古代ギリシャから伝わる「全体には部分の総和以上の構造が存在している」という言葉を耳にした人も多いだろう。
多くの近代文学に使われ続け、ウィリアム・シェークスピアの劇にもちりばめられている。
そして現代、Loadstar がこの格言を完璧に体現しているアーティストといえるであろう。
Gavin Harris と Nick Hill のデュオ、以前はドラムンベースのジャンルで、それぞれ Xample と Lomax の名前で知られていたが、お互いのスタイルを融合し新しいサウンドを創造し、ここ数年エレクトロミュージックのフロア、iPod や大型フェスティバルで想像を絶するエネルギーと比類ない音楽テクニックを吹き込み、予想を大きく上回る活躍をしている。
Loadstar の誕生は、ブリストル生まれの Gavin がリバプール大学で社会学を勉強していた時にさかのぼる。
彼自身認めるとおり、講義に出席しレポートを書くより作曲や曲のプロモーションをする方に時間を費やしていた頃、友人と地元の Holdtight でドラムンベースナイトイベントを主催したとき、Nick がその時偶然共演することとなったのだ。
これが最初の出会いだったが、その後 Gavin は大学からブリストルに戻ったところ、偶然同じように引っ越してきた Nick と再会するのだ。「そこから歴史が始まった」と二人は言う。
というより、二人それぞれが歴史を作りそれが融合されたと言うべきだろう。
Lomax としてリリースした Nick の曲はすべてすばらしく、Holdtight 時代を過去のものとしている。
ミュージカルやメロディアスなドラムンベースの趣向を取り入れ、Lomax の作品はこのジャンルの多くの有名レーベルに一種の優美さを提供したが、Ram Records で "Artisan VIP" としてデビューし、Andy C の力で賛歌調にアレンジされた結果、新しい次元に入った。
Xample が自らのソロ作品のデモをインターネットのメッセンジャーサービスで Ram Records のオーナーである Andy C と Scott Bourne に送ったところ、彼らも注目。
受け取って10分後に Gavin に返信を送り、その結果 Ram Records の専属アーティスト契約を締結。
その後、フロアを圧倒するヘビーな曲をリリースし続けている。
2009年になるまで、Xample と Lomax はスタジオを一緒に利用したり、共作曲のリリースを増やしてきた。
ロンドンのゴールドスミス大学で学んだ音楽の基礎と Gavin の独学ながら独創的なプロデュースとの組み合わせがエレクトロ・ミュージックの分野に新風を巻き起こすことは確実だった。
2006年の "The Latter" と2009年の "Contra" が、新しいプロジェクトの種を撒くことになる。
新しいプロジェクトには新しい名前が必要なものだが、彼らは新たなプロジェクトの為に名前を一新するという大胆な行動に出る。
イマジネーションを膨らませるような、そして Ram でのリリース "Link 2 The Past" に結び付けられるような名前のアイディアを探して、古いレイブ音楽のテープやゲームカセットを漁りつつ良いものを探していた。
そして、サンプル音源を読み込むのにとてつもない時間がかかるような 古臭い Emu サンプラーを見つける。
音源をロード中に星のマークが高速回転していたのを見て、これこそ新しいユニットの名前 "Loadstar" にふさわしいと閃いたのだ。
新曲はすぐさまヒット。彼らの度肝を抜くような音楽の方向性と、Ram Records のバックアップで、Loadstar が音楽シーンのトップに躍り出ることが約束された。
Gavin も Nick も、今は既存のアンダーグラウンド D&B をベースにすると言っているが、一方で今のベースミュージックと、それが新しいジャンルやスタイル、そしてテンポを瞬く間に吸収する様子に早くも興奮を覚えている。
ドラムンベースのファンだけでなく、ベースミュージック全般のファンでさえも、Loadstar が今のエレクトロ・ミュージックの中でエクサイティングなユニットになる要素をすべて兼ね備えていると確信するに違いない。
自宅のステレオ、そして巨大アリーナ、どちらでも極上の音楽として楽しめる曲を長年作り出してきた。
ブリストル出身の MC である Texas と共に、アーティストのブッキングスケジュールがこれ以上埋まらないほど世界中をツアーし、常連から賞賛の声が上がり、アーティスト、そしてメディアから支持を得ている事は、Loadstar が今のベースミュージックの革命を引き起こす急先鋒であることの何よりの証明だ。
(WOMBウェブサイトより http://www.womb.co.jp/#!/artists/loadstar.html)