新型コロナウイルスの蔓延により、世界中でクラブイベントや音楽フェスティバルが開催しにくい状況となって、早や1年半が過ぎた。音楽業界では、コロナ禍での生き残りをかけて、リアルイベントからライブ配信へとシフトチェンジしてその活路を探ってきた。
DJ がストリーミングを通してクラブミュージック、ダンスミュージックをファンに届けることがレアケースではなくなってきているが、バンドやシンガーのライブ配信とは違い、差別化に苦労しているのも現実である。

そんな数多ある DJ ストリーミングの中で、これまでにない新たな形に取り組んできたのが、2013年に「Red Bull Music 3Style」に初出場して史上最年少かつ開催国外 DJ 初、アジア人としても初となる世界制覇を成し遂げた SHINTARO だ。


SHINTARO は、自身がプロデューサーを務める DJ×Visual をコンセプトに、アーティストやクリエイターの感覚を全面的に打ち出した実験的コンテンツ「plug」を、電子チケット制有料ライブ配信イベントのパイオニアである「ZAIKO」のサブスクリプション型プレミアム会員サービス「ZAIKO PREMIUM」にて月2回ペースで配信中。

この「plug」は、様々な点におけるこだわり、ストリーミングだけにとどまらず未来を見据えた秘策が多数盛り込まれた画期的な DJ コンテンツで、それが実現できたのは「ZAIKO PREMIUM」だからこそ、という理由があった。
 

今回のインタビューでは、「plug」の制作秘話や、世界トップレベルの DJ だからこその「DJ ストリーミング」に対する考えなどを、STAFFも交え、前編・後編に分けて掘り下げていく。

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スタートは2018年。あの時から約3年の時を経て、"繋がった" 「plug」というコンテンツ

iFLYER:「plug」は、SHINTARO さんによる企画とのことですが、スタートの経緯をお聞かせください。

SHINTARO:「実は「Red Bull Music Festival Tokyo 2018」での「plug」がスタートのきっかけです。当時は表側も裏側も含めた1つの24時間の配信コンテンツとして表現しました。一晩を通して「plug」という企画をきっかけに何か生み出せないか、このメンバーだったら何か面白いものができるんじゃないか、と思ったんです。

「plug」には人と人との繋がりや何かと何かを繋いでいくという意味を込めています。カルチャーを生み出すには人脈という繋がりが必要だったり、音を出す為に機材への接続。"接続" することの重要性を感じていたので「plug」という名前になりました。

2018年の「plug」に参加してくれたアーティスト達から、開催後に「また皆でやりましょう」と言われたことがずっと頭に残っていて、「plug」を復活させ継続的な活動にしたいと思っていたところに、最高のタイミングでZAIKO からオファーいただいたので2021年の7月に復活したというストーリーがあります。2018年の「plug」が “0" で、2021年の「plug」が  "01" のイメージですかね。

「plug」STAFF:僕がZAIKO PREMIUM のコンテンツミーティングに参加させていただいていて、DJコンテンツが議題に挙がり、ちょうどその頃、別でSHINTARO とも映像企画を考えているタイミングだったんです。SHINTARO も過去に配信コンテンツへの出演経験があり、配信に対する彼の想いを聞いた時に SHINTARO に企画立案から一緒に出来ないか?とオファーしました。ZAIKO の求める DJ コンテンツに対して、SHINTAROの「plug」を提案させていただいた感じです。過去の「plug」をアップデートして、ZAIKO PREMIUM 限定コンテンツとして再スタートする事になりました。

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世界制覇した視点で考えた "DJ 配信コンテンツのあり方" を「plug」で実現

SHINTARO:2018年は「Red Bull Music Festival Tokyo 2018」のフォーマットで、バックヤードだったり、カルチャー全体を通しての24時間というコンセプトで配信しました。今回は ZAIKO PREMIUM でのコンテンツという事で純粋に "DJ" に "ロケーションやビジュアル" を乗せるというコンセプトにしました。
コロナ禍で、DJ の配信が増えたじゃないですか。自分もこれまでに様々な配信をチェックした中で思ったのが、スタジオからの配信が多い事です。自分もオファーを受けたりしますが、スタジオからの配信では雰囲気が重要だったり、自分のスタイルを表現しづらい環境だと感じたんです。


iFLYER:それはなぜですか?

SHINTARO:定点で止まっていて視覚的にスローですよね。やっぱり空間と環境と DJ の出音が一致していないと、DJ 本人の頭の中にあるイメージや本質的な部分が伝わりづらい。実際に映像を視聴した時に物足りなさを感じたり、うまく表現出来ていないのではないか?と感じることがありました。2D の映像なので難しい部分はありますが、可能な限りアーティストが希望する場所や演出に関する意向を採用することで、より音とリンクさせられると考えます。そのような持論から「plug」の撮影では​「自然な流れ」というのを大事にしていて、アーティストに対して「自分をどのような場所で表現したいか」というのをまず聞いています。それがイメージ出来ているアーティスト、「plug」を信頼していただいた上で『お任せ』とおっしゃってくださるアーティストが混在しますが、あくまでも音楽を軸にして音を映えさせるためのロケーションやビジュアルをどう演出していくか、というのを一番大事にしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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「plug」STAFF:SHINATRO と打ち合わせをしている際に、数万人規模のフェスティバルへの出演経験と配信コンテンツへの出演経験もある DJ として、『DJ プレイは空間をコントロールする要素があると思うけど、配信だとそれがなかなかできないんですよね』と言っていたのがずっと頭に残っていて。一概には言えないですが、ドローンで撮影したり、映像美を表現する DJ の映像作品もある中で「この映像構成だと DJ が必要かな?」という疑問が SHINTARO と同意見で。「plug」は "DJ×Visual" がコンセプトなので、ロケーション・プロジェクションマッピング・AR などの映像演出を駆使しつつも、映像美に頼り過ぎないようにという考えに辿り着きました。

iFLYER:あくまでもメインは DJ のプレイで、それを盛り上げるものとしてのビジュアル、ということですよね?

「plug」STAFF:「plug」他の映像作品よりも DJ にフォーカスする割合が多いと自負しています。撮影の環境・演出的に DJ が見えづらいもするときもありますが、出演いただいたDJ にも納得してもらっています。

 

SHINTARO が考える、"DJ 配信にフィットする DJ" とは?

iFLYER:SHINTARO さんを始めとする出演 DJ の皆さんは、ジャンルやバックグラウンドがそれぞれ違いますが、どういった基準で起用されているのでしょうか? 

SHINTARO:単純に自分が「DJ が素晴らしい」と思った、個性的な DJ です。やはり映像のコンテンツなので、目の前が無観客状態で「何が面白いのか」と考えた時に、自分の個性・音・持ち味というものをしっかりと表現出来る DJ をブッキングしています。

「plug」STAFF:DJが企画立案から行なっているをライブ配信や映像作品は、僕が知る限り国内だと少なくて。裏方的な立場の方が、DJ にオファーして出演するコンテンツがほぼその割合を占めると感じています。「plug」では、第一回目で SHINTARO は出演していますが、その後は彼がアーティストにオファー、ケアを担当し、我々がサポートしています。現場でカメラ位置や細かな見え方も SHINTARO がアーティストと相談しながらの映像撮影に臨み、バイブスをキープしてくれているので現場の空気感めちゃくちゃ良いです。

SHINTARO:あくまでも "DJ"  を基準に選んでいます。いくら曲がカッコ良くてプロデュースワークが凄かったとしても、DJ として面白いと感じなければ逆にオファーしない。MoEちゃん(MoEPiKA/第2回目の配信で登場)は、アパレルブランドのブランディングや PR がメインの活動だけど実はDJ が凄く良くて。ファッションと DJ の双方の表現がリンクしていたので、映像作品として残したら面白いと思ってオファーしました。

 

高音質プラグイン・リアルイベント再開の際にチケット販売可能……SHINTARO が "ZAIKO PREMIUM" がベストと感じた大きな理由

iFLYER:「plug」は ZAIKO オリジナル作品第一弾ですが、配信プラットフォームとして ZAIKO プレミアムだからできたこと、良かったことはありますか? また、今回、配信プラットフォームとして ZAIKO プレミアムを選んだ理由は?


SHINTARO:ZAIKO PREMIUMの「+HD Audio」という、視聴者に高音質で音を届けられる機能に魅力を感じています。画面付きのデバイスで音を届けるのが主流となっていますが、相当な時間を労力で楽曲を制作する音楽プロデューサーや膨大な楽曲の中から選曲するDJ、例えばオーケストラで演奏したとしても、スマートフォンの画面で視聴...。ビジュアルに傾倒し過ぎて音楽自体がそれで軽薄化している事に危惧していて、音楽産業自体がそれで衰退しないか...解決策が見出せないままこの状況が続くかもしれないけど、現状の良い音届けられるようなイベントや体験を作るのが難しいじゃないですか。


そんな中で「出来る限り良い音で届けたい」という際に、+HD Audio は本質的だなと感じて。例えば、命がけでマグロの一本釣りに行った人は、きっと釣ったマグロをめちゃくちゃ新鮮な状態で食べさせたい。素材をいかにダイレクトに届けるか、本質をいかにそのまま届けるのか、というのが今後重要だと思います。
ケーブルに関しては、オヤイデ電気 さんからワイヤリングサポートしていただいています。現場でのハイクオリティーなサウンド・最高音質での録音を行い最大限の環境で撮影に臨んでいます。更に録音データはマスタリングをして視聴者に届ける。現代の様々な視聴環境でやっぱり「音楽って良いな」って思ってもらわないと。良い映像でもガサガサな音質で届いたら本末転倒なので。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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iFLYER:私も映像を拝見した際に、やはり音の良さは感じましたが、DJ という音に人一倍こだわる職業の SHINTARO さんから見て、ZAIKO の +HD Audio というのは、他の配信プラットフォームと比較していかがでしょうか?

SHINTARO:それは実際に ZAIKO PREMIUM 上で視聴したほうが良いですよね、まずは(笑)。

「plug」STAFF:人それぞれ音の好みにもよるとは思いますが、他の配信プラットフォームと聴き比べたときに、高音が結構クリアに出ていると思いますね。

SHINTARO:そうですね。Lo-Fi な楽曲をプレイする DJ よりも Hi-Fi が強い DJ を多くブッキングしているのですが、Hi-Fi には凄く良いフォーマットなんじゃないかなと思います。高音域・中音域がはっきり出るというのは、とてもありがたいです。

「plug」STAFF:2021年は無観客で撮影した映像を届ける最善の策として ZAIKO PREMIUM の +HD Audio で届けてきましたが、今週末に不眠遊戯ライオン で plug の有観客のイベントを開催しもちろん撮影も行います。
2022年は plug として月に1回リアルイベント開催予定です。ZAIKO はチケットプラットフォームでもあるので、チケットシステムとすぐ紐付けられる。約半年オンラインのみで継続して映像を配信してきましたが、それが来年からはハイブリッド型のコンテンツに変化する。これは ZAIKO だから出来た事です。

SHINTARO:どんな DJ が「plug」に出演しているのか映像を視聴してくれたら一発で分かるので。「plug」がリアルイベントと繋ぐ良いきっかけになれば本望です。


「plug」STAFF:今後は ZAIKO PREMIUM の会員限定のイベントや、ZAIKO PREMIUM 会員だと「plug」のチケットがディスカウント、ZAIKO の新機能 NFT サブスク型ファンプラットフォームなどを企画しています。

SHINTARO:ZAIKO PREMIUM の​ +HD Audio が384 kbps という音質にこだわっている、というのが日本人的感覚ですよね。ZAIKO は日本の企業だし、例えば寿司も作り方のこだわりに日本人のフィロソフィー入っているじゃないですか。

iFLYER:SHINTARO さんは、音楽をプレイし繋ぎ合わせてフロアに高揚感をもたらす、フロアの空気を作り上げていく DJ という "職業" にとって、最も大切なものは何だと思いますか? また "DJ のプレイ動画の配信" というのは、実際の CLUB や FESTIVAL でお客さんを前にしてプレイするのとはだいぶ違うと思いますが、配信だからこそ注意している点や難しい部分はありますか?

SHINTARO:自分にとっては、生活の中で「睡眠」と「水泳」を大事にしています。

iFLYER:それは、体力的な部分が大事、という意味ですか?

SHINTARO:自分にとっては、判断力にも繋がるので、いかに迅速に判断可能な状態にしておくか、という部分で「睡眠」と「水泳」を欠かさないという事ですで。人によって方法は様々だと思います。それ以外の部分では、シチュエーションだったり、楽曲をプッシュしたい DJ、自分のブランディングをしたい DJ、パーティーをロックしたい DJ と様々な DJ がいるので……。

iFLYER: 判断力がその場その場で大事であるということですよね? その判断力のために、睡眠や水泳をして体力をつけたりというのも必要になる、というか。

SHINTARO:はい、それは全 DJ に対して言えるかなと思います。自分も準備しておいて DJ したり、逆にフリースタイルで現場に合わせて DJ したりと、2種類のプレイスタイルがあって、どちらにしても判断力というのは大事です。でも、判断力って地味ですかね?

iFLYER:いや、世界王者だからこその発言、という気がします(笑)。

「plug」STAFF:SHINTARO とは普段から良く話すんですが、『自分を整えて、正常な状態で判断できるようにしておきたい』というのはよく口にしています。

SHINTARO:確かに。もう一歩手前の話だと、まず自分というオリジナリティがあるというのはもちろん重要ですが、反対側の角度から見た時に、もう一つ重要なのは「その DJ を見たくて、チケットを購入するのか」「その DJ を見に足を運ぶのかどうか」​という点です。

例えば、グルーヴ、スキル、ステージング……と、DJ の良さを細分化するポイントは様々ですが、感覚的な部分で「もう一回見たい!」ってなるのが間違いない感覚だと思うんですよ。「もう一回、その DJ を見たくなるのかどうか」というのを逆から考えた方が良い。

オリジナリティだけだと、ただの自己満足になってしまう。オリジナリティの真逆の視点から考えて「もう一回見たい」となるということは「その DJ がエンターテイメントとして成立している」ということになる。DJ がエンターテイメントとして成立するためには何が必要かという点で、サプライズ・グルーヴ・ステージングなど、様々な手法がそれぞれの DJ に出てきます。自分はサプライズを結構大事にしています。

「plug」STAFF:配信の撮影現場にはお客様がいないのに、結構緊張している DJ が多いです。

iFLYER:それは記録として残るからですかね?

「plug」STAFF:いや、結構ミスできない雰囲気? があるからかもしれないです。

SHINTARO:あと DJ の目線の違いとして、配信にもスタイルは様々ですが基本的には無観客で全く違うフォーマットなので、僕は「自由な世界で純粋に自由に表現して欲しい」と出演するDJには伝えています。 DJ が表現したい事、伝えたい事を「plug」として切り取って発信していきたいと思います。
 

前編は「plug」のスタートから、SHINTARO  の「plug」という企画、そして DJ の視点等を掘り下げたインタビューとなったが、後編では「plug」撮影時のハプニングや裏話等、普段は見ることができないアーティストのリアルな声を掲載予定となっている。そちらも非常に興味深いインタビューとなっているので、後編も乞うご期待!

DJ×Visual をコンセプトに、アーティストやクリエイターの感覚を全面的に打ち出した実験的コンテンツ「plug」。日本全国の唯一無二なロケーションや、AR・プロジェクションマッピングなどのバーチャル空間の中で高音質なプレイを披露する映像作品。

https://lit.link/plug

ONEFAN fron ZAIKO - NFT membership card
https://onefan.id/plug24

DJ×Visual
https://plug24.zaiko.io/group/plug

DJ MIX - Mixcloud
https://www.mixcloud.com/plug24/ 




更に「plug」が配信される「ZAIKO」のサブスクリプション型プレミアム会員コンテンツ「ZAIKO プレミアム」に入会すると、他にも様々なジャンルの過去に配信されたライブや、ZAIKO オリジナルのコンテンツなどが毎月追加されるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスが見放題、追加料金なしで最大384kbpsの最高音質でライブイベントが視聴可能、購入したライブを通常よりも長くライブ配信を視聴することができるアーカイブ期間付きチケット「+Archive」の購入が可能、Z ポイントを使ってお得にチケットを購入など、魅力的な特典が盛りだくさん!

この機会にぜひ入会して、あなたの音楽ライフを更に充実させよう!!

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SHINTARO


「Red Bull Thre3Style」2013年世界チャンピオン。2015年から楽曲制作を開始し、BBHMM (Shintaro & YGSP Remix)は YouTube500 万回再生を超える。Rockin It(Shintaro Remix)は Coachella 2016 にて Baauer によってプレイされた。Mad Decent、Trekkie Trax からも楽曲リリースしている。

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