1999年、スペインはバレンシア地方で結成されたLA GOSSA SORDA(ラ ゴッサ ソルダ)。FERMIN MUGURUZAやMANU CHAOに影響を受けたLA GOSSA SORDAだが、今年で結成17年目を迎えるヨーロッパのレベルミュージック・メスティソロックシーンの重鎮バンドで、OBRINT PASと共にバレンシア音楽シーンを開拓したパイオニアとして広く知られている。サウンドスタイルはロック・パンク・レゲエ・スカにバレンシアの民謡や地中海のビートをMIXさせた混血音楽で、バレンシアの木管楽器ドルサイーナを前面に押し出した楽曲と、3人のヴォーカリストが圧倒的な存在感を放っている。何故ヴォーカルが3人も居るのか?という疑問を紐といていくと、彼らの故郷バレンシアの言語教育の問題にぶつかる。バレンシア人はカタルニア語・バレンシア語の母国語を持つが、スペイン政府がカタルニア語を学校で教える事を禁止したという。この事から、バレンシアではカタルニア語を話せない若者が増加した。LA GOSSA SORDAはその現状を案じて、音楽を通じてカタルニア語を守って行きたいと考えた。その為、歌詞には特に強い思いを持っており、際立った3人のヴォーカルも彼らの意思の表れと言えよう。カタルニア語の歌詞は、主に既存のシステムに反対するといった内容が歌われている。2000年に『La Gossa Esta Que Bossa』、2003年に『Vigila』、2006年に『Garrotades』、大ヒットした2008年の『Sao』、2010年に 『L'Ultim Heretge』、2014年に『La Polseguera』をリリース。『La Polseguera』のリリースパーティーには、3万5千人のファンが詰めかけた。名実共にバレンシアを代表するライヴバンドへと成長を遂げたLA GOSSA SORDAだが、2016年春に新作CDとDVDのリリースを控えており、このアルバムのツアー後に解散するという旨の発表をしている。解散は非常に残念だが、驚くべきことに日本でのRADICAL MUSIC NETWORK出演、FUJI ROCK FESTIVAL出演が彼らの最後の舞台になるという。17年間続けたキャリアを日本で終止符を打つLA GOSSA SORDA。この決断は簡単なものではなかったはずだ。だからこそ、この日本ツアーに対するメンバーの思い入れは強く、音楽家としての生き様が垣間見えるようなライヴを披露してくれることは間違いない。彼らの歴史の全てを詰め込んだ、全身全霊のパフォーマンスを目撃せよ!