世界では過去10年間で CD の売上が緩やかに減少しているのにも関わらず、日本は世界と比較し依然として CD の需要が高く、最も人気の高い音楽フォーマットだった。
the japan times によると、昨年の日本国内での CD の売上は市場の70%を占めていたが、数年前までは10% にしか満たなかったストリーミングサービスがここへ来て売り上げを伸ばしており、ストリーミングサービスの売上が今年は20%を超える可能性が高いとのことだ。


​日本の音楽市場は、年間30億ドル近い規模となっており、アメリカに次ぐ世界第2の市場となっている。そのため、ストリーミングサービスの売上が伸びている日本の変化を、世界の音楽業界は注視しているとのことだ。

​Enders Analysis で日本のメディアビジネスを担当する Jamie MacEwan(ジェイミー・マキューアン)氏は、「デジタル、ストリーミングサービスが物理的な CD の売上を上回るのは時間の問題だ」と述べている。

さて、そうなると CD を販売している老舗ストア「Tower Records」などはどうなるのだろうか。国内に約80店舗以上を展開する同ショップは、詳細データは公開しなかったものの「新型コロナの影響により店舗に訪れる客が減少し、またアーティストはリリースをキャンセル、それに伴うイベントプロモーションもキャンセルとなり、現在深刻な経営不振に陥っている」と発表した。

そもそも日本の CD の売上が際立って他の国より良いことには理由がある。日本ではレコード会社が CD を販売する際に、特典として「優先チケット購入権」や「握手会」などを付けていることが、CD の売上が際立って良い大きな要因となっている。

だが、新型コロナウイルスの影響により、コンサートやイベントが開催できなくなったため、CD にそういった特典を付け販売することが難しくなってしまってしまっている。


現在は、ストリーミングサービス内でのヒット曲が不足しているため、CD の売上にはまだそこまで影響が出ていないとのことだが、国内のレコード会社は、今後数年のうちに、物理的な CD リリースに近い形を取りつつもデジタルへ移行をするだろうと予測されている。


また、日本は他国と異なり、LINE Music、AWA、レコチョクといった日本国内向けのローカルストリーミングサービスがあり、それらは Apple Music や Spotify に比べ、日本国内で主流となっている J-pop 等に強いため、それらのコンテンツは日本国内のサービスの方が有利になるだろうとも予測されている。