米司法省が、30人の州・地方司法長官と共に、Live Nation Entertainment(ライブ・ネイション・エンターテインメント)とその子会社である Ticketmaster(チケットマスター)に対して連邦訴訟を起こし、両者がライブイベント業界で独占的行為を行なっているとして告訴した。

この訴訟は、コンサート・チケット市場におけるライブ・ネイションとチケットマスターの支配力に対する長年の懸念に対処する上で重要な一歩となる。
ニューヨーク州南部地区に提出された訴状では、ライブ・ネイションが市場支配力を利用して競争を阻害し、その結果、チケット価格が高騰し、消費者の選択肢が限られていると主張している。

司法省は、同社の戦術が不公平な市場環境を助長し、音楽ファン、アーティスト、小規模プロモーターに損害を与えたと主張している。

メリック・ガーランド司法長官は、これについて以下のように述べている。

その結果、ファンはより多くの料金を払い、アーティストはコンサートを行う機会が減り、小規模なプロモーターは締め出され、会場はチケット販売サービスの実質的な選択肢が少なくなる。

ライブ・ネイションを解散する時が来た。

我々がここにいるのは、チケットマスターの行為が不都合やイラつくからではない……違法だからここにいるのだ。

この訴訟に対し、ライブ・ネイションの企業/規制担当・代表取締役副社長である Dan Wall 氏は、以下ように主張している。

制作費の高騰からアーティストの人気、24時間年中無休のオンライン・チケットのダフ屋行為まで、実際にチケット価格高騰の原因となっている全てを無視している。

Dan Wall 氏はまた、ライブ・ネイションの純利益は独占力を反映していないと指摘、そのような主張は「馬鹿げている」とブログへの投稿内で痛烈にコメントした。

独占企業の決定的な特徴は、独占価格設定から得られる独占利益だ。ライブ・ネイションは決してその特徴に適合しない。

チケットマスターのサービス料金は、SeatGeek、AXS、または他の主要なチケット販売サイトよりも高くはなく、多くの場合、安くなる。実際、チケットマスターが SeatGeek に会場を失うと、サービス料金は通常大幅に値上がりする。また、スポンサーシップを考慮しても、チケット価格を抑えるのに役立つ広告事業を行なっているにもかかわらず、ライブ・ネイション全体の純利益率は、収益性の高いS&P 500企業の中で最も低い水準にある。

訴訟のニュースを受けて、ライブ・ネイションの株価は5%下落したとのことだ。