先日、Griff(グリフ)をヴォーカリストとして迎えたニュー・シングル「Inside Out」(インサイド・アウト)をリリースした Zedd(ゼッド)がiFLYER のインタビューに登場!

直球で力強いラヴ・ソングである新曲「Inside Out」だが、今回 Zoom を通して行われた iFLYER インタビューでは、この曲に関するいくつかの気になる点を Zedd に尋ねてみた。様々なウラ話が聞けたので「Inside Out」を聴くにあたってこのインタビューを読んでから聴き直すと、さらにこの曲を楽しめることは間違いなしだ!


また、今回のインタビューでは、Zedd のプライベートやゲーマーな一面、そして日本と Zedd の親和性の高さに関する話まで飛び出してきて、とても和やかで楽しいムードのインタビューとなった。その雰囲気と Zedd のチャーミングな笑顔を想像しつつ、ぜひ最後までじっくりと読んでもらいたい。
 

1. この曲は、1年半もの時間をかけ、何度もボーカルを変えて、最終的に Griff のボーカルでリリースされていますが、製作中に何か印象深いエピソードがあれば教えて下さい

Zedd:一応、明確にしておきたいんだけど、この楽曲を制作するのに1年半かかったわけではなくて、最初に楽曲を制作し始めてから、最終的なバージョンの楽曲が完成するのに1年半かかったってことなんだ。
印象的だったのは、複数のシンガーのレコーディングをしていて、上手く行くと思っていたんだけど、そうではなかったことだ。あるシンガーをこの楽曲のボーカルにしたくて、3回レコーディングしたんだ。僕がいない場所で、彼女は2回レコーディングをした。1回目は良かった、2回目は僕が彼女に指示をして上手くいった。3回目は、僕も一緒にレコーディングに参加しないと重要なポイントを表現することができないと感じたので、僕も参加したんだけど……それは上手くいかなかった。それで気が付いたんだ、なんていうか……トラックに完璧にマッチするボーカルトーンを見つけることは、ある種のマジックなんだってね。だけどそれがそこにはなかった。
それで、僕はボーカリストを再び探し続けて、Griff を見つけたんだ。彼女のボーカルは最高だった。彼女のデモを聴いたんだけど、物凄く素晴らしくて、彼女はロンドンに住んでいたんだけど、LA に呼び寄せて一緒にレコーディングした。ファーストテイクを撮って僕はすぐわかったよ、彼女がこの楽曲に完璧なボーカルになるってね。


2. 別のインタビューで「 I always want to give singers the opportunity to change lyrics. (いつも歌手に歌詞を変える機会を与えたいと思っている)」とおっしゃっていましたが、他に曲をより一層良くするために行なっている特別なことはありますか? また、歌手が変えた歌詞で、意表を突かれたことはありますか?

Zedd:そうだね、さっき話した、一緒に曲を制作していた(Griff 以前の)ボーカリストなんだけど、この楽曲 "Inside Out" の歌詞の中でいくつか個人的にあまり好きではない歌詞があった。なんとか楽曲に適したものにしたいと思っていたし、彼女は、そのある歌詞の部分をすごく好んでいたんだ……。だけど、僕はあまり気に入ってなかったけど、まぁ仕方ないかな、って。だって最終的に歌詞の顔になるのは歌うシンガーな訳だし、実際、僕自身がその歌詞を口にする必要はないからね。それに、歌うシンガーが歌詞を心地良く思っていなければならないと思うし、だから少し、僕はその辺りを妥協した。それに、そこは妥協しなければいけないことだと思うんだ。
そして(その後)、Griff がレコーディングすることになって、僕は他の全ての人に同じことをしてきたように、Griff にも自由に歌詞を変える機会を作った、歌詞自身が彼女であるようにね。そうしたら Griff はすぐさま、さっき話した僕があまり気に入っていなかった部分の歌詞を変えたんだ。だから僕は、「よし! よし! やったー!」みたいな感じで……最高だったね。
Bメロの部分は Griff が加わったときはできあがっていなかった。だから、Griff と一緒にBメロ部分の制作に取り掛かった。歌詞はほぼ Griff が書いたんだけど、歌詞自体も素晴らしいし、彼女が歌うことで更に素晴らしくなった。だから、彼女と一緒に仕事ができて本当に楽しかったよ。


3. Inside Out は、“あなたの全てを愛する” と繰り返し歌われる超直球なラブソングで、切なく美しいメロディーが歌詞にピッタリとマッチしています。歌詞の解釈について「Everyone can build their own meaning.(誰もが彼ら自信の意味を構築できる)」とおっしゃっていますが、ご自身はこの歌詞のような恋を今現在または過去にしたことはありますか?

Zedd:ははは、僕の経験ではないよ。それに歌詞も僕についてではないし、今後も僕の経験が歌詞になることはない。もし僕が歌詞を書くとしたら、僕自身の経験とかではなく、もっと架空のシナリオを書くかな。
僕は、僕の "音楽" を通して話しているんだ。数週間前、とあるピアニストと話したんだけど、そのときはまだ "Inside Out" をリリースする前で、"Inside Out" をピアノで弾いたんだ。変に聞こえるかもしれないけど、そしたら彼は、僕の弾いたピアノから歌詞が聴こえたって言うんだ。それは(実際に)「歌詞・言葉」が聴こえたわけではなく「音楽性」や「楽器法」っていうのかな、だから僕は僕の感情をそういったもので表現している。
それから歌詞がどういった意味なの? って事なんだけど、この曲にはもちろん意味がある。さっきあなたが言ったように、何があったとしても全てをひっくるめて誰かを無条件に愛しているってことなんだけど、でも、もし他の誰かがこの意味とは違ったように解釈しても全く問題ない。僕は、人々がそれぞれの見方でその曲を解釈してくれるのを見るのがとても楽しいんだ。一つだけの意味を持つ必要は全くない。最終的に、誰かが誰かの楽曲を聴く、それはその曲が好きだからで、それぞれ違った解釈をしても僕にとっては全く問題のないことだよ。


4. iFLYER では、各アーティストに、自分以外のアーティストの今現在オススメの一曲を教えてもらう企画を行なっております。オススメの曲とその理由を教えてください。

Zedd:隔離期間中は、全くと言っていいほど音楽は聴いていないんだよね。ここ6~7か月間の間にリリースされた楽曲は、ほぼ全部、聞いていないね。だけど、僕の友達が曲をリリースしたらチェックしているよ。例えば Shawn Mendes、彼がインスタに投稿してる短い動画もチェックしてる。なんて言うか分からないんだけど、楽曲の短いバージョンの動画? っていうのかな…….そういった動画は、過去の感情を思い起こさせてくれたりして、凄く好きだね。それから絶対に Ariana Grande の楽曲もチェックしているし、あとは僕の友達や、尊敬している人、とても興味を持っている人の曲はチェックするけど、それ以外は最近は聞いていない。
前の僕だったら、どこにいても音楽をチェックしてた。車に乗ればラジオを聴いたり、Spotify を検索して何が最新なのかをチェックしてたんだけど、随分それもしていない。代わりにポッドキャストを毎日聞いているんだよね。食事するときも、車に乗るとき時も、運動するときも、とにかく時間があれば常にポッドキャストを聞いている。なんて言うか、ポッドキャストを使って勉強している感じかな。

iFLYER:生活が非常に変わったということですよね?

Zedd:本当に! 歯医者に行く以外は全然運転もしないしね(笑)、だけどそれって、もうホントかなり長い間だよね。歯医者だけが、今、僕が唯一出掛ける場所なんだよ。食品を買いにも出ていないし、たぶん1年は行ってないかな。みんな僕のことを馬鹿にするんだ。僕の家には「コストコ部屋」って部屋があるんだけど、そこに僕は全ての物をストックしているんだ。ホントにもう、何もかもね!
もし誰かが電池が欲しいってなったら、その部屋には数えきれない程いくつでもあるよ、「あ、電池? 僕持っているよ!」ってね(笑)。みんな笑ってたけど、今はみんなに「僕は必要なものは全てコストコ部屋に持っているよ」ってね。


iFLYER:凄いですね(笑)。 一生そこにいれますね、だって全て揃ってるわけですよね。


Zedd:これには理由があるんだ。トイレットペーパーがいい例だ。在庫が少ないとか、パンデミックとか、そういうことは全く関係なく、トイレットペーパーを常にストックすることは悪いアイディアではないよね? トイレットペーパーを、誰もが好きなだけ、好きなときに好きな分だけ買えるときに思ったんだ、トイレットペーパーを1年分買えば、一回の買い物で済むじゃないか、ってね。毎週毎週トイレットペーパーを買いに行くんじゃなくてね。(そこから「コストコ部屋」が生まれた)
僕の部屋には余っているスペースもあったし、そうすることにした。みんな僕のこの考えを笑うんだけど、今はみんな「トイレットペーパー余ってる?」って聞いてくるよ(笑)。

iFLYER:1個買ってもいい(笑)?

Zedd:そうそう! 本当にそんな感じ。一回につき1ロールのみだよ(笑)!


5. 日本でもあなたはとても人気がありますよね。日本に来た際に、ファンとの交流で思い出深い出来事などはありますか? また、コロナが落ち着いて、次回日本で公演を行う際には、特別に会いたいファンなどはいらっしゃいますか?

うん、そういったファンはいるよ。日本に来ると、毎回見かけるんだ。僕はそういったファンに本当に本当に感謝している。いつもいるファンの顔は覚えているし、空港で待っていてくれたり、公演にやホテルに来てくれて、日本には素晴らしい想い出ばかりだ。正直にはっきり言うけど、世界のどの国よりも素晴らしい想い出ばかりあるのが日本だよ。それに日本のファンとは、力強い繋がりも感じるんだ。
僕がまだ Zedd でなかった時、僕はバンドで音楽を作っていた。僕が好きだったバンドは、いつも本当に誰にも知られていなくて、アンダーグラウンドなバンドばっかりだったんだよね。でも、そういったバンドはイギリスと日本のみで成功していたんだ。ドイツでもそんなことはなかったのにね。だからそういった面でも、日本に来る前から、いつも日本との繋がりを感じていた。
楽曲を日本でリリースする前に、僕はなんとなく感じていたんだ、僕が好きな音楽のテイストと、日本(人)が好きな音楽のテイストじゃ似ているんじゃないか、ってね。それは食べ物にも言えることだし、それにゲームもそうだね。僕は日本の音楽とゲームに非常にインスパイアされてきた。それから僕は、幼い頃から色々なゲームをして育ってきたから、疑うことなく言えるね、僕の創造力のプロセスは、僕がそういった経験にインスパイアされ、形成されたんだってね。だからかなのかな? 僕は日本に強い繋がりを感じている。絶対にショーを行いたい場所が2つある。コロナが終息したら、サンフランシスコでショーをしたい。アメリカの中でも多くのファンがいる場所の一つがサンフランシスコで、そこにある会場 "Bill Graham Center" では、今までに7回も公演をしているんだ。それから、日本だ。コロナが終息したら、真っ先にこの2つの場所で公演をしたいよ。遅かれ早かれ、絶対に叶えたいことだね。

iFLYER:どんなゲームをしているんですか?

Zedd:今は、VALORANT(ヴァロラント)にハマってるね。僕はこのゲームがとても大好きで……割と最近出たゲームだと思うんだけど。後は……友達とみんなでやったりもしているね、Risk of Rain(リスク・オブ・レイン)とか Fall guys(フォール・ガイズ)かな。他には、最近プレイし始めたのは League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)なんだけど、あり得ないほど難しい。あと Play Station がもうすぐ発売されるよね、日本と同時期に発売されるのかは分からないけど、手に入れたら最低1週間は全部の予定をキャンセルしてプレステを1日中やり続けると思うね。

iFLYER:自宅にゲームセンターがあるんですよね?

Zedd:僕は物凄くラッキーだよ、自宅にシアターを建てたんだけど、丁度コロナが始まった頃に工事が終わったんだ。だから今は完璧なシアターが家にあって、ゲーム機を置けるスペースもシアターの中に作ったんだ。外から見ると、ゲームがあることは分からないんだけど、中にゲーム機が置けるように工事したんだ。めちゃくちゃ大きいスクリーンを用意して、本当に映画館みたいな感じだね、4Kのレーザーのプロジェクションも完備されていて(まだ発売される前なので)仮のサイズで PS5 と Xbox も設置できるスペースも既に用意してあって、後は本体が到着するのを待つだけだよ。PS5 と Xbox が発売されたら、その用意してある仕切られた場所に埋め込むんだ。もうなんていうか……僕はもう本当にただのゲーマーだよ、ゲームが大大大好きなんだ。


iFLYER:日本のファンにメッセージを頂けますか?
Zedd:まず初めに、いつも僕の応援をしてくれて本当にありがとう。それから、僕が Zedd として活動を始めた1日目から僕をサポートし続けてくれてくれているよね。僕はここ最近、最低でも1年に一回は日本へ来ていたけど、かなり久しぶりに日本へ行けない年になってしまって、既に日本が恋しいよ。だけど、みんな今は我慢していてほしい、僕は新しい音楽をリリースしたいと思っているけど、それは世界がきちんと落ち着いてからリリースしたい思っている。日本や他の国のファンにも「待っていて良かった」と思ってもらいたい。それから今、アルバムの制作もしているんだ。きっと楽しんで貰えると思う。だから、うん、今年1年間、僕をサポートしてくれた全てのみんなに感謝しているよ。
 

【リリース情報】
Zedd & Griff「Inside Out」
ゼッド&グリフ「インサイド・アウト」

 

Zedd

Twitter
Facebook
Instagram

日本公式サイト:http://zeddjapan.com
日本公式LINE:@zeddjp
公式サイト:http://zedd.net