アメリカの大手テック企業 Amazon(アマゾン)が人気 SNSアプリ TikTok(ティックトック)の買収に名乗りを上げた可能性があることが、米 NBC ニュースの報道により明らかとなった。
事情に詳しい関係者によれば、Amazon はホワイトハウス主導による「非中国系買収者」探しの過程で、締め切り直前に TikTok 買収の意向を示す書簡を提出したという。
この書簡は、米紙 New York Times によっても報じられており、送付先は副大統領の J.D.Vance(J.D.ヴァンス)と商務長官の Howard Lutnick(ハワード・ルトニック)。TikTok が全米で使用禁止になるのを回避するための期限を目前に控えたタイミングで提出されたことから、専門家の間では「本気度に疑問あり」との見方も出ている。
なお、Amazon の広報はこの件に関してコメントを拒否しており、創業者 Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)の代理人からも現時点では返答がない。
TikTok の将来を左右する動きとして注目されているのが、ドナルド・トランプ大統領による今後の対応だ。前バイデン大統領政権下では、TikTok の親会社である中国のバイトダンスに対し「非中国系の企業に売却するか、さもなくば全米での利用を禁止する」という法律が成立。しかし未だに買収合意に至っていないことから、トランプ大統領は就任初日に大統領令を発令し、4月5日までの猶予を設けた。

現時点でバイトダンス側は「TikTok を売却する計画はない」としており、買収交渉の有無も正式には認めていない。
4月最初の週には副大統領の J.D.Vance、商務長官の Howard Lutnick、政権幹部とトランプ大統領による会合にて、今後の方向性が議論され、当初1月に発効する予定だった TikTok の使用禁止措置の執行の延期が、当初予定されていた4月5日から、更に延期され6月19日へと変更された。
2度にわたり猶予され
9日、トランプ大統領は TikTok について「米国資産を分離する可能性のある取引は数日前に保留されたが、依然として "検討中" である」と述べており、大統領執務室で記者団に以下のように語った。
上院情報委員会のトム・コットン委員長は「多くの米国投資家が TikTok の買収を望んでいる」とコメントしつつも、一方で「中国とのあらゆる関係を断つ必要がある」と警告もしている。
Amazon 以外にも、複数の企業・投資家が TikTok 買収に関心を示している。アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイト Reddit(レディット)の共同創業者Alexis Ohania(アレクシス・オハニアン)は、大富豪の Frank McCourt(フランク・マッコート)とともに買収チームを結成。さらに AI 検索エンジンの新興企業「Perplexity AI」や、トランプ政権で財務長官を務めた Steve Mnuchin(スティーブン・ムニューシン)も、買収レースに加わっているとされる。
バイトダンスの米国投資家に近い関係者は、6月19日の期限を前に合意に向けた作業は継続しているものの、ホワイトハウスと中国政府がまず関税紛争を解決する必要があると述べている。
司法省は1月に Apple と Google に対し、法律を執行しない旨を伝え、これにより両社はアプリを復元して新規ダウンロードできるようにしている。
今後の交渉次第では、世界中でユーザーを持つ TikTok の運営権が大きく動く可能性がある。規制、国家安全保障、テック業界の勢力図――そのすべてを巻き込んだ巨大買収劇の行方が注目されている。
事情に詳しい関係者によれば、Amazon はホワイトハウス主導による「非中国系買収者」探しの過程で、締め切り直前に TikTok 買収の意向を示す書簡を提出したという。
この書簡は、米紙 New York Times によっても報じられており、送付先は副大統領の J.D.Vance(J.D.ヴァンス)と商務長官の Howard Lutnick(ハワード・ルトニック)。TikTok が全米で使用禁止になるのを回避するための期限を目前に控えたタイミングで提出されたことから、専門家の間では「本気度に疑問あり」との見方も出ている。
なお、Amazon の広報はこの件に関してコメントを拒否しており、創業者 Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)の代理人からも現時点では返答がない。
TikTok の将来を左右する動きとして注目されているのが、ドナルド・トランプ大統領による今後の対応だ。前バイデン大統領政権下では、TikTok の親会社である中国のバイトダンスに対し「非中国系の企業に売却するか、さもなくば全米での利用を禁止する」という法律が成立。しかし未だに買収合意に至っていないことから、トランプ大統領は就任初日に大統領令を発令し、4月5日までの猶予を設けた。

現時点でバイトダンス側は「TikTok を売却する計画はない」としており、買収交渉の有無も正式には認めていない。
4月最初の週には副大統領の J.D.Vance、商務長官の Howard Lutnick、政権幹部とトランプ大統領による会合にて、今後の方向性が議論され、当初1月に発効する予定だった TikTok の使用禁止措置の執行の延期が、当初予定されていた4月5日から、更に延期され6月19日へと変更された。
2度にわたり猶予され
9日、トランプ大統領は TikTok について「米国資産を分離する可能性のある取引は数日前に保留されたが、依然として "検討中" である」と述べており、大統領執務室で記者団に以下のように語った。
しかし、トランプ氏の発言に対して複数の米国上院議員がこの合意案を批判。民主党のマーク・ワーナー上院議員とエド・マーキー上院議員は「トランプ大統領には期限を延長する法的権限はない」と述べており、更にワーナー議員は「現在検討されていると報じられている合意案は法的要件を満たしていない」とも述べている。マーキー氏は、期限を10月まで延長する法案の可決を求めたが、阻止された。我々は非常に優秀な人々、そして非常に裕福な企業と合意しており、彼らはこの合意で素晴らしい成果を上げてくれるだろう。しかし、中国との関係については、今後どうなるかを見守る必要がある。
それは確かに検討対象だ。
上院情報委員会のトム・コットン委員長は「多くの米国投資家が TikTok の買収を望んでいる」とコメントしつつも、一方で「中国とのあらゆる関係を断つ必要がある」と警告もしている。
TikTok これに対してコメントしていない。これらの潜在的な買い手は、議会に対し、法律違反に対する免責、あるいは TikTok が過去にアメリカ国民に対して犯した犯罪や損害に対する免責を何らかの形で求めるかもしれない。
中途半端な TikTok の取引に投資したいアメリカ人にとって、議会は決して共産主義中国とのビジネスからあなたを守ってはくれないだろう。
Amazon 以外にも、複数の企業・投資家が TikTok 買収に関心を示している。アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイト Reddit(レディット)の共同創業者Alexis Ohania(アレクシス・オハニアン)は、大富豪の Frank McCourt(フランク・マッコート)とともに買収チームを結成。さらに AI 検索エンジンの新興企業「Perplexity AI」や、トランプ政権で財務長官を務めた Steve Mnuchin(スティーブン・ムニューシン)も、買収レースに加わっているとされる。
バイトダンスの米国投資家に近い関係者は、6月19日の期限を前に合意に向けた作業は継続しているものの、ホワイトハウスと中国政府がまず関税紛争を解決する必要があると述べている。
司法省は1月に Apple と Google に対し、法律を執行しない旨を伝え、これにより両社はアプリを復元して新規ダウンロードできるようにしている。
今後の交渉次第では、世界中でユーザーを持つ TikTok の運営権が大きく動く可能性がある。規制、国家安全保障、テック業界の勢力図――そのすべてを巻き込んだ巨大買収劇の行方が注目されている。