The Wall Street Journal によると、Apple Music を含む音楽ストリーミングサービス会社は、アーティストへの報酬を公開し、新規の加入者と音楽プラットサービスへの信頼を得ようとしていると報道している。

Apple Music は、1回楽曲がストリーミングされる毎に、アーティストへ1セント(日本円:約1円)を支払うと述べたそうだ。

■ Apple は Spotify への対抗策として動き始めている?

この情報は、先週金曜日にアーティスト向けに送られた手紙の書面にて明らかになったとのことだ。音楽プラットフォームが、アーティストへ誠実なサービスであることを示す取り組みの強化の一環としてみられている。

だが、この Apple が発表した1ストリーム=1円の決済システムは、音楽業界の専門家によると、価値を下げる可能性があるという。

この1ストリーム=1円は、世界最大の音楽配信プラットフォーム Spotify が音楽著作権保有者に支払う金額の2倍に相当する。Spotify は、1ストリーム辺り、平均約3分の1から2分の1のペニー(日本円:1円の3分の1から2分の1)を支払っているが、Spotify はユーザー多いため、その分多くストリーミングされている。

Apple の支払いは、ユーザーの月額から収益を得てアーティストへ支払っているとのことだ。音楽関連労働組合は、金曜日に送付された Apple の書面を計量し「全ての音楽配信プラットフォームは、1ストリーミング毎に最低でも1セント支払うべきだ。」とコメントしている。

■ 各音楽プラットフォームのユーザー数

Apple Music は、2019年6月の報告にて、約6,000万人以上のユーザー数がいると報告。Spotify は、業界ではトップの1億5,500万人の有料会員ユーザーを誇る。
Amazon Music は、昨年初めに約5,500万人のユーザーがいると報告している。Apple は、書面にて以下のように述べている。

「音楽使用料についての論議が続いているが、私たちは価値を共有することが重要だと考えている。私たちは全てのクリエイターに同じ料金を支払う、それは1つの作品に同等の価値があるからだ」

■ 音楽ストリーミングサービスからアーティストへの支払い方法

アーティストは、直接音楽プラットフォームから支払いを受けるわけではないため、例えストリーミングされても一銭も入ってこないそうだ。その代わり、ストリーミングプラットフォームは「著作権使用料」を権利保有者に支払う。権利保有者は、アーティストとの契約内容に基づいて支払いを行うという流れになっている。

■ Spotify と Apple Music、結局どちらの方がアーティストに収益が多いのか?

Bangkok Post によると、Apple Music よりも Spotify の方が結果的に音楽業界に利益をもたらしているそうだが、それは単純に「リスナーが多いから」という理由であるとのことだ。
しかし、Spotify の平均的なユーザーは、他のプラットフォームに加入しているユーザーよりも毎月、楽曲を多く聴いているため、平均的な支払い率は低いとのことだ。

Apple は、アーティストへの支払いに関する書面にて「私たちは大規模なテストを行いました。無料で使用できるサービスを廃止すると、リスナーは他の収益を生まないサービスを利用する傾向にある。つまりこれは、音楽業界全体の収益が減ってしまうということです」と述べている。