Craig Richardsなくして、あのロンドンのスーパークラブ「FABRIC」を語ることはできない。UK/EUそして世界のクラブシーンの象徴とも言えるFABRICのオープニングから約10年間、土曜のメインルーム・レジデントに君臨し続けるクレイグが今日の”ファブリック・ブランド”を構築したといっても過言ではないだろう。
'99年にオープンしたFABRICは、3つの巨大なスペースに、巧みに組み合わされたモダンなデザイン、ベース・スピーカーをフロアにはめ込んだヨーロッパ初の"Bodysonic"ダンスフロアや5つのサウンドシステムを兼ね備え、ロンドンのユース・カルチャーのシンボル的存在から一気に世界で最も魅力的でポピュラーなクラブになった。その結果、オープン1年目にしてMuzik Magazineから"Best Club in UK"に選出され、ロンドンで市から初めて24時間のパーティー・ライセンスを与えられる。クレイグはそのオープニングから毎週土曜の"fabric"を取り仕切るMusical Director兼Resident DJであり、コンセプトの設定からブッキング、先鋭的なアプローチを取り入れたプログラミングまでの全てを手掛けている。また、クレイグのユニークで妥協を知らないサウンドはFABRICにアイデンティティを与え続け、彼の、二度として同じであることがない挑戦的な早朝のセットは、もはやロンドンの伝説だ。
制作面では、'97年に、旧友SASHA、Lee Burridgeと共に悪名高いテックハウス/ブレイクビーツ・ユニット"TYRANT"を結成し、ロンドンのTHE ENDとノッティンガムのTHE BOMBでレギュラーを持つようになり、同名のレーベルも主宰。Sieg Uber Die Sonne、Silicon Scally、Scsi-9、Swag、Soul Capsule、Transparent Soundなどの楽曲をリリースしている。最新の活動のひとつは、スタジオの天才、Howie Bとのコラボレーションである。'06年、二人は受賞作アニメーション「RABBIT」にサウンドトラックを提供、その後、音楽と詩とイラストのボックス・セットをリリースしている。絵画と詩のブックレットが同梱されたアルバムも近い将来、復活予定のHowie Bによる<Pussy Foot>レーベルからリリース予定だ。そして二人は"TRUE GRIT"名義でレコーディングをしている。また、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの元教員、David Blaymeyとも、長い友人としての期間を経て遂にコラボレートすることになった。共同で手がけるのは、ロイヤル・アカデミーで開催される"QUIET PLEASE"と、続けて、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催される"QUIET PLACE"...それは、アートとDJ体験の境界線を曖昧にする、別世界の音響コラボレーションだ。瞑想的で、鎮静的で、驚異的、、複数の折り重なるサウンドがオーディエンスを覚醒と睡眠に追い立てるであろう。他にも、<Clone Records>からクレイグ自身による"If I Cut My Heart Out"のエディット、そして<Motivbank>からは、Rui Da Silvaと共に10年以上前に作曲した"Be There"という曲が近くリリース予定である。
FABRICでのウィークリー・レジデンシーによりクレイグのDJツアーは非常に制限されている。今回の貴重なジャパンツアーで、Hypnotic House、Dark Disco、Electro、Minimal、Technoを縦断する彼のエクレクティックなプレイをぜひ体感して欲しい!!それはまさに、UKそして世界最先端の音を追求する「FABRIC」のシグネチャー・サウンドだから。