イギリスの人気バンド Coldplay（コールドプレイ）に対する批判が絶えない中、シンガーソングライターの James Blake（ジェームス・ブレイク）が「もはや無意味な批判はやめるべきだ」と声を上げた。

この発言は、James Blake がイギリス BBC Sounds のポッドキャスト『Sidetracked with Annie and Nick』に出演した際に飛び出したもの。同番組で司会のNick Grimshaw（ニック・グリムショー）と Annie Macmanus（アニー・マクマナス）と共に、「クールとは何か？」というテーマについて議論する中でのことだった。

話題の発端となったのは、Brit Awards 2025（ブリット・アワード2025）の司会を務めたイングランドの俳優/コメディアン Jack Whitehall（ジャック・ホワイトホール）の発言。彼が Coldplay を「パブリックスクール出身の Nickelback（ニッケルバック）」と揶揄したことが議論を呼んでいた。
カナダのロックバンドである Nickelback は人気バンドである一方、一部の音楽ファンから "カウンターカルチャーの精神を忘れ、大衆に迎合したくだらない曲ばかりを作っている" と冷笑され、「商業ロック」「量産型」「安っぽい」等、散々な評価を受けている一面を持つ。そんな Nickelback を引き合いに出すことで、 Jack Whitehall は Coldplay をバカにしたのだ。
 
だが、James Blake はこの風潮に強く異議を唱え、次のようにコメントした。

コールドプレイ叩きはもうやめるべきだ。 もはやクールじゃない！『コールドプレイはダサい』なんて言うのはもう古い。いい加減にしろよ。彼らの楽曲には素晴らしいものがたくさんあるし、ボーカルの Chris Martin（クリス・マーティン）は明らかにメロディの天才だ。

さらに、Coldplay の音楽性やスタイルの変化に対しても、批判されるべきではないと語った。

最近のアルバムの音が気に入らない？ それは個人の好みだから仕方ない。でも、グラストンベリーのライブを観て感動したことはあるんじゃないか？ 彼らの服装が変わったからって何？ 俺たちはファッションを変えちゃいけないのか？ 音楽のジャンルを変えちゃいけないのか？ そんなのどうでもいいだろ！ この話題になると、つい熱くなっちゃうよ」

Coldplay や Nickelback のような人気バンドは、時に世間から厳しい目を向けられる。しかし、フロントマンの Chris Martin は、2024年の Rolling Stone誌のインタビューで、この状況を受け入れていると語っている。

昔は『こういう見た目にしたほうがいいんじゃないか？』『こう話したほうがいいんじゃないか？』と考えたこともあった。でも今は、ただ流れに身を任せている。それが一番自由な状態なんだ。

世間の批判がある一方で、Coldplay の成功はそれとは対照的だ。2024年1月には、インドでのデビュー公演で21世紀最大のスタジアム公演記録を樹立。グジャラート州アーメダバードのナレンドラ・モディ・スタジアムで、2日間で合計22万3000人以上を動員した。
さらに、2023年12月の時点で、「Music of the Spheres World Tour」のほぼ全ての公演で10万枚以上のチケットを完売。ツアー総売上は11億4000万ドル（約1700億円）を超えている。
 
批判があろうとも、Coldplay の音楽が世界中の多くの人々に愛されていることは、動員数と売上が証明している。