メルボルン出身の DJ/Producedr/シンガーソングライターの Simona Castricum(シモーナ・カストリカム)は、バンド Ana Anale のメンバーとしても活躍し、オーストラリアの権威あるアワードである「ミュージック・ビクトリア・アワード」の2020年度では最優秀賞ソロ・アーティスト、最優秀エレクトロニック・アクトの二部門にノミネートされた実力派アーティストであり、更にトランスジェンダー女性でもある。
 

そんな Simona Castricum が、今週、メルボルンにあるナイトクラブ「Yah Yah's」にてクラブの女性用トイレを使用していたところ、ナイトクラブの警備員によってトイレから追い出されてしまったとのことだ。

Simona Castricum はそのときの状況を The Age に対して以下のように語っている。

「男性警備員が、女性トイレの出入り口に立って、私を指差し「バスルームの外へ出ろ」と非常に攻撃的に私を怒鳴った」

「私は『私は女性よ、私はトランスジェンダーの女性よ』と言ったわ」

Simona Castricum の訴えにも関わらず、警備員は他の女性が Simona Castricum の助けに来るまで怒鳴り続けたという。
Yah Yah's は事件の起きた木曜日の夜、性別を問わないトイレポリシーを設けていた。

Simona Castricum は、ライブ・ミュージックの会場に対する多様なジェンダーを含んだ市のガイドラインを作成したことでも知られている。

「誰が悪いと言いたいわけではなく、私は Yah Yah's が模範を示し、教育と説明責任に取り組み、文化を変えて前進し、それにつれて、どんな夜であってもトランスやジェンダーの多様な人が安心できるようにして欲しいと考えているわ」

Yah Yah's のオーナーである James Young は、事件について「非常に恥ずかしいことだ」と述べており、事件を起こした警備員と共に Simona Castricum に謝罪、この警備員を叱責し、職場復帰の前に再訓練を行うとのことだ。