新木場 ageHa @ STUDIO COASTで開催された、記念すべき初来日公演「LOST IN TOKYO -Lost Frequencies first show ever in Japan-」を大成功に収めた Lost Frequencies(ロスト・フリークエンシーズ)。長らく彼の来日公演を待ち望んでいた日本のファンたちを大興奮の渦に巻き込み、更なる人気に火をつけたのではないだろうか。
iFLYER では、そんな Lost Frequencies にインタビューを行った。初めての日本でのショーにに際し、果たして Lost Frequencies は何を思ってステージに立ったのだろうか!?



Q:日本でのファーストステージです。日本に対してどのようなイメージをもっていますか?

A:
日本に来てからまだ数時間しか経ってないけど、初めはとても慌ただしい印象だったかな。というのも、僕たちは日本に着いて、そのままホテルに向かってチェックインし、レストランに入ったんだ。レストランでの体験が、今のところ一番の思い出かな。靴を脱いで、ほとんど地面に座るようにしてお寿司を食べたんだよ。皆、すごく親切だった。ほら、日本の人たちは何かを間違えてはいけないと考える文化があるから、お店の人たち皆が僕に対するリスペクトを込めて、しっかりとしたサービスをしてくれたんだ。だから僕も、できるだけ彼らに対して失礼のないように意識したね。

今回はプロモーター、そして僕のグループと一緒だったんだ。ブリュッセルからも友達を一人連れてきたんだよ。僕の友達のほとんどは黒を着ているね。僕は、ツアー専属のフォトグラファーと一緒に寿司を食べに行ったりもした。僕の友達のいく人かは、元々日本に滞在していて、東京で遊んでたんだよ。彼らもアーティストでアジアツアーをやる予定だったから、僕たちが日本に向かうと分かった時に、一緒に出掛けられるように予定を組んだんだ。


Q:昨年、ファーストアルバム「Less Is More」をリリースしましたが、あのアルバムに込められたメッセージを教えてください。

A:
初めに、僕はタイトルの名前を決めた。なぜならば、最初は僕はこれらをプロデュースしていたからね。それは複雑な楽曲というわけではなく、音楽の基本的な要素で構成されており、とても良くできていた。だから、僕の所属しているベルギーのレーベルの人から「君の音楽は本当に Less Is More だね、だってそれほどたくさんのプロダクトが使われているわけではないのに、トラック自体は本当にビックなものだから。」って言われたんだ。それで僕は「これだ、これこそアルバムの名前にふさわしい」と思った。それと同時に、僕はこのアルバムの、よりエレクトロニックなバージョンを作ってみたくなった。それが「Less Is More(Deluxe版 )」なんだ。皆が聴きやすいタイプの音楽と、クラブの音楽の要素を双方を含んだ音楽を組み合わせて、活気に溢れた作品を作り上げ、それを今セットリストに入れているんだ。繰り返しになっちゃうけど、2枚目のアルバムはまさに More Is More だね。「Less Is More」をもっとエキサイティングな内容にしたものなんだ。


Q:あなたの音楽は、既存の特定のジャンルに当てはめるのが難しいです。あなたの音楽のルーツは何ですか ?影響を受けたものはありますか?

A:
僕は元々寄宿学校にいて、みんなエレクトロニック・ミュージックを聴いていたんだけど、10 〜 15年前に、Hardwell や Avicii みたいに、月に一度くらいのめちゃくちゃ早いペースでトラックをリリースする DJ たちが活躍してた。僕は本当に、そういった人たちの大ファンだったんだ。全てがそうやって成長していった。ツアーを始めて、そのタイミングで Swedish House Mafia も登場してきた。全部が大きな流れのようで、僕は本当にこういった人たちから刺激を与えられた。
でもそれと同時に、僕はインディーズ・バンドのファンでもあって、そのタイプの音楽を聴くのがとても好きなんだ。音楽を作り始めた時、僕はさっき言った大物たちが作るような音を作ろうとしていた。でも「本当にインディーズ・ロックが好きだからリミックスして音に組み入れてみてもいいかも。インディーズ・ロックのトラックをEDM調にしてみよう」と思ったんだよね。僕はすごくゆっくりなテンポの Peter Von Pouhl の「The Story of the Impossible」のリミックス版を作って、そこから今の Lost Frequencies の音楽になっていった。昔からよく聴いていた古いトラックをリミックスして、それが今の Lost Frequencies になったんだ。


Q:具体的にいつ頃「音楽が自分のやるべきことだ」と気づいたのですか?

A:
Wankelmut の「One Day」がリリースされたとき、その曲はエレクトロニック・ミュージックだけど、歌詞、ギター、ベース、キーボードの音も楽しむことができると気づいたんだ

インディーズ・ロックの音楽に流れるギターの音を聴いて「これが僕の本当にやりたいことだ」って気づいて、他の進行していた企画を止めて、Lost Frequencies の音楽を始めた。ちょうどその頃、 Robin Schulz が台頭してきたんだけど、彼も独特のギターの音を含んだ曲が特徴的だったね。

だから、僕は今テック・ハウスとエレクトロニック・サウンドからもっと影響を受けて、ゆっくり目のリラックスしたビーチっぽい雰囲気の自分のバージョンを作り出せた。そして今度は、自分のトラックからも、より一層エレクトロニック寄りなリミックスを作り出せた。


Q:もし日本でフェスをオーガナイズするとしたら、どんなアーティストをブッキングしてどんなフェスにしたいですか?

A:
予算はどれぐらいある(笑)? クロスオーバーフェスに挑戦してみたいな、ライブアクトと DJ アクトがあって、ライブアクトには絶対に Flume を呼びたいね。彼の大ファンなんだ。それから、音楽市場を見てみて、どのアーティストが新しくて、誰が当てはまるか、誰が雰囲気に合うかを考えてからヘッドライナーを決めて、大好きなアーティストを呼びたいな。What So Not にも出てほしい。サイドプロジェクトも。TroyBoi もいいかもしれない。それから、Billy Kenny。彼は良い感じの Gハウス・ミュージックのバイブスを持っているんだ。あとは本当に僕がどういったイベントをオーガナイズしたいかにもよるね。でも、ちゃんとビジョンを持って何をやろうか分かっていて、何を会場の人たちと共有したいと考えているのか、いつ、どんな風に登場するのか、何を披露するかをきちんと分かっているアーティストがいいな。ほら、よくランキングのトップ100 だけを流すアーティストがいるけど、僕はそれは違うと思うんだ。だから、確立されたアイデンティティを持っていて、自分のアルバムをしっかり持っているアーティストを呼びたいね。

でも、もちろん大物アーティストを呼ばなきゃいけない時もあるのはわかっているよ。僕だって Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)を呼んだりしたいさ、でも本音を言うと彼が DJ セットでどんな曲をプレイしているのかあまり知らないんだよね……(笑)。でも、彼のデュア・リパとの最新のコラボ曲は好きだよ! あ、そうだね、デュア・リパも呼びたいな!


Q:最近、多くのアーティストがバシッとキメたクールなビジュアルを目指している一方で、どちらかといえばカジュアルでナチュラルなファッションをされていますが、他のアーティストとは違ったスタイルをされているのにはどんな理由があるのでしょうか?

A:
実は、あんまり服装については考えたことがないんだ、というのも僕は僕の好きなことをしているだけだからね。例えば2週間前にマイアミ・ミュージック・ウィークエンドのためにマイアミにいたんだけど、写真を撮る場所でほとんどのDJが黒一色で決めている中で、僕だけスイム・ショーツとスポーツ・シャツで呑気に歩いていたからみんな僕のことを DJ だとは思わなかったんだ。それで、その恰好のままもちろん会場に着いて、そのままステージに上がったけど何か不思議な感じがしたんだ。それから、みんな「 DJ なのに DJ っぽくないのが逆にクールだね!」と言われて、そのことについて考え始めた。だって、みんなに DJ っぽくない服装だねって言われちゃったからね。黒の洋服は汚れにくいし、他の服装とマッチングしやすくて便利だけど、面白い服を着ることで人を喜ばせることもできるよね。