2018年5月26日(土)、27日(日)の二日間に渡り、横浜赤レンガ倉庫特設会場にて開催された【GREENROOM FESTIVAL ’18​】。サーフカルチャー、ビーチカルチャーをルーツに持ち、音楽、アート、そして映像と、様々な切り口から来場者を楽しませてくれる GREENROOM FESTIVAL は、年々来場者が増加している評判のフェスティバルである。
 

26日(土)は若干の曇天であったが、気温もそよ風も丁度良く、逆に心地良いくらいだった。会場に到着すると、まず来場者を出迎えるのは一番手前の RED BRICK ステージで、トップバッター SOIL & “PIMP” SESSIONS が訪れる来訪者の気持ちを一気に盛り上げていた。このRED BRICK ステージを始めとする赤レンガ倉庫の二棟とその周辺は、なんとチケットを持っていない人にも開放されており、ふらりと訪れた方もフェスの雰囲気を感じることができるため、昨年たまたま訪れて GREENROOM FESTIVAL ’18 を外から目撃し、今年はチケットを購入してゲートの中でフェスを楽しむ、というパターンの来場者も多い模様。


RED BRICK ステージ周辺の SURF​ MARKET では、様々なサーフ系のアパレルやコスメ、雑貨のブースが立ち並び、VANS等のいくつかのアパレルブースには著名なサーファーやスケーター、グラフィックアーティストが来日し、ファンたちが一緒に写真を撮影したりして楽しんでいた。また、芝生の上でのひと時を満喫している人が多かったのも目についた。シートを広げてお弁当を食べたり、そのままゴロリと寝転がったりしている来訪者、また YOGA FIELD では青空の下でのヨガ教室が開催されていた。
 

ゲートから中に入ると、GOOD WAVE ステージと BLUE SKY ステージ、2つのメインステージが会場の両サイドに向かい合うように設置されていた。EGO-WRAPPIN’ のライブでは “くちばしにチェリー” 等のアップテンポな名曲が演奏で会場が沸き返った。伸びやかな歌声が、オーディエンスを感動させた。


日本人なら知らぬ者はいないほどの大御所俳優、そしてシンガーソングライターとしても知られる加山雄三を中心としたロック・バンド The King ALL STARSは、THEATRE BROOKの佐藤タイジ、SOIL&"PIMP"SESSIONS でもGREENROOMに出演したタブゾンビら、脇を固めるメンバーにも錚々たるメンツが揃っており、レジェンドならではの演奏で会場を盛り上げた。曲の合間には「若大将!」という声があちこちから上がる中、加山雄三がエルビス・プレスリーや自身の楽曲を聞き惚れるような歌声で歌い上げた。


実力派アーティストが揃い踏みする GREENROOM FESTIVAL ’18 においても、間違いなくベストアクトの一組と言えるのが Vintage Trouble だろう。名門ブルーノート・レーベルと契約した初のロック・バンドである Vintage Trouble は、当然ながらその音楽性には卓越したものがあり、さらに観客を魅了するそのエンターテインメント性の高さでも目を見張るものがあった。ボーカルの Ty Talor(タイ・テイラー)は、ずば抜けた歌唱力を披露しながら、全力のダンスとジャンプで会場を魅せる。さらに、「コンバンハ! お元気ですか?」「寿司、美味しいですね!」と日本語混じりのジョークを飛ばし、トークの掴みも抜群。彼らが見せてくれた音楽、そして Ty Talor の繰り出す笑い、そして目を見張るダンスで、会場の注目は Vintage Trouble に一点集中し、世界最強のライヴ・バンドと言われるのも納得のステージを見せてくれた。


26日のメインステージのトリを飾る Jimmy Cliff の裏では、唯一の室内ステージである 赤レンガ倉庫内のステージ GALLERYで、KNOWER(ノウワー)のライブが行われていた。LA発の同バンドは、エレクトロ、ジャズ、ファンクがミックスされ、Louis Cole(ルイス・コール)の超絶ドラムテクニックとボーカルの Genevieve Artadi(ジェネヴィェーヴ・アルターディ)のウィスパーボイス、更にシンセサイザー等の音が重なり、不思議な世界観を作り出す。ポップかつ複雑、トリッキーで魅力的な KNOWER のライブは今後更に評判となるに違いない。
 

二日目は朝から青空が広がり夏のように日差しが心地よい天候での中でトップバッターのサンボマスターが登場! 1曲目に【NARUTO-ナルト-】のオープニングテーマにもなった「青春狂騒曲」からはじまった。誰もが一度は耳にしたことがある名曲に、オーディエンスは一緒に歌って大いに盛り上がった。ボーカルの山口隆が「NOおしゃれ!NOおしゃれ!」と煽り、曲間のエモーショナルなMCでオーディエンスのボルテージを最高潮にまで引っ張ったところで演奏された「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」は、圧巻であった。


今年でなんと結成21年、ベテランの風格を漂わせる GRAPEVINE(グレープヴァイン) は、昔のヒット曲から最新の曲まで幅広く演奏し、新鮮味とともに懐かしさを感じさせるセットリストに。続く在日ファンク水曜日のカンパネラは個性的なパフォーマンスを披露して会場を沸かせた。
また、芝生の上で寝転んだり、チルアウトしながら寛いでライブを堪能できるステージ HUMMING BIRD では、ポストロックバンド KYTO でも知られるNICK MOON(ニック・ムーン)がシンセサイザーを弾きながらのライブを披露。一生懸命に覚えた感じの日本語で観客に語りかけながらの、とても優しい雰囲気に満ちたライブとなった。



The Wailers のライブはベスト版のようなセットリストとなり、観客たちは大満足。誰もが知っている往年の名曲 "ONE LOVE"、"I Shot The Sheriff"、 "Could You Be Loved" など、故ボブ・マーリーの音楽性を受け継ぐ素晴らしい演奏とボーカルは、海沿いという極上のロケーションにぴったり。会場全体が合唱し、最高にピースな瞬間を味合うことができた。



徐々にサンセットの時間となり、夕暮れの日差しに照らされながら、日本国民の生活に常に寄り添う国民的バンドと言っても過言ではない ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション) の演奏が始まり "君という花"、 "リライト"など、名曲を畳み掛けるようにプレイ! 共に歌う人、感極まって涙する人などの姿も目に付いた。


そして二日目のラストには、フェスを締めくくる大トリの Sublime with Rome(サブライム ウィズ ローム)が満を持して登場。惜しくも2011年のAIR JAM がキャンセルになり、2016年に来日した際には青森で開催された「三沢アメリカンデー」のみで公演、今回は待ちに待った関東での初公演というのもあり、90年代からのファンから若い世代まで、幅広い客層でフロアが埋め尽くされていた。アルバム『40Oz. to Freedom』『Robbin’ the Hood』『Sublime』から名曲ぞろいの選曲で、終始歓声が飛び交っていた。スカダンスを踊るファン、そしてピースフルなモッシュとダイブ。アンコールの最後の「Santeria」は、会場全体が合唱となり、GREENROOM の大トリに相応しい、いかにもロケーション会場の雰囲気にマッチした素晴らしいエンディングとなった。



Written by Go, きのや
 

GREENROOM FESTIVAL’18 

【会場】 横浜赤レンガ地区野外特設会場
【日程】 2018年 5月26日(土)・27日(日)
【時間】 開場11:00/開演12:00/終演21:00
【主催・企画・制作】 GREENROOM FESTIVAL実行委員会
【チケット】 2日券:¥19,000(税込)
1日券:¥11,730(税込)
【オフィシャルサイト】   
 http://greenroom.jp
【SNS】                           
Instagram:   https://www.instagram.com/greenroomfestival/
Facebook:   https://www.facebook.com/GreenroomFestival/
Twitter:   https://twitter.com/GreenroomFes
【後援】 横浜市文化観光局、横浜港運協会、(一社)横浜港振興協会​