ローマ近郊にあるイタリアの都市・ラツィオ州ヴィテルボのヴァレンターノ市とラテラ市の境界にあるメッツァーノ湖のほとりで大規模な違法レイヴが開催されたが、そこでは様々な事件が起こり、まるで地獄のような光景だったと報道されている。

この違法レイヴにはイタリアだけではなく、ヨーロッパ中から一万人以上の若者を中心とする参加者が集まり、メッツァーナ湖のほとりには、何千ものキャンピングカーやキャラバン、車、テントの巨大な集合体が出来上がっていたとのことだ。

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なお、この違法レイヴが開催された農地は、会場近くのグロッテディカストロ市のピエロ・カミリ市長が所有する農地で、彼は違法レイヴ参加者たちによって自身の農地にゴミが捨てられ、羊が殺され、ドラッグの注射器が地面に散乱するといった状況に激怒していたとのことだ。

違法レイヴ主催者は当初「イベントは8月13日〜23日までの11日間に渡って開催される」と宣言しており、6つのステージが設けられていたとのことだが、警察の介入により6日に解体された。

ラツィオ州の保険評議員・アレッシオ・ダマトはこの違法レイヴについて「状況は制御不能であり、交渉は不可能だが、治安を回復し、人々を特定し、そのような集会の責任を明確にする必要がある」と述べていた。

警察は当初、レイヴを解体するのに苦労していたようだが、6日目にしてついにレイヴの解体に成功し、その後、レイヴ参加者のうち2,000人が特定されたという。

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レイヴ参加者の一人は、この違法レイヴについて以下のようにメディアに語ったという。

「そのレイヴはまるで小さな町のようだった。ピザ屋、ネックレス屋など、あらゆる種類のバーやサービスがあり、一人は雑草のピザを作っていた。自分もタロット占いをしてもらった」

しかし、その一方でとにかく数え切れないほどの様々な事件についても報道されている。数が多すぎるため、箇条書きにして下に書き出してみた。

・イギリス国籍でイタリア在住の24歳の男性が行方不明となり、メッツァーノ湖で死体となって浮いているのが発見された。

・性的暴行が多発

・急性アルコール中毒で2名の男性が昏睡状態になり入院、複数が入院、一人が死亡

・参加者が新型コロナウイルス感染で入院

・地面にはドラッグの注射器が散乱

・違法レイヴ会場として勝手に使用された農地の羊が殺される

・会場の農地にゴミが散乱

・違法レイヴ参加者の飼い主に見捨てられ、盲導犬が飢餓と熱中症で死亡

・違法レイヴに参加していた女性が出産

また、環境グループ Fare Verde の地域会長である シルヴァーノ・オルミは、地元の動植物や環境に対する懸念を発表。

「何日も開催されている違法なレイヴ・パーティーは、環境と農業に深刻な被害をもたらしている。6つのステージ、いくつもの移動式キッチンや何千ものキャンピングカー、キャラバンがある。更に大音量の音楽と大勢の人、大量の車が湖の近くの生態系を乱し、深刻な問題を引き起こしている」

最終的に警察の介入により違法レイヴが解散された後、当局による大規模な清掃が行われているとのことだ。

なお、イタリアの政治家であるジョルジャ・メローニは、「6日後(にやっとレイヴが解体できた)、死んだ少年、経済的・環境的な損害、健康リスク、レイヴパーティーはメッツァーノ湖で終わったが、国家は国の不名誉を防ぐために何もしなかった」と語っている。