以前テレビ番組「関ジャム 完全燃SHOW」の企画「業界のプロが10代の原石を本気推薦!!」のTeddyLoid推薦アーティストとして名前が上がり話題となったプロデューサーのMATZがデビューEPのリリースを発表した。10代にして業界が注目するアーティストとなった彼のことをさらに知るべく、iFLYERはインタビューを敢行。彼のプロデューサーとしてのルーツ、今後の方向、そしてEPについて話してくれた。

まず、トラックメイカーになったきっかけは何でしょうか?
MATZ: もともと、中学生の最後ぐらいにダンスミュージックを良く聴いていたのですが、当時は日本でも世界でも、10代のトラックメイカーがたくさんエレクトロシーンで活躍していた時期で、その姿を見ているうちに、自分も始めたいと思っていました。学生だと作曲ソフトが学割価格で買えるものがあるので、それを利用してソフトを買ったのがきっかけでした。

「日本で10代のアーティストが活躍していた」と話されていましたが、具体的にどのアーティストの楽曲を聴いていましたか?
MATZ: MySpaceで活躍していたTeddyLoidさんの曲を初めて聴いたときは「何だこれは!?」と衝撃を受けました。また、当時は顔を明かさずに活動していたbanvoxさんですね。このお二方は今でこそ大きなステージで活躍されていますが、僕が見つけた時はまだ謎に包まれていて、それにも魅力を感じました。

楽曲はどんなジャンルを意識して制作していますか?
MATZ: それが、あまりジャンルを意識したことは無いです。僕はもともと、エレクトロの音楽シーンが好きで作曲を始めたので、色んなジャンルの要素を取り入れて自分のカラーを出したいと思っています。自分が音楽制作を始めたときはコンプレクストロというジャンルが好きで複雑な音色だけれどもしっかり曲として成り立たせるという作業が好きでした。なので、自分の中でジャンルはこれといったものを意識せず、自分の色を出すように意識しています。
今だとmijaとかJauzなど、ジャンルの壁を無視して音楽を作ってヒットさせているのですが、自分もそういう曲を作りたいと思っています。


DJ moeとのコラボ曲「Unstable」はどういう経緯で作られましたか?
MATZ: 僕とmoeちゃんが知り合ったきっかけはmoeちゃんが僕の地元の札幌にあるRivieraというクラブでゲスト出演した時でした。当時は札幌を拠点にしていたQrionさんとmoeちゃんが前から仲が良くて、Qrionさんの紹介で僕とmoeちゃんが知り合い、同世代という共通項で仲良くなって、作ることになりました。最初「Unstable」は、電話で「こういうのをやってみよう」とか意見を出し合いながら作っていきました。僕はこれまでいわゆる"Kawaii Sound"的な音を作る機会が無かったので、moeちゃんの女の子らしさをそういった音で表現しながら、自分の音などを組み合わせて、2人の色を意識しながら曲を作りました。
 

今、影響を受けているアーティスト、憧れているアーティストは誰ですか?
MATZ: 僕はダンスミュージックを聴き始める前は、いわゆるポップスやバンド系の音楽をずっと聴いていたのもあって、自分はいまダンスミュージックという枠組みにとらわれない音楽を作ることを意識してます。元バンドマンのキャリアを生かして曲を作っているプロデューサーにはいつも影響を受けています。他にも、同世代のアーティストや新しい刺激をくれるアーティストには影響を受けています。

現在はプロデューサーとしての楽曲制作を行いながらDJとしての出演も行っていますが、将来的にはどのようなスタイルで活動するつもりですか?
MATZ: この前日本でも行われていたPorter RobinsonとMadeonのライブツアー「Shelter」はもはや現代版のDaft Punk「Alive 2007」だと思っていて、DJではなくライブというカタチで自分の色を出しながらダンスミュージックを見せていく姿に衝撃を受けました。彼らはDJとしてでは無くプロデューサーとしてダンスミュージックのシーンに足を踏み入れたのですが、自分も同じく楽曲制作から入ったので彼らのスタイルに憧れていて、いつかアーティストとしてライブができるようになりたいと思っています。


以前、TeddyLoidさんがテレビ番組でMATZさんのことを「10代の原石アーティスト」として紹介し、話題になっていましたが、TeddyLoidさんとはどういった関係ですか?
MATZ: 先ほど話した通り、僕はTeddyLoidさんのことに前から憧れていて、いつか彼みたいになりたいと思っていました。僕が高校生のころにTeddyLoidさんがツアーで札幌に来ていたので、自分の作った曲をUSBに入れて渡したところ、音源を聴いて頂き、コメントをしてくれました。その後、TeddyLoidさんと共演する機会などがあり、仲良くさせて頂いております。

MATZさんの世代では現在「EDM」が流行しています。これまでのMATZさんの楽曲も「EDM」の要素が含まれていたように感じます。これからのMATZさんはどのような方向性で制作をしていく予定しょうか?
MATZ: 自分自身、これまではダンスミュージックの色が強く、いわゆるEDM的な展開の楽曲を多く作っていましたが、いまは「ライブパフォーマンス」というスタイルに魅力を感じていて、そういうカタチでライブが行えるようになりたいので、DJユースな曲も何曲か作っていくとも思うのですが、今後はダンスミュージックにとらわれず、日常生活でも音楽として楽しんで聴けるような音楽も作っていきたいと思っています。

今後、コラボしてみたいシンガーやアーティストはいますか?
MATZ: 海外のシンガーの方やトラックメイカーの方々と一緒に曲を作ってみたいとも思っています。また、日本の他のジャンルの方々とも一緒に曲ってみたいとも思っていて、ジャンルを超えた形のコラボなどをしてみたいとも思っています。

今回のEPについて教えてください。
MATZ: 「自分の今までとこれから」というコンセプトで、自分がこれまでに影響を受けたものや、これからやりたいことを体現した楽曲を制作しました。僕は最近までずっと札幌に住んでいたので北海道の情景に影響を受け、地元の雰囲気に影響を受けた曲も入っています。6月16日に先行配信されるEPのリード曲「I See You」は歌モノですが、今まで自分の曲でボーカルが入る曲を制作することが一度もなかったので少し苦戦しました。「I See You」は、クラブだけでなく普段の日常生活で聴いて欲しいと思います。

ありがとうございました!今後の活躍を期待しています。

7月7日に待望のデビューEP「Composite」がリリース決定!6月16日先行でEPのリード曲「I See You」配信開始!
 

MATZ (マッツ) プロフィール
身長187cm・19歳・北海道生まれ北海道育ちのプロデューサー/DJ。
エレクトロなどのダンスミュージックから影響を受け、15歳よりコンピューターを用いて楽曲制作を開始する。北海道で活動し、SoundCloudに公開されたオリジナルトラックが早くも各地のDJから注目を集める。最先端のデジタル・クリエイティブを取り入れたスタイルと日本人離れしたスマートなビジュアルは、日本のダンスミュージック・シーンを牽引する次世代アーティストとなるだろう。
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