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John Digweed はそれについて、本国の mixmag によるインタビューで以下のように語っている。Q:John Digweed がリリースするミックス CD は常に人気ですが、なぜ「CD」と言う形式でリリースし続けるのですか?
今年はフェスの多くが中止やキャンセルとなり、クラブもまだ再開できない国も多いため、しきりにストリーミングという方式が主流となってきている。しかし、その一方でストリーミングのようにただ "聴く" だけではなく、CD という物理的なモノを手に入れることで物欲が満たされ、更なる満足感に繋がる場合もあるということを思い出させてくれるインタビューである。CD と言う形式は、公平に見ても廃れかかっていると思う。現時点で、多くのリスナーたちは、ストリーミングやダウンロードといった視聴方法へ移行していっている。だが僕は幸運だと思うんだ。なぜならば、僕は何十年にも渡って CD をリリースしてきていたし、僕には素晴らしいファンがいて、そういったファンたちは、僕の CD をコレクションしているんだ。これが僕が CD という形式でリリースし続ける大きな要因となっている。
だが、音楽を聴くフォーマットの技術の進化によって、残念なことに多くの人たちは CD プレイヤーを持っていない。以前公演を行った際、プロモーターに僕の CD を渡したことがある。凄く感謝されたけど「CD をプレイできるものを持っていないよ!」って言われた。
CD のマーケットはレコードのマーケットと似ている部分があると思う。永遠に続くものなんてないしね。でも CD 市場に貢献できたことを僕は誇りに思うよ。
物理的なモノ(CD)を所持するという事は、その CD に注がれたプロジェクト自体、そして考えや注目が集まっていることを示していると思うんだ。だからストリーミングやダウンロードよりも価値があると思っている。そういった意味では少し残念ではあるね。だけど、物事は進化することも僕は理解しているし、人々が様々な方法で音楽を聴いていることも分かっている。ミックス CD が過去のものとなるのは時間の問題なんじゃないかな。
例え CD プレイヤーがない人も、音源はもちろんパッケージやデザインなど、その楽曲にまつわる全てを含めて手に入れたいと欲するマニア心を持つ音楽ファンは、恐らく現在でも多数存在しているのではないだろうか。

Q:いつファンの前で公演できる日が来ると予想していますか?
現段階ではクラブやフェスティバルがいつ再開されるのかは、誰にも分からない。でも最も重要なのは、安全な環境を人々に作ることだと思う。
それから、第二波が来る危険性がある時期にクラブを再開して……再び感染が広がりクラブが閉鎖されたら意味がないと思うんだ。僕らは、今は辛抱強く、最善を尽くして一番ベストなタイミングを見計らって最初の公演を成功させなければならない。また同じことを繰り返さないようにね。
これは、ほんとんどの人々にとって未知の領域であって、ナイトクラブ、バー、レストラン、ホテルなどへの影響は計り知れない。多くの素晴らしい人材が仕事を失ったり、この恐ろしいウイルスがビジネスに大きな影響を与えているのは、すごく悲しいことだ。
僕もみんなと同じで、早くクラブを再開させて欲しいと思っている。だけど、きちんと準備を重ねて再オープンして欲しい、焦って再オープンするのではなくてね。

Q:パンデミックになり音楽業界は変化していますが、今後音楽業界にどういった影響を与えると思いますか?
John Digweed は15歳から DJ を始め、約40年間もの長きに渡って音楽に携わっているレジェンドであるため、その分様々な経験をしてきたことだろう。そんな彼が「ワクチンがなければフェス再開は厳しいのではないか」と発言しているのには、なかなか重みがある。ワクチンがなければ、音楽業界への影響は今後も計り知れないものとなるだろう。クラブやフェス会場などでは、ソーシャルディスタンスの制約があることによって、クラブやフェス特有の特別な雰囲気が失われてしまうからだ。
ナイトクラブの根本的なアイディアは、人々との交流、友達同士で素晴らしい瞬間を共有して、新しい友達に出会って、新しい経験や特別な瞬間を分かち合うことだ。
それから、様々な視点や斬新なアイディアを持った、新しいプロモーターやブランド、DJ もどんどん出てくると思う。そしてそういった人たちがそのシーンに役立つ解決策を提供してくれるのではないかとも期待している。もちろん、今後何が起こるか予測はできないけど...。それまでに数か月、いや、もしかしたらもっと長くダンスフロアへ戻ることはできないかもしれない。再度立て直すには時間が掛かると思う。だからその間、クラブのオーナーやアーティスト、プロモーターたちは収入を得るためにクリエイティブにならなければならない。
一刻も早いワクチン開発を願うばかりだ。