音楽フェスティバルやライブショーでは、膨大な電力が使用されていることは説明するまでもないが、その影にはそれに比例する二酸化炭素排出量問題がついて回る。つまり、一般的に音楽フェスティバルやライブは環境に悪いものであり、温室効果ガス汚染で気候変動を更に加速させるものとして問題視されている。

先日開催された、アメリカ・シカゴのビッグフェス「ロラパルーザ」にヘッドライナー出演した Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)は、セットの一部を太陽光発電を利用した "ゼロエミッション・バッテリー・システム" で駆動させるという画期的なパフォーマンスを披露し、注目を集めた。
このパフォーマンスは、環境保護非営利団体 REVERB と共同で設立した先見的なイニシアチブ Music Decarbonization Project によるもので "温室効果ガス汚染と戦い、化石燃料からの脱却を推進するクリーンエネルギー技術を紹介することで、音楽業界に革命を起こす" ことを目的としたものとなる。
"ゼロエミッション・バッテリー・システム" とは、Overdrive Energy Solutions が提供・管理するもので、敷地内に臨時に設置された "ソーラーファーム" を使用して充電されたものだ。
 
Billie Eilish は、持続可能な活動をヘッドラインパフォーマンスに取り入れることにより、アーティストが前向きな変化を先導し、世界中の観客に気候変動に優しい選択を受け入れるよう影響を与えることができるという明確なメッセージを発信し、環境の持続可能性と芸術的才能が両立できることを証明した。

REVERBの共同設立者であり共同エグゼクティブ・ディレクターのアダム・ガードナーは、Billie Eilish の環境に配慮したセットが音楽業界にとって変革の主観となることへの期待を表明、「今ここに、気候変動に対する真の解決策がある」とし、気候変動危機の緊急性と早急な行動の必要性を強調した。