CNN によると、ロシアは新型コロナウイルスワクチンの接種は「任意」だと発表しているものの、公共の場で働く労働者にとって、ワクチン接種は実質「強制」状態で有り、ワクチンを接種するほか選択肢はないとことだ。

ロシアでは、ワクチン接種率の水準が極めて低い状況が続いており、その対策としてロシア政府は「ワクチン接種は任意ではあるが、サービス産業で働く労働者の少なくとも60%が1回目のワクチンを7月15日までに接種しなければならない」という矛盾した内容の生命を発表している。

モスクワ市のスポークスマン Dmitry Peskov は以下のように述べている。

ワクチン接種は引き続き任意です。しかし、サービス産業で働いている場合はワクチンを接種しなければならず、もしその労働者がワクチン接種を拒否するのであれば、ただ単にその労働者がサービス産業で働くことを辞めれば良い。接種しなくても良い業種の仕事を探せば良いだけです。

任意ではあるものの、ワクチン接種を受けなければ仕事を失うことになるようだ。

更に、6月28日(月)時点で、モスクワ市のカフェやレストランに入店する際に「ワクチン接種の証明書」「新型コロナの陰性証明」もしくは「過去6ヶ月間の新型コロナの感染の証明書」を提出しなければならなくなったそうだ。


ロシアの人口は約1億4,600万人で、ワクチン接種率は人口の11%。なお、アメリカでは約46%、英国では48%となっている。

CNN は、ワクチン接種会場で列に並んでいる市民に話を聞いたところ、匿名女性は「私はケータリング業界で働いているため、ワクチン接種を受けなければなりません。しかし、どういった方法であるにせよ私はワクチンを接種しなければならない。遅かれ早かれ、ワクチンを接種するようにという圧力をかけられるからです」と述べた。


また別の市民は、IT 業界で働いており、顧客と対面する仕事でないのにも関わらず、ワクチン接種を受けに来たという。この男性は以下のようにコメントしている。

僕にはワクチンを受けないという選択肢がないんです。僕の働く会社がそうさせたのです。会社からワクチン接種をしなければならないと言われました。政府が僕たちにこういったことをさせるのはよくないことだ。ワクチンを接種するか否かは任意であるはずであるにも関わらず、これは任意的義務だ。これは正しいことではない。ワクチンを接種するかしないかを人々が自由に選択できるようにしなければならない。

更にこれだけではない。モスクワでは、従業員がワクチン接種を求められた場合、接種しなければならず、万が一拒否した場合は、職を失う可能性があるという。また、職場内でワクチン接種率が定められたターゲットに届かない場合、雇用主は罰金刑に処されたり、最大90日間の業務停止命令が下されることになっているそうだ。


こういったことからも、ロシアでは多くの人々が不正に偽造された「ワクチン接種証明書」を購入しているという。またロシアでは、ワクチンに関する情報が一般的にあまり知られていないため、接種を受けたくない人も多いと報道されている。

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