Dasha Rush 、本名 Dasha Ptitsyna Van Celst はロシア系フランス人の DJ / プロデューサー。
彼女はロシアで生まれモスクワで育ち、アンビエントからハードコアまで様々なエレクトロニック・ミュージックに感銘を受け14歳の時から DJ を開始した。1996年にヨーロッパへ移り、ファッション業界で働きつつ DJ 活動を行い、アーティストやダンサーと共に劇場や映画館などでサウンドインスタレーションを開くなどマルチで芸術的なコラボレーションを始める。
旅を好む Dasha Rush はパリやロンドン、東京を中心に過ごし、エレクトロニック・ミュージックの感情的で技術的な面を探求すると共に音楽とその他の芸術表現の融合を研究し、この時期にコンセプト『Hunger to Create』を発表し、音楽とアートの関係性を追究していく。
2004年の終わりにダンスミュージックとしてアプローチするレーベル Fullpanda ( http://www.fullpanda.com ) を設立し、彼女の最初のリリース "Shtirlitz" は様々な DJ のトップチャートに入り成功をおさめた。
ダンスミュージックのリズム、ベースライン、そして実験的な音響、ミニマルの空気を組み込んだクールなインダストリアル、それらを結合させ、2006年デビューアルバム "Forms ain't Formats" をリリース。このリリースは国際的な音楽誌、DJ 、プロデューサーなどに高く評価され世界各国で反響を得る。
近年の Dasha Rush は世界中の多くの開催地でのライヴや DJ による日々の公演から、レーベル運営、アーティストのプロデュースまで多忙な日々を送る。
彼女の実験が終わることはなく、2009年セカンドアルバム "I run iron i run ironic" を Hunger to Create records よりリリース。
リリースのプレゼンテーションは劇場の要素を組み込んだ特別なライヴコンサートとしてベルリンに在る小さな教会で行われた。この特異なリリースは各方面から評価され、ドイツの由緒あるクラブ・マガジン Bug magazine や Groove magazine などで絶賛された。
そして2010年1月、Traversable Wormhole としても知られる Adam X の伝説的レーベル Sonic Groove より "Sonic State" をリリース。ダークでフューチャリスティック、そしてインダストリアルな空気をもった3つのトラックは、可聴周波数以下のベースが精神と肉体に響く傑作であり、これからの10年を代表するテクノトラックとして、Resident Adviser でのレビューや Marcel Fengler 、Peter Van Hoesen らによって支持された。
2010年末、彼女は Lars Hemmerling との新プロジェクト LADA を始動させ、また Dasha Rush の名義でもEP "Unspoken" をリリース。アンダーグラウンド・ミュージックの流れに呼応し、より生々しく実験的なテクノ/エレクトロニック・サウンドへ昇華させた。伝統に縛られた表現形式を拒み、多様な形式での実験を良しとする、言わば20世紀初頭の芸術嗜好とも言える彼女のスタンスが見え隠れするトラックである。ディープでダーク、そして定義不可能な本作は、Cio D'Or 、Efdemin 、Obtane らのアーティストに支持されている。
現在、Dasha Rush は世界中でパフォーマンスを行っているが『Fullpanda』のスローガンから引用すると、Dasha Rush の音楽に対するスタンスを完璧に示すのにこれ以上の言葉は不要である。 "All you need is ears"
■ 公式ウェブサイト:http://www.dasharush.info/