今やウクライナ国家を率いてロシア軍の侵攻に徹底抗戦中のゼレンスキー大統領が、大統領となる前にコメディ俳優だったという過去は周知の事実だが、コメディ俳優だった当時にゼレンスキー大統領が主演した政治風刺ドラマ「Servant of the People(国民のしもべ)」が、米 Netflix にて再配信されている。
日本の Netflix ではまだ放送は未定のようだが、ぜひとも期待したいところだ。
 

このドラマのストーリーは、ゼレンスキーが演じる主役の高校教師が、とあるアクシデントに見舞われて大統領になってしまうというもの。ウクライナ国内にて2015年より放送されていた人気ドラマだったとのことだ。このドラマは、シーズン3まで放送され、その後2016年には映画版も制作された。


この「Servant of the People」は、ゼレンスキー大統領が政治家になるきっかけとなった作品でもあるとのことで、大統領選4ヶ月前に、なんとドラマ内に登場した政党と同じネーミングの新政党の代表として大統領選に出馬、翌年の選挙でウクライナ大統領に就任している。

コメディ俳優で大統領を演じ、その後本物の大統領になってしまうという、なんとも数奇な運命を辿っているゼレンスキー大統領。何万人もの人々が戦い、亡くなったり大怪我をしたり、戦闘によって街がめちゃくちゃに破壊されたりしている様子をニュースで見た後に、上のドラマのトレイラー映像を見ると、頭がバグりそうになるのは筆者だけだろうか……。


そもそも、推定される死亡者数が既に1万5千人にものぼり、わけがわからないまま戦場で人殺しに加担させられるロシアの軍人たち、そしてロシア軍による砲撃に容赦無く巻き込まれて死んでいくウクライナの民間人と、容赦のない過酷な現実が進行している一方で、メディアを使いこなして士気を上げ世界を味方につけようとするゼレンスキー大統領、アノニマスの暗躍、ロシアの英国へのイタ電のような諜報活動の電話、イーロン・マスクのスターリンクやプーチンへの挑発、ゼレンスキー大統領が降伏を呼びかけるディープフェイク動画……と、コメディSF映画のようなニュースが連日報道されている時点で、何かが狂っているようにしか思えないウクライナ戦争。1日も早くウクライナ(そしてロシアも)が平穏な日々を取り戻せるよう、今は募金でもして祈るしかない。

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