽くされていた。
「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO」は、観客が非常にファッショナブルなことでも有名。HIP HOPカルチャーとファッションとは切っても切れない関係であり、会場にはストリート、オールドスクール、モードなど思い思いのアーバンファッションに身を包んだ人々が。また当日はオフィシャルグッズも販売されており、オシャレに着こなせるミニマルデザインのTシャツやコーチジャケットを着用している人も大勢見受けられた。
会場内のバー付近には「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 2017」パネルが設置されたフォトブースが設けられており、ファッショニスタたちが今日の思い出をカメラに収めていた。




いよいよイベントが幕を開けると、HOT 97で最も若手のDJの一人であるDJ JUANYTOとDJ LEADが30分の持ち時間の中で次々にヒットチューンを投下し、フロアを万全の状態に温め、これから始まるEpicな1日の最初の流れを作る大役を務めた。DJ LEADはDJ ENUFF率いるDJクルー”THE HEAVY HITTERS”のメンバー。日本人として初めてHOT 97でレギュラー番組を担当し、「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO」の開催における重要な存在でもある。


続いて登場したDJ KAST ONEとHOT 97の人気パーソナリティEBROも、その流れを受け継いで更にフロアを盛り上げる。今回残念ながら急遽出演キャンセルとなってしまったKeith Apeの「It G Ma」が流れると大きな歓声が上がった。

ライブステージ第一弾として、日本人アーティスト3組が登場。
まず、渋谷を拠点し音楽やファッションなどユースカルチャーをリードする次世代HIP HOPクルーkiLLaが勢い良くステージに飛び出す。ハードなMCを交えながら「SHINE」「Mixing Pill」などヒット曲を次々繰り出すと、その熱狂からダイブをする観客も! 大舞台でも全く物怖じせずに、堂々としたパフォーマンスでフロアを熱狂させた。


そして「JP THE WAVY」、「AWICH」と国内の若手注目アーティストが続く。本場の「HOT 97 SUMMER JAM」がアーティストにとっての登竜門であり、キャリア上のステップを躍進させるきっかけとなっているように、「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO」でも次世代アーティストがフィーチャーされていることは日本のHOP HOPシーンにとっても大きな意味を持つ。


FUNK MASTER FLEXが率いるDJ集団、Big Dawn PitbullsのメンバーであるDJ Magicがキレッキレのスクラッチをかまし、スピーディかつ間違いない選曲でオーディエンスのテンションをさらに上げていく。

EBROが「レペゼン・ニューヨークシティ!」とシャウトし、プロモーションムービーが流れると、海外トップアーティストの登場に会場にいる全ての人々の期待が最高潮に高まっていくのが感じられた。
先頭を切って登場したのは、ニューヨーク・ハーレムを拠点とするHIP HOPコレクティヴ「A$AP Mob」のクルーA$AP Twelvyy。注目度が急速に上昇しているラッパーであり今回が初来日のためオーディエンスの期待値も高い。ニューヨーク市内を走る地下鉄をモチーフにしたフーディで現れた彼は、今年8月にリリースしたデビューアルバム『12』に収録されている新曲をプレイ。また「Yamborghini High」などA$AP Mobの楽曲も交えながら渾身のステージを見せてくれた。



続いて登場したのは、今回が初来日となるニューヨーク・ブルックリン出身のフィメール・ラッパーYoung M.A。 デビューと同時に瞬く間にヒットチャートを駆け上った今最もHOTなアーティスト、Young M.Aの堂々とした風貌とMCスキルにオーディエンスが釘付けとなっていた。
来日直前にリリースした最新シングル「Walk」、そしてラストに2016年リリースのデビュー・シングルで大ヒット曲の「Ooouuu」のイントロが流れるとフロアから大きな歓声が上がる。2017年、ニューヨークそして日本で「HOT 97 SUMMER JAM」に出演する快挙を成し遂げ、HIP HOPシーンに強い足跡を残したYoung M.Aの今後の活躍には引続き注目!


そしてすさまじい人気ぶりを見せつけたのが、ロサンゼルスを拠点とするラッパー/プロデューサーのKid Ink。「Money And The Power」「Hotel」「Body Language」...と名曲が続く。「この曲、好きかな?」と、今年5月にリリースしたEP『7 Series』に収録されているTy Dolla $ignをフィーチャーしたシングル「F With U」のイントロが流れるとフロア後方で観ていた人々が一気に前の方へなだれ込む。

そして、まるでEDMのDJのごとく後方のDJブース上に立つと、Steve Aoki、Chris Lake、Tujamoらの人気曲「Boneless」にラップを入れた「Delirious (Boneless)」へ突入。ジャンルを超えたコラボを数多く行っているKid Inkならではのセットに、フロアもこれまでとは違う盛り上がりを見せる。また突如フロア横のPAブースに移動するなどのサプライズにはオーディエンスが一気にブース前に移動し至近距離のKid Inkに見入っていた。10月5日にリリースしたばかりの新曲「Bad Habit」を披露した後には、Chris Brownとの大ヒットチューン「Show Me」でフロアが大合唱!


前日の夜には京都Butterflyで開催された「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO PRE-PARTY In KYOTO」に出演していたKid Inkであったが、疲労の色を微塵も見せること無く、笑顔でパフォーマンスを行いファンに呼びかける。「マジで最高の時間だよ..」と着ていたシャツとキャップを客席へ投げるなど最後までサービス精神旺盛であった。
ステージ転換が行われると、DJブースに加え、ドラムセット、電子ピアノが2台がステージ上に。イベントのトリを飾るのは、アメリカ・シカゴ出身のR&Bシンガーで世界屈指の名門レーベルDef Jamに所属するJeremih。今回が初来日公演、そしてなんと60分に渡るスペシャル・ライブセットを披露するとのことで、今回の出演者の中でも最も注目度の高いアーティストだったのではないだろうか。
大きな歓声の中、堂々とした歩調でゆっくりとステージ上に登場したJeremihは、50Centとの大ヒット曲「Down On Me」、J.Coleとの「Planez」を披露。

2009年リリースのデビューシングル「Birthday Sex」では、観客の中から女性2人をステージ上に呼ぶビッグサプライズ! 見つめながら甘く歌い、バラを渡してハグをするなどのファンサービスで、女性達をメロメロにさせた。


「The Body」、DJ Khaledとコラボした「Hold You Down」と続いた後は、バンドメンバーやダンサーが前方で踊りながらのDJタイムを挟み、Cardi Bの「Bodak Yellow」やYo Gottiの「Rake It Up」といったヒットチューンがプレイされた後、再びJeremihが登場。2015年リリースの甘いラブソング「Oui」では曲の合間に「Tokyo Ahh Yeah」と、日本ならではのコールアンドレスポンスも。「Don't Tell 'Em」などヒット曲も惜しみなく披露し、非常に濃い60分間で人々を魅了した。
Jeremihは「I love you」と繰り返し、バラやサイン入りTシャツなどをフロアに投げるなどのファンサービスを行いステージを締めくくった。

本場ニューヨークの雰囲気をそのまま東京で感じることができる「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO」。DJやラッパーのパフォーマンスに釘付けになって見入る人、フロア後方で思いのままに踊る人など、HIP HOPを純粋に愛する人々が多種多様にイベントを楽しんでいた。
ニューヨークで始まり、東京そして今後は他の国にも拡大していくであろう「HOT 97 SUMMER JAM」。来年もますます大規模なフェスとなって再び東京に帰ってくることを期待したい。
サイン色紙&ポラロイド写真をプレゼント!


今回iFLYERでは、「HOT 97 SUMMER JAM TOKYO 2017」に出演した、A$AP Twelvyy、Young M.A、Kid Ink、Jeremihの4アーティストにインタビューを敢行。
そしてiFLYERユーザーのHIP HOPファンの方のためにアーティストからの貴重なプレゼントをゲット!
近日中に公開予定のインタビュー記事内にて応募方法をお知らせするので、そちらもお見逃しなく!
Written by : Yurie