メタリカ (Metallica) は、1981年にジェイムズ・ヘットフィールド (Vo/G) とラーズ・ウルリッヒ (Dr) らが中心になって結成された、アメリカ合衆国のロサンゼルス出身のヘヴィメタル・バンド(後に本拠地をサンフランシスコに移した)。初期はスレイヤー、アンスラックス、メガデスと共に「スラッシュメタル四天王」の一角と言われたが、その後グルーヴ・メタル、オルタナティヴ・ロックなどへの接近を経て、現在の立ち位置を確立。「問題作」の多さが取りざたされることも多いが、1990年代に全米アルバム総売り上げ4位を記録するなど、商業的な成功を得ている。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第61位。バンド名の由来ラーズの友人であるサンフランシスコ地区メタル・プロモーターのロン・クインターナが新しいメタル雑誌の名前を、ラテン語で「金属」を意味する『Metallica』にしようとした際、ラーズがすぐに別の名前『Metal Mania』を提案し、『Metallica』という名前は自分とジェイムズが始めたバンド名にすることを決めた。音楽性とその影響力スラッシュメタルというジャンルの先駆者としても知られ、1stアルバムではNWOBHMとモーターヘッドの両者の影響を存分に受けた、ラフで暴力的なスピードメタルであったが、2nd~4thアルバムでは叙情的なフレーズと冷徹なリフのコントラストを練られた構成の楽曲のなかで表現する、オーセンティックな美意識にも通ずるヘヴィメタルへと変化した。フレーズとリフともに古典的なハードロックの様式とは微妙に異なっており、いずれもジェイムズのプレイスタイルも含めて冷やかさを感じさせる。逆にカークのプレイはエモーショナルで、このような正反対のツイン・ギターの絡み合いがメタリカのサウンドを決定づけている。5thアルバムでは、スピードよりもグルーヴを重視した作風に変化し、当時のヘヴィメタルに留まらず、後のニューメタルやラウドロック等のロック・シーンに多大な影響を与えた。