ネバダ州の砂漠で開催される奇祭フェス Burning Man(バーニング・マン)が、既に決定していた2021年度のテーマタイトルを「The Great Unknown」に変更すると発表した。

以前に発表されていたテーマは「Terra Incognita」で、ラテン語で「未知の土地」を意味するもので、地図も文書かもされていない地域を示すための言葉として一般的に使用されているものだったが、一方でヨーロッパの植民者は、植民地にしようとしている土地に、例え先住民が住んでいた場合でも、その土地を侵略する根拠としてこのフレーズを使用していた。結果的にそれは、先住民の存在を無視するような言葉となっていたと言えるだろう。
そのため、Burning Man の主催者は、テーマタイトルを変更することを決定したとのことだ。

「このフレーズには植民地時代の歴史があり、自分たちの暗黙のバイアスやデフォルトの視点が反映されていることを知り、タイトルを変更しました」

2021年度の Burning Man は、8月29日〜9月6日までの期間に開催される予定となっており、5月末までに実際に開催するか否かの最終決断が下されると主催者は述べている。
また、パンデミックの影響により、前年度の約80,000人の参加規模よりも縮小される可能性もあるとのことだ。


Burning Man は、スタッフ間の多様性の欠如や、ネイティブアメリカンの髪飾りの着用など、一部のバーナー(Burning Man 参加者)による文化の盗用などが批判された過去を持つ。

また、2019年のチケットの価格は425ドル〜1,400ドルとなっており、多くの有名人や裕福なテック系企業の CEO が近年多く参加するようになった。
そのため、多くの伝統的なバーナーが新たな参加者たちの排他的な慣行に反対し「急進的な多様性の受け入れ」の原則との矛盾が浮き彫りとなっていたという。