2001年から「集団的創造」をコンセプトとし、インタラクティブアート作品を世にリリースし続けてきたチームラボ。他者と共に圧倒的・身体的に没入できる体験を与えるアート作品は、子どもから大人まで多くの人々を驚かせ、楽しませてきた。
 

そんなチームラボが2018年7月7日、新豊洲駅前に総面積10,000平米という広さの施設「チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com」をオープンさせる。8月からはレストランも併設される予定のこちらの施設は、チームラボの作品と共に、豊洲という土地の持つ空気感の中で、1日を通して様々な体験が楽しめるような施設となるとのことだ。


そのオープンを記念し、6月27日には記念発表会が開催され、PLANETS代表取締役野本巧氏チームラボ代表猪子寿之氏、更にゲストとして俳優・映画監督北野武氏が登壇、「チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com」への想いや魅力などを語った。


 

強烈でポジティブな印象を与えて、その人の記憶に残るようなものを作りたかった

「約2年前からこのような形でやりたいと考えていた」と語った野本氏。2年間の2016年、チームラボはお台場にて開催されていたフジテレビ「お台場みんなの夢大陸2016」での展覧会「DMM.プラネッツ Art by teamLab」を開催していたが、今回、同作品はマイナーチェンジを果たし、2020年秋までの限定公開で新豊洲駅前にて公開される。公開期間が長いため、2年前よりも更に多くの人々がこちらの作品を見る機会に恵まれることとなる。


2年前、「DMM.プラネッツ Art by teamLab」は大評判となり、その終盤にもなると、連日開場外には長蛇の列が作られていたが、その際に野本氏は海外からの来場者の反応が気になり、外国人客の後をついて回っていたという。そして、やはり世界中の一人でも多くの人に見てもらいたいという気持ちになり、NY への進出も決定。現在、来年の公開に向けて動いていると語った。



野本氏は「強烈でポジティブな印象を与えて、その人の記憶に残るようなものを作りたかった」そして猪子氏は「身体の作品の境界が曖昧になるような、自分が作品の一部になるような、そしてそれがきっかけで自分と世界との関係を見直すきっかけとなるような作品になればいいと思います」とコメント。
更にゲストとして登場した北野武氏は「想像力と実体験がいっしょに来るのがとても面白い。現代版のお化け屋敷だと思ってくれれば良いです。様々な感動があるので、楽しんでもらいたい」と、北野さんらしい冗談も交えてコメントし、会場の笑いを誘った。



会見の後は、実際に作品を体験しながら、その作品について猪子氏が解説をしてくれる空間説明の時間が設けられた。
膝まで水に浸かって体験するアート「IZUMI」は、水面に投影された鯉が人の位置を感知して、それを避けるように水面を泳ぎ回り、鯉が人にぶつかると花に変化して散っていくという10分間程度の作品である。音楽の盛り上がりと共に鯉の量が増え、徐々に鯉が光を放ち軌跡を描き始める。


猪子氏は「今日は人がいっぱいいるので、鯉がいつもと違う動きをしていますね。センサーで人の場所を感知して、それに合わせて鯉が動くので、ほら、人に囲まれて鯉が困っています」と笑いながら解説。2年前の公開時には水は冷たかったが、今回は一年を通してお客さんが来場するため、冬でも寒くないように水の温度を調整したりという配慮がなされているとのこと。
田舎で育ち、鯉は身近な存在だったと語る猪子氏。その原風景の中に「生と死が繰り返されるサイクルの中に自分も存在している」というテーマを込めたという。


作品のバージョンアップを果たし、よりアクセスのしやすい新豊洲という立地にオープンする「チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com」。2年前のお台場でのオープン時には、あまりの激混みで見るチャンスを逃してしまった…という方も、今回は2020年秋までの期間限定で一年中営業しており、更に訪れやすくなっているので、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
 

チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com

日時:2018年7月7日オープン〜2020年秋まで
会場:東京都江東区豊洲6丁目1−16
料金:
【通常チケット】
大人 (18歳以上) 3,200円
中人 (12歳~17歳) 2,700円
小人 (4歳~11歳) 2,000円
シニア (60歳以上) 2,700円
障がい者割引 1,600円