日本中のダンスミュージックファンが待ち焦がれた年に一度の祭典、ULTRA JAPAN 2016がついに幕開けとなった。9時の開門を待ちきれず、朝早くからエントランスゲートには多くのファンが列を成し、開門の瞬間に胸を高鳴らせていた。



メインステージでは11時からYAMATOのDJでオープン。海外アーティストのサポートアクトとしての経験豊富なYAMATOは世界標準のULTRA JAPANの幕開けにふさわしく、存分に存在感を発揮した。早い時間にも関わらず多くのファンが彼のパフォーマンスを一目見るためにフロアに集まり、ULTRA JAPAN 2016はYAMATOの奏でる音で始まった。


なお、iFLYERのinstagramにプレイを終えたばかりのYAMATOからのメッセージが届いている。
 
一方、昨年に引き続きRESISTANCEステージには国内外からハウス、テクノを中心とした時代の流れに飲まれず揺るぎない人気を誇る音楽を極めたアーティストたちが勢ぞろい。RESISTANCEステージを目当てに来たという人も少なくないこのフロアのオーディエンスたちはビートに乗せて横に揺れ、卓越した技術の中にあるグルーヴと永遠と聞き続けられるようなダンスミュージックを駆使し、メインステージとは全く違う世界観で大いに盛り上がっていた。



TOM SWOONは巧みなマイクパフォーマンスでオーディエンスの心をがっちりロック。「Hotline Bling」や「Where Are Ü Now」などポップソングをエレクトロダンスミュージックに織り込み、昼下がりのお台場に爽やかな風をもたらした。



続くGryffinはファン待望の初来日。Kygoのツアーのオープニングアクトを務めた彼はヨーロッパテイストのHOUSEを得意とする。彼はDiplo & Sleepy Tomの「Be right there(Alex Ross remix)」やSam Feldt Feat.Kimberly Anne「Show Me Love」からヒップホップ定番曲のエディットなど、他のアーティストとは一味違う独自の世界を提示した。



W&Wは来日経験が数度あり、日本のファンが再会を楽しみにしていたアーティストの一人。W&W & Hardwell「Live The Night」でアグレッシブに攻めたかと思いきやThe Chainsmokers & Halsey「Closer」、Avicii「Waiting For Love」など様々な楽曲をプレイ。最初から最後までビッグルーム系のエレクトロサウンドからハードスタイルまで、大きな振れ幅の選曲で「これぞULTRA」というべき圧巻のパフォーマンスでフロアを2人の思い通りに右に左にと揺らす。



大観衆のメインフロアから少し歩いた場所にあるのがULTRA PARK STAGE。ここにはTJOをはじめとした日本で大活躍中のアーティストたちがプレイ。素敵な音楽を聴きながらチルアウトできるのがULTRA JAPANの魅力だ。



続いて現れたZHU。彼は今年、謎多きアーティストとして注目を浴び、その独創的な世界観を持ってコーチェラデビュー。そんな彼のライブセットは重厚なサウンドのトラップからスタート。一曲目からZHUの世界が創造された。「Working For It」や「Cocain Model」、「Hometown Girl」など自身の楽曲でライブを構成し、誰にも真似できないZHUの音楽にオーディエンスが酔いしれ続けた60分だった。



そしてみなさんお待ちかね、トロピカルハウスの貴公子ことKygo。先月、リオ・オリンピック閉会式に出演したKygoはULTRA JAPANでのセットを「Stole Tha Shadow」と火花、スモーク、華やかなVJとともにスタート。Kygoは大きなステージを生かした緻密な映像演出も映え、彼の奏でるトロピカルハウスがお台場のULTRA PARKを南国にした。



ここまで、Kygoのパフォーマンスで気持ちよい日没を迎えた後はDJ SNAKEの登場。DJ SNAKEは昨年に引き続き2度目の登場だが、この1年で出したシングル全てがヒット作となり、アルバム「Encore」をリリースしさらにパワーアップしてきた。一曲目の「Propaganda」で一気にギアを上げ、隙間が見つからないほどに満員になったフロアは大きく縦に揺れる。その後も「Get Down」、「Middle」、「Turn Down For What」など自身の楽曲を連発し、まるで魔術師のように思うがままにオーディエンスの動きをコントロールした。終始間違いない選曲でオーディエンスの心をガッチリと掴み、一瞬のように感じられた90分間は夢のような時間だった。



DAY 1のラストを飾るのはネズミのヘルメットを被ったエレクトロサウンドの申し子、Deadmau5。期待に胸を膨らませたファンが数え切れないほどにフロアに詰めかけていた。長年のスタイルを曲げない芯のあるエレクトロハウスをオーディエンスの体の芯まで届け、幻想的な世界を演出した。「Strobe」や「Faxing Berlin」など自身の楽曲だけでなくMijangos Feat. Cafe De Sol「Bahia (In Love Remix)」やNaDaDrop「Wood Party」のようなエレクトロサウンドもプレイ。最後は花火が打ち上げられ、ULTRA JAPAN 2016の1日目を盛大に終えた。



それぞれ他のアーティストには無い色を持つアーティストが揃ったULTRA JAPAN 2016 DAY 1は言うことなしの完璧な1日だった。これからステージに現れるアーティストたちはどのようなパフォーマンスでフロアを沸かせてくれるだろうか。それを想像するだけで胸の高鳴りが抑えきれない。



まだまだ終わらないULTRA JAPAN 2016、数々の感動と興奮を届けてくれるに違いない!
AWAによるULTRA JAPAN 2016 DAY1のプレイリストを聴いてこのレポートとともに是非会場の臨場感を感じてほしい!