オーストラリア・ニューサウスウェールズ州が、同州開催の音楽フェスティバルにて、少量のサンプルを医療専門家に検査してもらい、ドラッグの強度、純度、効能を検査してもらうことができる無料サービスを12ヶ月間に渡って試験的に実施することを発表したと、ガーディアン紙が報じている。

それによると、先月州政府に承認されたこの試験的プログラムは、完全に匿名で無料のサービスとなり、ニューサウスウェールズ州にて2025年いっぱい実施される予定。政府に対し、危害軽減のアドバイスに耳を傾け、"有害な" 薬物取り締まりの慣行をやめるよう求める医療専門家による10年以上に渡る要請を受け、実施されるものであるとのことだ。

ニューサウスウェールズ州のクリス・ミンズ州首相は、以下のように述べている。

音楽フェスティバルで自分の子どもに何かが起こり、救急外来やそれ以上の事態に陥ったという知らせを聞きたい親はいあい。
この試験には、明確な目的がある。危害を軽減し、命を救うことだ。

ニューサウスウェールズ州の薬物検査の試みは、オーストラリアの夏のフェスティバルシーズンのピークを迎え、2022年にプログラムを開始したキャンベラや、2024年3月に2つの常設検査クリニックを立ち上げた最初の州となったクイーンズランド州など、薬物検査サービスを導入した他のオーストラリラの州に続くものとなる。

2023年10月、シドニー開催の音楽フェス「Knockout Outdoor festival」に参加した二人の若い男性が、フェス参加後に死亡、薬物の過剰摂取と見られている。当時、ミネソタ州政府は、ニューサウスウェールズ州で州が支援する薬物検査を導入するという新たな要請を拒否していた。

オーストラリアのビクトリア州でも、昨年の「Pitch Music & Arts Festival」で薬物の過剰摂取の疑いで23歳の男性が死亡したことを受け、地元当局が管轄区域内での薬物検査の規制を求めている。同フェスティバルの2024年開催版は、猛暑のため開催期間が短縮された。

ニューサウスウェールズ州の錠剤検査の試みは、今週末、大人気の大晦日フェスティバル「Beyond The Valley」で正式にスタートした。